ブログをご覧になられてる方のなかには
不動産投資に興味があって、ゆくゆくは法人名義で物件を取得していきたいけど・・・ということでモヤモヤしていらっしゃる方も多いと思います。
今回の記事はそんな人にとって参考になるんじゃないかなと思います。
僕は37歳のときに会社を設立しました。
いわゆる「法人成り」をしたのです。
会社といっても僕ひとりだけの会社。
司法書士の方と相談しながらやっていくので手続きもそれほどむずかしくはありません。
でもどんなに小さくても、社長一人きりの会社だとしても、会社は会社です。
法人には「法人の特典」というものがあり、僕はそれを最大限に活用させてもらっています。
うちの会社は不動産賃貸業を営んでいます。
カンタンに言えば『大家さん』のことです。
大家業はもちろん法人じゃなくてもできます。
・・というか、個人名義でやられている方が多いのではないでしょうか。
僕が個人から法人になったいちばんの理由は税金対策のためです。
ある程度の規模になってきたら個人のままでいるよりも法人になった方が税制上のメリットが出てきます。
でも法人格を有することのメリットは必ずしも税金面だけではありません。
その他にもいろいろあります。
なかでも『信用力がアップする』というのは法人成りするメリットのひとつと言っていいでしょう。
要するに個人よりも法人の方が社会的に信用されるのです。
そしてそれは銀行の審査にも影響してきます。
やはり銀行の方も個人よりも法人の方を信用します。
「おっ、こいつ、本気だな」
「真剣に商売やろうと思ってるんだな」
「よし、それなら応援してやろう」
法人の方が個人よりもそんなふうに銀行側に思ってもらえる確率は高くなるでしょう。
不動産賃貸業は銀行から融資してもらわなければ成り立たないビジネスです。
キャッシュでポン!と何千万円もする不動産を購入することはまず不可能だからです。
しかも1棟、2棟くらいのスケールじゃ事業は安定しません。
やっぱり不動産賃貸業をある程度、安定させるためには少なくとも5、6棟は物件の数を増やしたい。
うちの会社はMAX10棟まで増やしました。
個人だったらそんなにたくさんの不動産を取得することは不可能だったでしょう。
法人だったから銀行の方もたくさんお金を貸してくれたのです。
MAXでアパートの数を10棟、借金を3億円まで増やした
法人格になってから今日まで僕は次々とアパートを購入してきました。
最大MAXは10棟までアパートの数を増やしました。
当然それに伴って借金の額も増えていき、MAXは3億円をゆうに超えたこともありました。
たった1人でやってる事業としてはなかなかの借金額だと思います。
ラーメン屋や学習塾を1人ではじめる人はさすがに3億円もの負債は抱えないでしょう。
・・というか、そんなにたくさんのお金を借りることすらできないかもしれません。
僕としてももう少し増やしたいという気持ちもありましたが、あれ以上はたぶん無理だった思います。
あれが限界でした。
いくら法人名義で申し込んだとはいえ・・
そして、あれ以上物件の数を増やしたらきっとパンクしていたでしょう。
ギリギリのラインだったと思います。
あそこが限界点でした。
僕はラッキーだったと思います。
「これ以上いったらヤバいゾーンに入るぞ」というギリギリの線から引き返してくることができました。
あのとき、僕にはそれはわかっていました。
自分が『身の丈以上のことをやろうとしている』ということが直感的にわかりました。
だから僕はそれ以上先へは行かないようにしました。
逆に僕はそこから次々と物件を売却していきました。
ちょうど不動産価格が異常なほど高騰していた時期でした。
僕はラッキーでした。
うちの会社の所有していた札幌の物件などは恐ろしい値段で売れました。
どれも僕が取得したときよりもはるかに高い値段で売れました。
うちの会社はそこで大きな売却益(キャピタルゲイン)を手にすることができました。
結局10棟のうち、半分の5棟を売却しました。
売却益の半分を残りの5棟の残債に繰上返済にあて、残りの半分を貯金することにしました。
そのおかげでうちの会社は一気に黒字に転じました。
