最近、とくに投資関連のトピックがにぎわいを見せています。
今はもう以前のように「ただ真面目に勤めていれば、それだけで会社が面倒を見てくれた」という時代ではありません。
だから、自分の身は自分で守らにゃいかんとばかりにみんな投資に目が向いているのでしょう。
でもひと言で「投資」と言ってもいろいろあります。
株式投資、投資信託、FX、デリバティブ、金、銀、商品先物、外貨預金、債券、国債、etc・・・・何が何だかわかりません。
そんな中で僕がやっているのは不動産投資です。
いろいろある投資法の中から僕はこれを選択しました。
不動産投資も投資の一部であることには変わりませんが、明らかにほかの投資法と一線を画しています。
目次
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン
不動産投資の特徴をひと言で言うならば、「ミドルリスク・ミドルリターンの投資」という言葉が浮かんできます。
リスクもそこそこ、リターンもそこそこということです。
不動産投資の場合、株価が急騰して「急に資産が倍になった!」というようなことは起こりません。
その代わり、リーマン・ショックのようなことが起こって「一夜にして紙くず同然になった…」というようなことも起こりません。
これに対して、最近何かと話題のFXなんかの場合は、完全に「ハイリスク・ハイリターンの投資」といえるでしょう。
僕はそっちの専門家ではないのですが、なんでも1日で僕の年収を軽くオーバーするくらいのお金を稼ぎ出す人もいるそうです。
ただしその代わり、失敗したときの損失もハンパじゃない・・・
投資信託などはどちらかといえば、「ローリスク・ローリターンの投資」といえるでしょう。
儲けも少ないけど、その代わりリスクも少ない。
銀行員の人がおじいちゃんやおばあちゃんに投資信託を勧めるのは投資信託が少額で始めることができてローリスク・ローリターンな投資だからです。
銀行マンがおじいちゃんやおばあちゃんにFXや商品先物を勧めたらちょっと怖いですよね…
不動産投資のメリットとデメリット
不動産投資は決して「いいことづくめ」というわけではありません。
空室のリスクもあるし、修繕費も結構かかります。
税金もいろいろ発生するし、客付してくれた業者さんに手数料も払う必要があります。
入居者のみなさんからいただく家賃だって半永久的に同じではありません。
もしも部屋が決まらなければ家賃を下げて募集するしかありません。
このように不動産投資もいろいろと不確定要素もあるし、デメリットもあります。
だけどそれは他の投資法ほどではないかもしれません。
不動産の価値というのは「一夜にしてゼロになる」ということはありません。
たとえ建物が崩壊したとしてもまだ土地は残っています。
土地はタダになることはありません。
でも株の場合、「価値が0円になる」なんてことはよく起こることです。
自分が投資した会社が倒産したりなんかしたら一気に紙くず同然になってしまう危険性があります。
「国債」はどうなのか?
国債にも最近注目が集まっています。
いろいろ問題はあるにせよ、やっぱり我が国は世界でいちばん安全で安定している国です。
だからその安定して国の債券である国債はかなり安心・安定の金融商品といっていいかもしれません。
しかし、国債への投資には問題があります。
それは「極端に投資利回りが低い」という問題です。
要するに、「安全」というメリットと引き換えに「儲からない」というデメリットを引き受けなければいけないのです。
だから投資としては「あまり買っても意味がない」と言う人もいます。
「リターンを期待する」という意味で考えれば国債はあまりおススメできない投資法なのです。
「REIT(不動産投資信託)」はどうなの?
