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シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。本当の豊かさは高い収入でもモノでもなく「自由な時間だべや」という信念のもと、なまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

映画『いまを生きる』の感想〜なぜキーティング先生は一生懸命、生徒たちに哲学や文学の重要性について説いたのか?


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僕の人生を変えた映画といえば、まずこの映画を挙げなければなりません。

もしかしたら、いちばん好きで、いちばん影響を受け、いちばんくり返して観た映画かもしれません。

僕はこの映画がきっかけで本を読むようになり、それと同時に、自由ということ、生きるということ、愛するということ、etc…いろんなことを考えるようになりました。

現実の世界では「心の底から尊敬できる先生」という人には出会えなかったけれど、僕は一向に気にしていません。

なぜなら、この映画の中でキーティング先生と出会えたから…。

たとえ映画の中だけとはいえ、僕は彼と出会えたおかげで救われました。

世界に向けて目を開かしてくれました。

もしも彼と出会っていなかったら、僕の人生はあまりいいものになってなかったような気がします。

  • なぜ僕はこんな場所にいるのか? 
  • なぜ僕はこんな人間になったのか? 
  • なぜ僕はこのような考えをするようになったのか? 


…そのすべての原点が、この『いまを生きる』という映画であるような気がします。

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目次

レビュー

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この映画で扱っている重要なテーマが、『自由』というものです。

普段、我々は自由というものについてあまり深く考えたりしません。

でも、この映画を見ると、自由というものがいかに尊いものであり、大切なものであるかがよくわかると思います。

  • 規律
  • 伝統
  • 従順
  • 秩序
  • etc…

…そんなものばかりを押しつける学校に大して、キーティング先生は『自由』という概念で抵抗します。


ここでは学校という小さな世界が舞台となっていますが、それはまさに僕たちが生きているこの世界そのものです。

僕たちの日常生活の中にも同調圧力はあります。

満ち満ちています。

そのなかで、自由はいつも虐げられ、迫害される運命にあります。

でもキーティング先生は、そんな世界においても「自由に生きることを忘れるな!」と僕たちに説きます。

最終的には権力によって押しつぶされてしまう結末を迎えるわけですが、キーティング先生が蒔いた『自由の種』は、確実に生徒たち一人ひとりの心に受け継がれています。

僕の心にもその種は受け継がれました。

ラストのシーンで机の上に立った生徒もいれば、立たなかった生徒もいます。

あそこで全員が机の上に立っていたら、この映画は失敗に終わっていたことでしょう

キーティング先生に賛同した生徒もいれば、賛同しなかった生徒もいる。

でも、それでいいんだと思います。

すべての人間が自由という概念を愛しているわけではない。

すべての人間が反権力・反体制の思想を持っているわけではない。

すべての人が『リベラル』なわけじゃない。

世の中は一色である必要なんかないし、いろんな意見があっていいんだと思います。

「ゆとり教育」は本当に失敗だったのか?

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僕には二人の子どもがいます。今はまだ二人とも小学生で、この映画を観てもピンとこないかもしれませんが、「いつかもう少し大きくなったら子どもたちと一緒にこの映画を観れればいいなぁ…」と思っています。

いまの子どもたちを見ていて、つくづく可哀そうになることがあります。

たしかに「ゆとり教育」はいろいろな意味でうまくいかなかったのかもしれません。

でも、だからといって受験戦争に子どもたちを引きずり込むことがいいことだとも思えません。

僕はこのブログのなかでくり返し、

  • 一生懸命勉強して、いい学校に入って、いい会社に入れば、幸せになれるという考え方は危険だ!

…という警鐘を鳴らしています。

本当にそうだからです。

僕は2011年に脱サラ・起業して以来、ずっとストレスフリーな幸せな毎日をおくっています。

いまの僕には満員電車も、社内の人間関係の悩みも、営業ノルマも、サービス残業も、休日出勤もありません。

学生時代、それほど勉強ができなかったけれど、それでもこうして幸せになれたのです。

ところが今の教育現場は、僕の価値観とは正反対の価値観のもとで子どもたちを教育しようとしています。

その姿は『いまを生きる』という映画で描かれた学校そのものであり、その傾向は僕が学生だった頃より確実に強まっているのです。

もしかしたら、この映画は子どもたちよりも、親や学校の先生といった「大人たち」こそ観るべき映画なのかもしれません。

  • 勉強さえできれば、将来が約束される。

…といった幸福な時代はもう終わってしまったのです。

親も教師たちも、文部科学省のお役人さんたちも、そのことにまず気づかなければなりません。

この映画でもそのことは描かれています。

「芝居をやりたい!」「役者になりたい!」という夢を描く生徒がいます。

でも、お父さんは決してそのことを許さず、「勉強しろ!」のひと言で処理してしまいます。

せっかくの誕生日なのに、両親からの誕生日プレゼントが毎年「勉強道具」という生徒も登場します。

それは要するに、

  • いいから黙ってお前は勉強だけしていればいいんだ!