それまでずっと赤字続きで法人税のことで悩んだことなんかなかったのに、今度は逆に法人税の節税のことで悩みはじめるという状態にまでなりました。
それやこれやもすべて僕が法人というもの設立したからこそなし得たことです。
個人のままだったらそんなことできませんでした。
もしも僕が会社(法人)というものを設立することなく、個人のままだったとしたら10棟ものアパートを所有することはできなかったと思います。
・・ということはそのうちの半分を売却して大きなキャピタルゲインを得ることもできなかった。
すべては2010年12月に僕が法人を設立したことによって得られたことなのです。
銀行は個人のままだったら絶対に3億円以上のお金を僕に融資してくれなかったと思います。
僕はその当時はまだ30代後半。
まだまだ若造でした。
資産家の家に生まれたわけでもなく、地主の家に生まれたわけでもありませんでした。
しがない不動産会社勤務の営業マンでした。
年収だってそんなに大したことない・・
そんな男に銀行は3億ものお金を融資したりなんかしません。
僕は法人成りをしたから10棟ものアパートを所有することができたのです。
この『法人成り』ということ。
もしかしたらこれがすべての答えかもしれません。
不動産投資を成功に導く最大のノウハウかもしれません。
いや、それどころか、この資本主義社会で有利な立ち位置を確保するためにいちばん大切なことかもしれません。
法人になれば不思議なパワーを手にすることができる
僕が法人成りしなかったなら銀行は3億を超えるお金を融資してくれなかったはずです。
僕が法人成りをしたから銀行はお金を貸してくれたのです。
そのおかげで僕は最大MAX10棟もの不動産投資物件を手に入れることができました。
それら10棟の物件はまちがいなく『資産』でした。
僕はその資産から収入を得てそれによって生活費をまかなうことができました。
2、3棟ぐらいだったら「お小遣い程度」の稼ぎしか得られなかったと思います。
10棟・借金3億円というスケールまでいったからこそ「生活費」を稼ぐことができたのだと思います。
不動産投資をやるうえで「お小遣い程度でいい」と考えてる方は個人のままでいいと思います。
でもそれ以上の儲けを望んでおられてる方は法人化を検討してみるべきです。
なぜなら個人のままだったら銀行はたくさんお金を貸してくれない恐れがあるからです。
事業的規模のスケールを考えているのならば法人成りをする覚悟を持った方がいいでしょう。
新設会社というのは何の実績もありません。
できたてホヤホヤです。
そんな会社にどうして銀行は融資してくれたのでしょうか。
ひと言で言ってしまえば、それが『法人マジック』です。
このマジックを使うことによって通常であれば不可能なことも可能になってしまうのです。
会社(法人)とはまさにマジックです。
「イリュージョン」と言ってもいいかもしれません。
個人では超えられないような壁も法人ならば易々と超えることができます。
個人の力では成し遂げられなかったことも法人の力を借りれば成し遂げられることもあるのです。
僕個人は大したことのない人間です。
学校の成績も悪かったし、何か特別な才能があるわけでもありません。
きわめて平均的などこにでもいるサラリーマンでした。
ところがそんな何もない人間がひとたび『会社(法人)』という名のマスクをかぶった瞬間、変身することができるのです。
そして、不思議なパワーを手に入れることができます。
まるでスーパーマンのように。
本当に不思議な話だと思います。
銀行は信用のない人には絶対にお金を貸さない
法人成りすることのメリットはいろいろあります。
そのメリットのひとつが、『信用を得られる。』というものです。
この世の中で信用ほど大切なものはありません。
この信用のおかげでうちの会社は銀行から3億円もの融資を引っ張ることができたのです。
もしもこの信用がなかったら銀行は間違いなく相手にしてくれなかったでしょう。
『信用』とはこの世で生きてゆくためにあまりにも大切なものです。
信用がなかったら何をやってもダメです。
たとえば、チャラチャラした格好をした無職の若造に銀行はお金を貸すでしょうか?
