不動産会社の営業マンとの関係を悪化させてしまうような大家さんがときどきいます。
はっきり言ってこういう大家さんは「下手くそ」な大家さんです。
僕が不動産会社に勤務していたときも時々こういう大家さんと遭遇しました。
こういう大家さんにつかまったら最後、なかなか解放してくれなくて困ることになります。
ちょっとしたことで電話をかけてきて営業マンのことを怒鳴りつけ、部屋が決まらなければ決まらないで営業マンのことを怒鳴りつけ、入居者と何かモメごとに発展しても営業マンのことを怒鳴りつけ、etc・・・
ちょっとした設備のクレーム(たとえば水道パッキンの劣化など)にも「入居者の使い方が悪いんだ!」と言ってキレ出したり、あげくの果てには「部屋も決めないくせに、修理するとき電話をかけてきやがって!」とこちらを起こり出す始末。
理不尽なことを言う入居者もたくさんいますが、理不尽なことを言う大家さんもなかにはいるのです。
こういうタチの悪い大家さんがいちばん困ります。
僕も不動産会社に勤務していましたが、こういうタチの悪い大家さんの物件には絶対にお客さんを紹介しません。
営業マンも人間ですからね。「ムカつく人とはなるべく関わらないようにしよう」と考えるものなのです。
アパートの大家さんのなかにはこういう人もいるのです。
すべての大家さんが気持ちのいい人ばかりではないのです。
言うまでもないことですが、アパートの大家さんの仕事は不動産会社の営業マンを叱りつけることではありません。
自分の物件の部屋をなんとか満室に持っていき、なるべく気持ちよく入居者に住んでもらい、家賃をもらう。
これがアパートの大家の仕事です。
部屋を埋めるためには不動産会社の営業マンの力が必要です。
自分ひとりの力だけで部屋を埋めてる大家さんはほとんどいません。
営業マンの人たちはたしかに若いあんちゃんです。
自分の孫ほど歳が離れています。
でもタダで自分の物件をPRしてくれて、お客さんを連れて来てくれます。
よく考えたら、それってスゴイことです。
ラーメン屋をやってる人に聞いてみてください。
学習塾をやってる人に聞いてみてください。
どこの世界に無料でお客さんをつれてきてくれる人がいるでしょうか?
商売のなかでそんな特権があるのはアパート経営だけです!
不動産会社の営業マンはアパートの大家にとって大変ありがたい存在なのです。
そのことを忘れてはいけません。
もちろん彼らは入居者からは仲介手数料を大家さんからは広告料をもらいます。
しかしながら、彼らの報酬はたったそれだけです。
それに対して大家さんはその入居者が退居するまでずっと家賃を受け取るのです。
これほどオイシイ商売はありません。
そこがアパート経営の魅力なのです。
目次
アパートの大家さんは、決して感情的になってはいけない
大家さんの立場から見た場合、不動産会社の営業マンは紛れもなく自分のために働いてくれているありがたい存在です。
彼らが入居者を運んで来てくれるおかげでアパートの大家は商売をしてゆくことができているのです。
ところがそのことをきちんと把握している大家さんはあまりいません。
なかには不動産会社の営業マンのことを邪険に扱う大家さんもいます。
僕はこのような大家の態度はかなり問題があると思っています。
むかしはアパートの数も少なく、日本全体の人口も膨らむ一方だったので、空室になっても部屋はすぐに決まりました。
しかしご存じのとおりいまは人口はどんどん減少してゆくし、物件はどんどん余るし…の飽和状態です。
空室はなかなか埋まりません。
アパートの大家さんはむかしみたいに偉そうにしていられなくなってきたのです。
もしもあなたが本気になってアパート経営をやるというつもりなら、まず、何よりかによりこのことをきちんと認識しておかなければなりません。
売り手市場なのか。
買い手市場なのか。
貸主が偉いのか。
借主が偉いのか。
本気で不動産投資をやるつもりがあるならばまず、現代の不動産市場動向というものをしっかりと腹の底から理解しなければいけません。
そうしないと、大変なことになりますよ。
アパート経営は長距離走です。
何十年にもわたって物件を保有し続けなきゃいけないのです。
そうやって長い時間をかけてアパート経営を続けたすえにようやく陽の目をみるのです。
その長い過程のなかではいろいろなことが起こります。
そのいろいろな事象と上手に付き合っていかなければなりません。
多少のクレームやトラブルには目をつむり、ちょっとした出費をケチったりしないようにしなければなりません。
そのためには資金的にも精神的にも余裕を持ったアパート経営を心がける必要があります。
気前の良さも必要ですね!
