法定耐用年数が経過したような古い物件というのは全部が全部ダメというわけではありません。
銀行はたしかにこういう物件は嫌がります。
いまだったらこういう物件には融資してくれないかもしれません。
だけどそういう古い物件には入居してる人はいます。
むしろそういう物件というのは家賃が安いので低所得者にとっては人気があったりするのです。
それに加えてそういう古い物件というのは非常に安く購入することができますので、不動産投資をやるうえでの利回りという意味では非常に『オイシイ物件』だったりするのです。
うちの会社で所有している物件にもこのようなタイプの法定耐用年数をゆうに超えたような物件があります。
でもほとんど満室状態ですよ。
家賃が安いので人が入るんです。
しかも、手のかけ方しだいによっては驚くほどキレイに蘇る物件もあります。
いま、流行りの『リノベーション』というやつですね。
僕は以前、いかにも昭和の「○○荘」とか「○○ハイツ」みたいな物件をリノベして蘇られたことがあります。
部屋の内部を全面リフォームして、美しくオシャレにしたのです。
その結果、入居率は恐ろしいくらいにアップしました。
そして、その部屋はたとえ空室になってもすぐに決まりました。
築年数って本当に重要なのでしょうか?
不動産投資をやる人間にとっていちばん重要なことは『部屋が決まる。』ということなのではないでしょうか?
なんせ、部屋が決まらないと家賃が入って来ないわけですからね・・・
銀行の人の言うことをあまり鵜呑みにしないほうがいいと思いますよ。
人は築年数よりも見た目を気にする
ただし、ここで忘れてはいけない非常に重要なことがあります。
それは、
リフォームはやるんだったら思いっきり・徹底的にやれ!
ということです。
中途半端なリフォームがいちばん良くないのです。
やるとなったら徹底的にやるべきです。
その方が部屋は決まりやすくなります。
以前の状態と大して変わらないようなレベルのリフォームははっきり言ってあまり意味のないリフォームです。
「え!? ウソだろ!?」というぐらい徹底的にキレイにリフォームした方が部屋は決まりやすくなります。
もちろん金銭的な限界というものはあります。
だから「徹底的にやれ」といっても限度があります。
まさかもともと「○○荘」といった感じの昭和風のアパートをオートロック付きの高級マンションみたいな部屋にする必要はありません。
僕が言っているのはそういうことではなく、なるべくオシャレで、今風なアレンジで、入居者目線に立って入居者が喜ぶようなリフォームをしよう!ということです。
なにもゴージャスにする必要はないんです。
パッと部屋に入った時に「おっ、いいじゃん!」と思われるレベルにまでもっていけばいいのです。
そして、なるべくならば若者向けのオシャレな感じの部屋にするのです。
それがミソです。
部屋を探しに来る層というのは圧倒的に若い世代です。
だから、そういった20代、30代向けに部屋をつくり変えておけば部屋は決まりやすくなります。
また、たとえ退居したとしてもすぐに部屋が決まったりします。
ヘンな言い方ですが若い人って、表面的なところしか見てないんです。
これは悪い意味で言ってるんではなく・・・
だからとりあえず見た目だけオシャレにしておけば若い人は喜ぶのです。
若い人に『法定耐用年数がどうのこうの…』と言っても、は?というカンジなのです。
そういうことを気にするのはおっさんの発想です。
銀行の人の発想です。
アパートに入居する若い人はそんなことあまり気にしていません。
『なるべく安く、なるべくオシャレな部屋』であればいくらでも入居者はいるはずです。
普通のリフォームだったら効果がない
もしもこれから新たに物件を取得する際にいかにも昭和っぽい「○○荘」といったカンジのアパートが売りに出されていたら一度検討してみるのもおもしろいかもしれません。
ただしそういう物件を手に入れるためにはその物件代金がめちゃくちゃ安いことが大前提です。
ほとんど土地値段ぐらいの安い値段で取得することができれば僕は取得に乗り出すのもアリだと思いますよ。
安い値段で物件を購入することができれば部屋のリフォームにお金をかけることができます。
リノベーションや全面フル・リフォームもできるはずです。
そうすると部屋も決まります。
結局のところ不動産投資というのは入居者がいてはじめて成り立つビジネスなのです。
物件のグレードとか築年数といったものは不動産投資のある側面でしかありません。
いかにして家賃収入を得るか・・・・そのことだけを考えるようにしましょう。
銀行の人は違うことを言うでしょう。
「古い物件には価値がない」ってなことを言う筈です。
でも彼らは不動産投資家でもなければアパート経営者でもありません。
単なるお金貸し屋さんです。
彼らの考え方と僕らの考え方にズレがあることは仕方のないことなんです。
僕は不動産投資にとっていちばん大切なことは『家賃収入があること。』だと思っています。
つまりキャッシュフローです。
口座にお金が入金になることです。
美しい物件はたしかにいいとは思います。
でもその物件が収益を生み出さない物件だったらまったく意味はないのです。
そのことを忘れてはいけません。
部屋を決めるためにはリフォームをする必要があります。
しかもそのリフォームも中途半端なリフォームではなく、『部屋が実際に決まるようなリフォーム』をしなきゃいけません。
普通にリフォームするだけならいろんな大家さんがすでにやっています。
大切なことは他の大家さんとの差別化です。
とにかく空室を埋めることだけを考えろ!
部屋を見に来てくれた人に好印象を与えるためにはどうしたらいいのでしょうか?
そこのところにもう少し目を配ればおのずと答えが見えてくるはずです。
何のお化粧もせず、ダサい服を着て、ヘンな髪形のままコンパに現れても、誰も相手にしてくれません。
やっぱりモテるためにはモテるような恰好をしなければいけないのです。
『物件が古い』というハンディキャップを抱えているのならばなるべく「見た目」にはこだわる必要があります。
スッピンで勝負できないのなら頭をつかって工夫するしかないじゃないですか!
そこはケチってはいけません。
ヘンにケチってばかりいたらお客さんを取り逃がしてしまいます。
ケチになればなるほどなぜかお金って残らないものなのです。
アパート経営の場合もまったく一緒です。
ケチであったがゆえに逆に損をする場合だってあるのです。
畳の部屋をどうしてフローリングにしなかったのか?
和式のトイレをどうして洋式に変えなかったのか?
どうしてキッチンを新品のものと取り替えなかったのか?
etc・・・・
もう少し見栄えを良くしていればカンタンに部屋は決まったかもしれないのにケチだったがためにせっかくのチャンスを逃してしまってる人が大勢いるのです。
その結果、何ヵ月も、何年ものあいだ空室が続き、結局、儲からないことになってしまう・・・
あなたにはそういう大家さんになってほしくありません。
空気に部屋を貸していても一銭も入ってこないのです。
入居者が決まらないことには不動産投資はスタートしないのです。
どうかそのことを忘れないように。
僕は「ケチではお金持ちになれない」と思っています。
『もっとでっかく考えようぜ!』ということです。
節約とか、節税とか、そういうチマチマした発想で世の中を見るのではなく、もっとスケールの大きなことを考えようという話です。
しかも、そうやってデッカク考えた方が結果的に安定すると僕は思っています。