一昨年、世界中で一大センセーショナルを巻き起こし、日本でもベストセラーになった『21世紀の資本』という本があります。
あの本で書かれていることと、今回のドナルド・トランプ大統領の誕生は『関連がある』と僕は思っています。
僕はアパートの大家をやってメシを食ってる人間です。
僕のアパートにはたくさんの低所得者の方々が入居しています。
彼らと関わっていると、どうしても『格差』というものを考えてしまいます。
格差は今、世界中で問題になっています。
そして、その格差が引き金となって、世界のあちこちでいろいろな現象を引き起こしているのです。
目次
スポンサーリンク
儲かれば、何やったっていいのか?
「ドナルド・トランプが大統領になったら、戦争が起こるのではないか!?」という声もあちこちで聞かれます。
何と言っても、戦争はお金になります。
戦争になれば、武器はバンバン売れるので、軍需産業は大助かりというわけです。
戦闘機1機だけで数十億円すると言われています。
「アメリカ・ファースト」という言葉は、言ってみれば、
- アメリカが儲かるなら、何だっていい!
…という風にも聞こえます。
もう、ポリティカル・コネクトネスなんて、どうでもいいんです。
「自分さえ良ければいい。他のヤツのことなんか構ってる余裕はない!」というわけです。
そういえば、日本でもこういうタイプの人、増えてきましたよね。
余裕がなくなってくると、人間は攻撃的になります。
『21世紀の資本』のなかで、僕がいちばんゾッとしたのは、この「戦争」に関する部分です。
格差は、いつの時代も問題になってきました。
何も今に始まったことじゃないんです。
その格差がぐん!と縮んだ時期がある、とピケティはあの本のなかで書いています。
それが「第一次世界大戦」と「第二次世界大戦」のときだったというのです。
戦争が起これば、格差問題は解決に向かうんです。
戦争になれば、金持ちも貧乏人もありません。
戦争になれば、みんなが嫌いな「エスタブリッシュメント」からもお金を巻き上げることができるんです。
戦争というのは、もしかしたら人々の無意識が引き起こした現象なのかもしれません。
政治的な話なんかでは全然なく、人間の『心』の問題なのかもしれません。
スポンサーリンク
軍需産業というのは、戦争になれば儲かる
日本でも『防衛輸出三原則』が閣議決定されましたね。
「これからはバンバン輸出して儲けていこうぜ!」というわけです。
何てことはない。アベノミクスの第三の矢はこれだったのです。
そして、そのことを国民は大した問題にもしなかった。
ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」に、なんか似てませんか?
「儲かれば、何だっていいじゃねぇか!」という発想です。
そういえば、原発を外国に売るという話もありましたね。
軍需産業というのは、戦争になれば儲かるわけです。
武器が売れるだけじゃなく、めちゃくちゃになった道路や橋、建物を建設したりすることで莫大な利益を得ることができます。
資本主義の暴走を許せば、こういった「戦争になった方がオイシイじゃん!」といった企業が跋扈するようになる。
フリーメイソンとか、イルミナティとか、ユダヤ金融資本がどうしたとか、みんな大好き陰謀論。
でも、戦争は影の秘密結社が起こすんじゃない。
僕たち一人ひとりが起こすんです。
スポンサーリンク
自分たちが信じてるもので「統一しよう」という動きに警戒しよう!
僕の目にはイスラム国と、ドナルド・トランプに熱狂する人が「同じ」に見えます。
それぞれの主義主張や信じてるものは、まったく違うものです。
でも、どちらも『ヘイト(=憎しみ)』が行動の柱になっている点では非常によく似ています。
どちらも、ガチ(=シャレが通じない)という面もそっくりです。
彼らはとても真面目な人たちです。
真面目で、真剣です。
…だから、余計に怖いんです。
イスラム国は真剣に世界中に「カリフ帝国」を築こうと思っています。
トランプ支持者たちは真剣に人種差別を肯定しています。
どちらも、「それが正しいことだ!」と信じて疑いません。
これって、オウム真理教や、かつての共産主義運動と同じですよね?
みんな本気で、『実現』を夢見ている。
- 自分たちが信じてるもので世界を統一しよう!
…という考えは、グローバリズムにも通じます。
みんなそれぞれ『自分たちが信じてるものが絶対』という価値観のもと、生きているのです。
でも僕たちは忘れてはいけないことがたった一つだけあります。
それは、
- 僕たちがモメればモメるほど、争い合えば争い合うほど喜ぶ人たちがいる
…ということです。
人々を争わせることによって莫大な利益を得ているのは誰か?
もしかしたら、僕たちがばら撒く「ヘイト(=憎しみ)」が格差を生み出している元凶なのかもしれません。
オバマは良かったなぁ…
こういう時こそ、大事にしたいのは、
- 多様性(=ダイバーシティ)
…という考え方です。
「ダイバーシティ」という言葉、前大統領のオバマがよく言っていった言葉です。
それが、たとえどんなに正しいものだったとしても、「世界を一色に染めよう」とするのは危ない。
赤も青も黒も白も黄色も、いろんな色が渾然一体となった社会の方がいい。
…僕はそう思っています。
最後にオバマさんが残した言葉をご紹介します。
この言葉のなかに、バラク・オバマという人のすべてが詰まってるような気がします。
字の読めない子どもがシカゴの南部にいるのなら、その子がたとえ私の子どもでなくても、放ってはおけない。
薬代が払えず、薬か家賃かを選ばなければならないご老人がいれば、たとえその人が私の親でなくても、私の人生は貧しい。
弁護士や正当な手続きも踏まずに、ジョン・アシュクロフトによって検挙されてしまうアラブ系アメリカ人やメキシコ系アメリカ人がいるのなら、それは私の人権を脅かすことだ。
最高裁判所が女性の権利を奪おうとしていることを懸念するのに、女性である必要はない。
次に奪われるのは、私の権利だ。
これが私の基本的な信条である。
Barack Hussein Obama Ⅱ
嗚呼、オバマさんが良かったなぁ…。