うちの会社もそうですが、世の中のほとんどの会社は中小企業だと思います。
うちの会社なんて、家族でほそぼそとやってるような規模の会社なので、個人事業主に毛の生えたような規模の会社です。
だけど、それでも法人は法人。
法人である以上、どんなに規模が小さくても、儲かったら法人税という税金を払わなくてはなりません。
この法人税が非常に高くて、厄介なのです。
ざっくり言うと、20%〜40%も取られてしまうのです。
だから、会社を設立した人は、個人事業主の頃よりも「節税対策」を意識せざるを得ません。
そして、法人にとっての節税対策として、最も有効なのが『社長の役員給与』です。
要するに、会社から自分がもらう給料のことを考える、というわけです。
目次
- なぜ、社長の給与を高くすることに抵抗感があるのか?
- ほかの問題よりも何よりも怖いのは、法人税!
- 社長の給与は年度の途中で『増額』することができない!
- 社長の給与は年度の途中で『減額』することはできる!
- まとめ
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なぜ、社長の給与を高くすることに抵抗感があるのか?
まず、言えることは、なるべく社長の報酬は高めに設定しておくようにしましょう! ということです。
社長の給料が高くなるということは、その分、経費で落とせる額が増えるということを意味しています。
経費で落とせる額が増えると、それだけ利益が減ることになり、節税効果が期待できるというわけなのです。
でも、僕もそうだったんですが、会社をはじめたばかりの頃というのは、なかなか思いきって役員給与を上げることができないものなんです。
ましてやうちの会社はアパート経営をやる会社なので、どうしても今後の事業展開を考えると、銀行とお付き合いしていかなければなりません。
銀行からお金を借りなければ、商売が成り立たないわけです。
銀行から融資してもらうためには、決算書の内容を少しでも良くしておく必要があります。
会社の業績がいいことが一目瞭然であれば、銀行からお金を借りやすくなるからです。
ところが役員給与を高く設定してしまうと、確かに法人税対策にはなるかもしれないけれど、儲けは減ることになってしまいます。
あまりにも利益を出してない場合は、「この会社、ぜんぜん儲かってないじゃん!」ということで、銀行はお金を貸してくれなくなるかもしれません。
…それでは、困るわけです。
だから、ついつい自分がもらう報酬を低めに設定してしまいがちになるのです。
ましてや、スタートしたばかりの頃というのは。
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ほかの問題よりも何よりも怖いのは、法人税!
それから、役員給与を高くしすぎると、個人で払う所得税や住民税の方もアップしてしまうということも気になります。
実際的には、たとえ自分の報酬をアップしても、所得税が増えないテクニックはいくらでもあるのですが、会計や経理処理に慣れていない人はそんなこと知りもしません。
だから、中小企業の経営者というのは、「会社が軌道に乗るまでは、絶対に報酬を上げないぞ!」とかたくなに考えてしまう人が多いのです。
しかし、いちばん恐ろしいのは、法人税の方です。
もちろん、儲かってない場合は法人税は脅威でもなんでもないわけなのですが、儲かってきた場合、法人税ほど恐ろしいものはありません。
…なんせ、税率は(下手をしたら)40%です。
もしも1,000万円儲かったら、400万円を税金としてもっていかれてしまうのです!
これは大きいです。
だから、いろいろと不安に思うのはわかりますが、事業が儲かったときのことを念頭において物事を考えなきゃいけません。
だって、会社を設立したわけですから、儲けなきゃいけないですよね?
個人事業主のままだと所得税や住民税がいっぱい課税されちゃうから、法人にしたんですよね?
儲からないのがわかっているのに、わざわざ会社を設立する人はいません。
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社長の給与は年度の途中で『増額』することができない!
たとえ役員給与を高めに設定したとしても、大丈夫です。
むしろ、その方が法人税対策になります。
社長が会社から受け取る報酬というのは、その年の途中で増額することはできません。
だから、年度の途中ですごく儲かってきて、
- やばい! このままでいったら、法人税をべらぼうに払わなければならない!
__という自体になったとしても、急に報酬を減額するわけにはいかないのです。
厳密に言うと、減額しても構わないのですが、その際には法人税が課せられることになってしまうのです。
だから、実質的には「儲かったから、役員給与を上げちゃおう」というやり方は通用しないのです。
「給与が年度の途中でいじれない」となったら、会社は儲かったら儲かった分、すべてが利益になってしまいます。
その利益の20〜40%に法人税が課せられてしまいます。
そうならないためにも、あらかじめ役員給与は高めに設定しておくのです。
具体的には、よくよく考えて、『その年のマックスの利益』を想定して、報酬額を決定するのです。
そうすれば、いざマックス儲かったとしても、法人税のことで頭を悩ませる必要はありません。
もしもこの時点で、最低ランクの業績で計算し、それに合わせて報酬額を決定してしまったとしたら、後で変更することができないので苦労することになります。
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社長の給与は年度の途中で『減額』することはできる!
…ここでひとつの疑問が湧いてきます。
僕が今まで書いてきたのはすべて「会社の業績が良かった場合」や「儲かった場合」を想定した書き方です。
もしも、業績が当初予定していたよりも大幅に悪かった場合や、ぜんぜん儲からなかった場合はどうなるのでしょうか?
事業は水モノですから、ふたを開けてみなければわからないところも多々ありますよね?
役員給与を高めに設定してしまって、「こんなに払えないよ…」という事態におちいってしまったらどうなるのでしょうか?
大丈夫! 安心してください!!
そのときは『減額』するか、『未払い』にすればいいんです。
役員給与というのは、年度の途中で増額することはできない、と書きました。
だけど、減額するのはOKなんです。
だって、儲かってなくて、給料も払えないのに、「払わなきゃいけない!」というのもヘンな話ですよね?
だから、きちんと「これこれ、こういう理由で給料が払えないんです」ということが証明できれば、報酬額を減額してもOKなんです。
それについて、きっと税務署は文句は言わないはずです。
だって、儲かってないのは明らかなわけなのですから…。
- 注意点
きちんとした理由があって、決められた報酬額を払うことができなかった場合、減額はOKですなのですが、その期中は一定の額にしておかなければなりません。
まとめ
法人税がいちばん怖いし、いちばん損をするものです。
いちばんフトコロを痛めるものでもあります。
対外的な意味で「少しでも決算書の内容を良くしておきたい」という気持ちはよくわかります。
だけど、だからといって明らかに損をするような方法を採用するのは、あまり賢いやり方とは言えません。
年度の初めによくよくその辺を考えて、なるべく高めに報酬額を決めておくようにしましょう!
▼ 会計、税務に関してこちらでも記事にしていますので、ぜひ見ていってくださ~い♪