もう1つ忘れちゃいけないのが、近年話題になっている「REIT(不動産投資信託)」。
不動産投資と投資信託はまったく別の投資スタイルですが、「それを一緒にしちゃおう!」という発想のもと誕生した商品です。
不動産投資を本気でやろうと思ったら何千万円も借金をすることになります。
それはやっぱり怖いことです。
だから敷居の低い不動産投資としてREITというものが開発されたというのもわかる。
だけど、これはやっぱり不動産投資ではありません。
これはどこまでいっても「紙の資産」への投資です。
だから、不動産投資の「いちばんおいしい部分」を享受することができません。
不動産投資はリフォームをしたり、ペット可にして募集したりして、自分の工夫とアイデア次第で結果をコントロールすることができる世にも珍しい投資法です。
REITの場合そういったことができません。
どんなに素晴らしいアイデアを持っていたとしても他にも出資者がいますので、勝手なことはできません。
僕のまわりにいる大家さん仲間でもREITをやってる人なんて一人もいません。
「REITにまわすくらいのお金があったらそれを次の物件の頭金にまわしたり、部屋のリフォームにまわすよ。その方が確実に儲かるから」とみんな言っています。
不動産投資は、『不動産』に投資することによって利益を出す投資法です。
相手は不動産なわけだから当然目に見えるものだし、手で触れることができます。
ときどき「REITも不動産投資だ」と言ってる人がいるけど、あんなものは不動産投資でもなんでもありません。
あれは完全に投資信託です。
現物資産を扱ってるわけじゃないですから。
僕たち不動産投資家は『現物資産』を手に入れるところからスタートします。
そして、その現物資産が僕たちにキャッシュをもたらしてくれるのです。
不動産投資家はその現物資産からのリターンのおかげでメシが食えているのです。
これに対して株やFX、投資信託といった、いわゆる「紙の資産」と呼ばれるものたちは『現物資産』じゃありません。
なるほど確かに「株券」とか「証券」みたいなものは手元に来るかもしれない。
パソコンの画面をひらけば確かに画面上で自分の資産の有無を確認できるかもしれない。
だけど、それら紙の資産というのは目で見ることもできないし、手で触れることもできない。
やっぱり不動産のような現物資産とは全然違うものなのです。
その『紙の資産』は価値を持っているかもしれない。
でも株式市場が暴落したり、その通貨の価値が下がれば価値を持たなくなるかもしれない。
その企業が倒産したりすればその株の価値自体もゼロになっちゃうかもしれない。
不動産のように『絶対に0円になることはない』というお墨付きがあるわけじゃない。
逆の言い方をすれば、「現物資産へ投資しないということは0円になる可能性がある」ということでもあるのです。
その企業が倒産してしまったらその企業の株もただの紙切れになってしまう、、、それは考えようにとってはとても恐ろしいことのように僕は思えるのです。
僕は株式投資もやるけど(投資信託は大嫌いだけど)、内心は「紙の資産への投資っておっかないな」「不動産へ投資することよりもはるかにリスクが高いな」と思ってます。
僕は基本的には『投資』というものを肯定的にとらえるタイプの人間です。
だけど、このような0円になる可能性のあるもの100%依存することはたいへん危険なことだと思ってます。
それに比べると不動産投資の場合はそこに行けば自分の資産を目で見ることもできるし、手で触ることもできます。
「一夜にして資産がなくなっちゃった・・・」なんてこともありません。
不動産というのは(読んで字のごとく)動かないんだよ。
どこにも逃げたり、消えたりしない。
REITは動きますよ。
何と言っても不動産投資信託なんだから。
もしかしたら一夜にして消えてなくなっちゃうかもしれない・・・
不動産価格も変動はします。
株価と同じように暴落もします。
不動産にも「評価額」というものがあってそれは年々変わっていきます。
都市部の不動産の評価額は高くなる傾向があるけど田舎の場合は低くなる傾向にあります。
でもまったくのゼロになるわけじゃない。
建物の評価額なんかは減価償却されてゆくので、年を追うごとに減少していきます。
当たり前の話だけど、『モノ』というのは必ず劣化してゆく運命にあります。
建物の老朽化が進めば、場合によっては解体しなければならないケースもあります。
建物が消滅してしまえば建物部分の価値はゼロになってしまいます。
だけど一棟モノの場合、たとえ建物がなくなってもまだ土地が残っるんです。
土地は建物のように劣化したりしない。
たとえ建物が消滅したとしても土地が残っていれば、「まったく0円になる」なんてことはないのです。
次の日、現場に行ったら土地がこの世から消えてなくなっていた・・・・なんてことないでしょ?笑
この辺りの「資産がまったくのゼロになるわけじゃない」という部分が一棟モノの不動産投資の魅力です。
「不動産投資は現物に投資する投資法だからダメ」と言ってる経済評論家の人がいました。
でも僕は「不動産投資は現物に投資するから他の投資法にはないメリットを享受できててイイ」と思ってます。
物事には必ず良い面と悪い面があるのです。
結局『すべては捉え方しだいで変わる』ってことなのかもしれません。
REITが不動産投資だって?