問題が起こったからといった営業マン怒鳴りつけるなんて問題外です。
そういう態度をとるような大家さんはどうか不動産業界に入ってこないでもらいたいですね。
みんなが迷惑しますから。
明らかに入居者が負担すべきことだとしても営業マンが板挟みになって困り果てているようだったら「いいよ、いいよ、今回はうちが負担するから」と言って営業マンを助けてあげるぐらいじゃなきゃいけません。
そういう大家さんは営業マンから大変好かれますよ!
くれぐれも感情的になってはいけません。
一時の感情ですべてを台無しにしないように注意しましょう。
営業マンだって人間です。
誰かから怒られるのはおもしろくはありません。
入居者との関係は部屋を退居すれば終わります。
しかし、営業マンとの関係はずっと続くのです。
だから賢い大家さんは営業マンに気に入られるようにあの手この手を使います。
そうやって営業マンに営業して歩いて「あの大家さん、いい人だし、物件もいいから、お客さんをどんどん紹介しよう!!」と思わせる戦略をとります。
営業マンを味方につける戦略です。
実に頭のいいやり方です。
ところであなたは一度でもいいからケーキなんかを買って不動産会社を訪問して歩いたことはありますか?
「うちの物件、決めてねー♪」って。
営業マンを見方につけるか、つけないかで、アパート経営の結果は大きく変わる
営業マンから嫌われながらアパート経営をするのははっきり言って大変です。
営業マンと良好な関係を築いたほうがアパート経営をするうえでとてもラクです。
大家としての威厳。
そんなものは今はもうなくてもいいのです。
そんな一銭にもならないようなものを誇示するくらいならシュークリームでも買って不動産会社を訪問し、各営業マンに頭を下げましょう!
「あの大家さん、いい人だな!」という印象を営業マンに与えるだけで効果があります。
それだけで入居率が変わるのならその労力なんてたいしたことないと思いませんか?
アパート経営だって立派な商売なのです。
アパートの大家さんも商売人なのです。
商売人だったら頭を下げることぐらい平気にならなきゃいけません。
お金のためだったら土下座でもする。
商売人だったらそのぐらいの根性を持ちましょう。
本当にアパート経営のことを知り尽くしているプロの大家さんはその辺のことをよく理解していますよ。
だから営業マンとも常に良好な関係を築いています。
営業マンはその大家さんがヘンな人じゃないことをわかっていますので、安心してお客さんを紹介することができます。
たとえトラブルに発展したとしても営業マンの立場に立ってものを考えてくれるので、また違うお客さんをその大家さんの物件に紹介しようと思います。
こういったちょっとした心理戦がアパート経営の結果に大きく作用するのです。
もちろんいい人になりすぎて何でもかんでも営業マンの言うとおりにしなければいけないというわけではありません。
こちらもきちんと勉強して言わなければいけないことはきちんと言うようにします。
ただ営業マンを敵に回すようなことは絶対に避けましょう。
彼らと上手に付き合って賢い賃貸経営を心がけましょう。
彼らに気持ちよく働いてもらってどんどんお客さんを紹介してもらいましょう。
彼らがいなければ、この商売は成り立たないのです。
はっきり言ってアパートの大家にとって彼ら不動産会社の営業マンこそがお客さんなのです。