整理整頓が苦手な人というのは、『収納する』ということで急場をしのごうとします。しかし、「収納」と整理整頓はまったくの別ものです。収納はあくまで、収納。ものをどこかへ「納めた」だけに過ぎません。
お店にはさまざまな収納グッズが売っています。それらを購入して、何とか目の前のモノを片づければ、なんとなく整理整頓をしたような気分になるものです。だけど、それは本当の意味での整理整頓にはなっていません。
問題の本質は、そこにはないのです。では整理整頓ができない人の問題点とはどのようなところにあるのでしょうか? 収納と整理整頓の違いは、一体何なのでしょうか?
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人間にとっていちばん心地いいのは『分相応』である
いくら収納に頭をひねらせたとしても、そもそも物が多すぎる状態ではどうしようもありません。整理整頓がうまくいかないのは、『物が多すぎる』ということが原因なのです。
どんなに大きな容れものを用意したとしても、ダメです。なかに納めるものを減らさなければ、いつまで経っても問題の根本解決には結びつかないのです。大邸宅に住んでいる、という人なら話は別かもしれません。どんなにモノを増やしても、器が巨大なので、どんどん吸収することができます。だけど、それとて限界があります。
入れ物の大きさにあぐらをかいていたら、いつかは容量オーバーになってしまいます。やはり、人間は自分のキャパシティ以上のものを持ってはいけないのです。
『分相応』という言葉がありますが、その人にはその人なりのキャパというものがあります。人間は自分のキャパを超える量のモノを所有してはいけないのです。
どこかで線引きをする…。それは敗北を意味していることではありません。むしろ、「あるものだけで満足できる」という、満たされた心で生きてゆくことができます。
あれも欲しい、これも欲しい」「あれも足りない、これも足りない」と言ってセカセカ生きるよりもずっといいのではないでしょうか?
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自分に合った適切な量だけで生活している人は幸せな人
僕たちはついついモノをたくさん所有しすぎてしまいます。そして、余計なモノまで買ってしまい、それをため込んでしまう癖があるのです。
お金や情報、あるいは知性といったものならば、いくらでも溜め込んでもいいでしょう。そういったものはかさばらずに済みます。さらに自分の人生を豊かにしてくれるものです。だけど、あなたのクローゼットのなかにしまい込んでいる、もう何年も袖を通していないシャツはどうでしょう? あなたの人生を豊かにしてくれていますか?
よくよく身を凝らせば、僕たちはそういった不用品に囲まれて生活しているのです。「モノを大切にする」というのは立派な習慣です。だけどそれは、不要なモノまで残しておく、ということではないはずです。
自分にとって価値のあるもの、本当に必要なものであるならば、本当に大切にすべきです。だけど、愛情も愛着もないものをずっと取っておくのは、それは大切にしていることにはなりません。
もしかしたら、あなたがそれを手放すことによって、他の誰かが喜んでくれるかもしれません。その方が、クローゼットの奥でじっとうずくまっているよりも、モノたちにとっても幸せなことなのではないでしょうか?
自分の生活スタイルに合った適正な量だけで生活できる人というのは、とても幸せな人です。彼らは「無理をする」というストレスとは無縁に生きています。肩ひじを張らず生きているので、常にこころが穏やかです。そして、自分に自信を持っています。
「ちょうどいい」を心の底から実感しているので、慌てふためく必要がないのです。そういう人の部屋というのは、整理整頓が行き届いている部屋がほとんどです。決して大きくはないけれど、お洒落な空間のなかで生活しています。
最初から余計なものは持たない主義を貫いていれば、余計な心配をする必要もなければ、自分を着飾る必要もないのです。それはとても気がラクな生き方といえるでしょう。
少なくとも、「モノはたくさんあるけれど、ちっとも心が落ち着かない…」という悩みを抱えている人よりは、よっぽどマシな生き方といえます。