どこからどう見ても、投資信託でしょ。
それが証拠に、こちらのK.U.F.U.で結果に影響を及ぼすこともできないし、経費で落とせない手数料をたっぷり払わなければならない。
どこからどう見ても投資信託ですよね。笑
不動産投資と株式投資などを比較すると見えてくるもの
僕は不動産投資をやりはじめて何年にもなりますが、つくづく不動産投資と株式投資などに代表されるような紙の資産への投資は違うものだと実感しています。
まったく違うと言ってもいいくらいです。
この2つを同系列に並べて同じように考えると、きっとその人の未来は明るいものにはならないでしょう。
やっぱり不動産というのは現物資産に投資するもの。
そして建物とか土地とか人間を相手にしなきゃいけません。
それゆえの苦労やデメリットもたくさんありますが、それゆえのメリットもたくさんあります。
それに対して株式に代表されるような紙の資産の場合、非常にスマートでスタイリッシュな投資法ではありますが、市場がひとたび暴落したり、ファンドから資金が流出したりした場合、なす術がなくなってしまうという恐ろしさがあります。
すごく機械的で、オートマティックです。
それゆえのメリットもあるかもしれませんが、それゆえのデメリットも確実にあるでしょう。
今、ちまたではインデックス・ファンドというものが大流行りです。
非常にスマートで、スタイリッシュです。
不動産投資のように泥臭くありません。
だけど、それゆえの危険性というのも確実にあると思います。
マシーンというのはいったん一方向に動き出したら、なかなか止めることができなくなってしまいます。
コントロールが効かないのです。
不動産投資のようにこちらの知恵や工夫、裁量でなんとかなるという投資法ではありません。
多くの人は「リスクが少ない」と思い込んでいるようですが、ぼくの目にはとてもリスクの高い投資法のように見えます。
不動産への投資と紙の資産への投資を比較したときに忘れてはいけないのは「自分のお金で勝負するのか、他人のお金で勝負するのか」ということです。
不動産は高額です。
よっぽどの金持ちでなければキャッシュでポンっと購入することは不可能です。
通常は銀行借入を利用します。
要するに借金をして物件を取得するのです。
これに対して紙の資産への投資の場合は通常は自分のお金を使います。
銀行に行って「投資信託を購入したいので3,000万円を貸してくれ」と言っても相手にしてくれないでしょう。
だから株式投資をやる人は自分のお金(つまり、自己資金)で勝負せざるを得ないのです。
ところがこの自己資金というやつがクセモノです。
なかなか大きなまとまったお金をつくることができません。
高給取りの人ならいいかもしれませんが、普通のサラリーマンは大きなお金をつくることは至難のわざです。
何年もかかるでしょう。
『積立投資』というものも流行ってはいますが、果たして自分が購入した時期が果たして投資に参加していい時期だったのかの判断は非常にむずかしいものがあります。
要するに、その株価が果たして割安だったのか、割高だったのかの判断がなかなかしづらいということです。
もしかしたら、非常に割高なものを購入してしまったのかもしれません。
でもそれはその段階では確かめようがありません。
不動産投資の場合は株式投資のように大きな自己資金を用意する必要はありません。
物件は何千万円も何億円もしますが、その大きなお金を自分で用意しなくてもいいのです。
銀行が代わりに用意してくれますので。
不動産投資は『借金』というものを利用することができる投資法なのです。
だから僕みたいな北海道の地方都市に暮らすごく平凡なサラリーマンでも専業の大家さんになれたのです。
もしも僕が株式投資を選んでいたら、とてもじゃないけど専業の投資家になんかなれませんでした。
うちの会社で保有している不動産の資産価値はおそらく何億円にもなるでしょう。
だけどそのうち僕が用意したお金はほんの少しだけです。
あとは全部、他人のお金(=銀行のお金)でまかないました。
僕にはとてもそんな高価なものは買えません。
僕が買ったのではなく、僕のビジネスが買ったのです。
不動産投資という『仕組み』が買ったのです。
決して僕が買ったわけではありません。
・・・というか、僕はとてもじゃないけど買えません。笑