…という意味です。


勉強すること自体は悪いことではありません。でも、あまりにも過剰になり過ぎることは危険なことです。

うちの子どもたちのクラスにも毎日、塾に通っている子がいます。小学生なのに毎晩9時過ぎまで勉強しているそうです。

その子はたしかに勉強はできます。

でも、とても暗い目をしていて、友だちがいません。

人生は勉強や仕事やお金だけじゃない

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知らず知らずのうちに無意識のうちに「詩」のようなものを書いてしまっているときってありませんか? 

別に「よし、詩を書くぞ」とか「文章を書くぞ」と思って書きはじめたのではなく、自然に何かを書いてしまっているときってありませんか?

…それこそがまさに『表現する』というものです。

この映画の中で、キーティング先生は、

  • そうした表現や、情熱、ロマンスこそが人生において最も大切なことだ!

…と子どもたちに説きます。

そんなことしたって一銭にもなりません。

学校の成績がよくなるわけでもありません。

大企業に就職できるわけでもありません。

でも、僕たちの人生というのは、いい学校に入ったり、いい会社に入ったりするためだけにあるのではない。

  • 映画
  • 小説
  • 音楽
  • etc


人生にはたくさんの「おもしろいもの」「ワクワクするもの」があるはず。

勉強とか、仕事とか、お金だけがすべてじゃない! 

そんなこの映画のメッセージが僕が起業する道を選んだことにどれくらい関係しているのかはわかりません。


でも相当、影響していることだけは確かです。

要するに、『いまを生きろ!』ということです。

  • カーペ・ディエム!

…です。

でもそのような生き方は、ますますしにくくなっています。

僕がいくら「自由に生きろ!」「自分の好きなように生きろ!」と言っても、「そんなのムリだ」「非現実的だ」という言葉が必ず返ってきます。

この前などは、まだ20歳にもなってない大学生に、「でも、年金が…」なんて言われました。

45年後の心配をしてどうするんですか!? 

なぜもっと今を生きようとしないんですか!?

20歳といえば、無茶苦茶やってもいい年齢です。大暴れしてもいい年齢です。

それなのに、どうしてヘンに落ち着いちゃってるんでしょうか?

僕が言ってることって、そんなに現実離れしたことなのでしょうか? 

荒唐無稽なことでしょうか? 

僕は確かに変わり者かもしれません。

妻子ある身で脱サラ・起業したのですから、相当変わった人間なのでしょう。

でも、いいじゃないですか! 今、幸せなんですから! 

人生は80年しかないのです。

ボヤボヤしてたら、あっという間に人生なんて終わってしまいますよ。

せっかく生まれたんだから、みんな好きなことあればいいんです。

もっと自由に生きればいいんです。

リベラルの精神はこれからも受け継がれてゆく

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この映画の中でいちばん好きなシーンは、なんといってもラストシーンです。

それまで内気で、誰かに反抗したり、自分の気持ちをストレートに表現したりすることのなかったトッドが「おお、キャプテン! 我がキャプテン!」と言いながら、机の上に立つシーン。

とても感動的で、観るだけに号泣してしまいます! 

あのシーンがこの映画のすべてを物語っています。

それは、

 

  • 自分を抑えつけようとするものに対して、抵抗しろ! 

…というメッセージです。

たしかにキーティングは既存のシステムや権力に負けました。

「子どもたちに自由という概念を教えよう」と頑張ったのですが、校長先生をはじめとする旧態依然としたシステムに理解されず、学校を去ることになります。

だけど、子どもたちの心には確実にその『リベラルの精神』は受け継がれたのです。

あのシーンはそのことを象徴しています。

でも、いつの時代もどんなに抵抗したとしても、リベラルは負ける運命にあります。

それは歴史の中で何度もくり返されてきました。

だけど、何度も敗北を喫しても、リベラルの精神だけは決して消えることはありません。

確実に次の世代へと受け継がれていきます。

今年の11月8日、世界はまたリベラルの敗北を目の当たりにしました。

2016年は、リベラルの象徴ともいえる人、デビッド・ボウイが死んだ年でもあります。

2016年はいろんな意味で「メモリアル・イヤー」になることでしょう。


でも、下を向いてばかりはいられません。

きっと勇気のふりしぼって机の上に立つ若者が、出てくるはずです。

この世界のどこかから…。

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