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シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

映画『あなた、その川を渡らないで』の感想〜「この映画はぜひご夫婦そろって観るべき!」と僕が思った理由とは?


あなた、その川を渡らないで [DVD]

今回は『あなた、その川を渡らないで』という韓国の素晴らしいドキュメンタリー映画を観て感動したので、そのことについて書いてみたいと思います。

僕は40数年間生きてきて、数え切れないほどの映画を観てきたけど、後にも先にもオープニング30秒で泣いてしまったのはこれが初めてです。

この作品は特に結婚してるご夫婦に観てほしい作品です。

もちろん、ハンカチは必須ですぞっ!

目次

作品概要

あなた、その川を渡らないで [DVD]

あなた、その川を渡らないで [DVD]

 
  • 監督・撮影:チョン・モヨン
  • 出演:チョ・ピョンマン/カン・ゲヨル
  • 上映時間:86分
  • 公開:2014年/韓国

モスクワ国際映画祭観客賞、ロサンゼルス映画祭最優秀ドキュメンリー作品賞など世界各地の映画祭を総ナメにした話題作。

超低予算のドキュメンタリー映画であるにも関わらず、韓国で異例の大ヒットを記録した作品です。

韓国のど田舎で暮らす結婚76年目(!)という老夫婦がこの映画の主役の二人です。

ご主人の年齢は98歳、奥さんの年齢は89歳。

でもそんな高齢で、76年も連れ添ったのにも関わらず、とにかく二人は超仲良し。

いつもお揃いの服を着て、いつも一緒。

どこへ行くにもいつも手をつないで出かけます。

しかし、だんだんおじいさんの体が弱ってきて、ついに最後の時を迎えます。

__おじいちゃんのお墓の前で泣き崩れる最後のシーンは涙が枯れるほど泣ける、映画史上に残るラスト・シーンだと思います。

レビュー

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ペアルックのチマチョゴリを着たおじいさんとおばあさんがとにかく可愛い!

まるで林家ペーパーのようにカラフルなお揃いの衣装を着て、いつも一緒。

どこへ行くにも仲良く手をつないで歩きます。

でも不思議なことに、それは全然「奇妙なこと」のようには思えません。

映画は四季折々の美しい田舎の風景と共に、そんな二人の仲むつましい様子を丁寧に淡々と描いていきます。

とてもナチュラルで、とても愛くるしい。

街でペアルックを着ているカップルを観たりなんかしたら、みなさんも「イタイ!」と感じてしまうこともあると思います。

でもこのおじいさんとおばあさんにはそういった「イタさ」のようなものは微塵も感じないのです。

言葉が適切かどうかわかりませが、とってもロマンティック。

ある種の『美』すら感じるほどです。

あまりにも二人の愛情が深すぎて、こっちまで圧倒されちゃうんです。

なんでもないようなことが幸せ

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映画の前半はとにかく仲のいい老夫婦の姿を描いていきます。

一緒に落ち葉拾いをすれば、おじいさんはふざけておばあさんに落ち葉をかけて遊びます。

黄色い菜の花を摘んではおばあさんの髪に飾ってあげます。

夜、トイレに行く際におばあさんに「怖いから、ついてきて」と言われれば、おじいさんは喜んでついていってあげ、おばあさんを勇気づけようと歌まで歌ってあげます。

初雪が降れば一緒に雪を食べたり、雪合戦をしたり、雪だるまを使ったりして遊びます。

おばあさんが「手が冷たい」と言えば、おじいさんは必死になって息を吹きかけ、おばあさんの手を温めてあげます。

映画の前半はとにかく、そんな「なんでもない日常」が淡々と描かれていきます。

貧しい生活です。

でもそれが何だというんですか?

二人の愛は「貧しさ」なんていうくだらないものに左右されないんです。

二人の結婚生活はもう76年。

『ロード』じゃないけど、なんでもないようなことが幸せなんです。

君が僕のそばにいてくれるということ。

あなたが私のそばにいてくれるということ。

__それ以外にどんな幸せがあるというのだろう?

死と生はイコールである

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この映画を観終わった後、なぜか印象に残るのはおじいさんとおばあさんが飼っている二匹の犬の存在です。

ゴンスンとゴマ。

はっきり言って、お世辞にもキレイ&カワイイとは言えない雑種犬です(笑)

でも、おじいさんとおばあさんはとても可愛がっています。

しかし、ある日突然ゴマが死んでしまいます。

悲しみに暮れるおじいさんとおばあさん。

ところがその直後、ゴンスンが妊娠していることが発覚します。

そして6匹の可愛く元気な赤ちゃんを出産するんです。

このあたりの犬の存在感。

これがこの映画にいい効果を及ぼしています。

犬を通じて描かれる生命の生と死。

生命である以上、やがていつかは死ぬ。

でも、それは同時に新しい命が吹き込まれる瞬間でもあるのだ。

生と死はほとんど同一のもの。

それが自然というもの。

それが生きるというもの。

この映画の中でも、おじいさんもこんな印象的なことを言っています。

 

人間の一生というのは「花」に似ている。

春は蕾のままだけど、夏になればパァーッと咲き誇るようになる。

でも秋になるとだんだん花はしぼんでいき、冬には枯れてしまう。

人の一生もそういうものだ。

 映画史上に残る美しく悲しいラストシーン

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おじいさんは病気で日に日に衰えていきます。

苦しそうに咳をして、どんどんやせ細っていきます。

もう高齢のために手術することもできません。

ただ死期が来るのを待つだけ。

おばあさんはその姿をただじっと見つめるだけです。

  • 愛する人がもうすぐ自分の目の前からいなくなろうとしている。

__それは一体どんな気持ちだろうか。

僕は自分に置き換えて考えてみました。

そこにあったのは本当の悲しみでした。

自分が死ぬことよりも苦しいことでした。

だから僕の奧さんや子供たちには1秒でもいいから僕よりも長生きしてほしい!

僕に悲しい想いをさせないで…。

おじいさんはやがて静かに息を引き取ります。

そして、映画史に残るラストシーンへ…。

この最後のシーンの美しさと悲しさはいったい何なのでしょうか?

聞こえてくるのは静かな冬の森に響きわたる89歳のおばあさんの泣き声。

  • 私も連れてって
  • もうすぐ私も行くから待っててね
  • あなた、その川を渡らないで

__この最後のシーン&エンドロールは、もう号泣するしかありません…。

まとめ

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幸せとはいったい何だろうか?

愛とはいったい何だろうか?

この映画は僕らにいろんなことを考えさせます。

特にうちみたいな結婚しているご夫婦に観てほしい映画です。

不倫? 離婚?

「結婚」にまつわる話題ってそういうものだけじゃない。

ぜひ、いつもあなたの隣にいる大切な人と一緒に観てください。

あまりにも悲しいエンディングだけど、観終わった後にはなぜか爽やかな清々しい気持ちになれます。

それはきっとこの映画が『』をテーマにしているからだと思います。

 

したっけ!

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anata-river.com