無理ですよね。
なぜだと思います?
信用がないからです。
でも、きちんとした会社に勤務し、年収もそこそこある状態でビシッとスーツを着込んで融資担当者の前に現れたらきっと担当者は話を聞いてくれるはずです。
さらに法人成りしたことを伝えたらきっと身を乗り出して話を聞いてくれることでしょう。
本当は銀行だってお金を貸したいと思っているのです。
お金を貸して金利を稼がなければ銀行だって商売にならないんですから。
でも肝心かなめの信用のある人が少なくてなかなかお金を貸せない状態なのです。
法人成りがカギを握っています。
「信用」を得るいちばん手っ取り早い方法が法人成りです。
それは最大の武器になります。
実際、成功している大家さんはみんな法人成りしてます。
「会社をつくった」という行為は銀行側に「おっ、コイツ、本気なんだな」と思わせる効果があります。
法人になったというだけで「私は真剣に商売に取り組んでいる人間です」「今後とも継続して事業を展開していきたいです」という最大のアピールになります。
ただ口先だけで「私は真剣です」「今後も事業を大きくしてゆくつもりです」と言ってもダメです。
実際にきちんと会社を設立して、商業登記簿藤本をたずさえることによってはじめて『本気度』が可視化されます。
事業意欲に燃えている経営者を応援するのも銀行の役割です。
だから本気の姿を銀行の人に見せることによってお金を借りやすくするのです。
これはテクニックというよりも、ハートの問題です。
誠実性、情熱、マナー、etc・・・そういう問題です。
銀行だって本気じゃない人となんか取引したくありません。
ましてやはじめて取引するような相手ならなおさらです。
いつまでも個人のままでいるということは銀行の人に「この人、本気じゃないんだな・・」と思わせることになるかもしれません。
だから不動産投資で成功を夢見てる人は、ぜひ法人を検討してみましょう。
法人成りすることは多少お金はかかりますが、それほど高いハードルではないはずです。
司法書士の人、あるいは税理士さんなどに相談してみてください。
個人名義の物件を法人に売却した話
法人になるということは儲かってることの裏返しでもあります。
法人成りする人のほとんどが税金対策のために法人成りします。
日本は累進課税制度なので儲かれば儲かるだけ税金をたくさん納めなければなりません。
でも法人になれば節税上のメリットも出てきます。
みんなそれを狙って法人化に踏み切るのです。
僕も最初は個人名義で物件を取得していきました。
いちばん最初の物件は国民金融公庫(当時)からお金を借りました。
鉄骨造3階建の3点ユニットの物件でした。
そこから個人名義のアパートをいくつか購入していきました。
サラリーマンをやりながら徐々に増やしていきました。
国民金融公庫の次は地元の信金とのお付き合いがはじまりました。
その後、個人名義でのアパート経営がうまくいき、所得税のことで悩みはじめました。
そして、『法人成りする』という決断をしました。
僕は個人名義で所有していた物件を新たに設立した法人に売却するという極めてイレギュラーなやり方を取りました。
それまで取引していた信金さんにその話をしたら剣もほろろに断れてしまったので、別の信金に話を持っていきました。
そしたらすんなりと話に乗ってくれました。
さらに借入期間も伸ばしてくれましたので月々の支払額もグッと低くなり、キャッシュフローが出やすい状態になることもできました。
今にして思えば、かなりイレギュラーな対応だったと思います。
「よく審査、通ったな・・」と逆に関心してしまうくらいです。
普通の銀行だったらまずダメだったでしょう。
相手が信金だったから良かったのです。
ご存知のとおり、信金というのはいろいろと融通が効きますから。
政府系の金融機関や地銀のように杓子定規にモノを考えない。
本当に信金さんにはお世話になりました。
不動産取得税をもう一度払うことにはなりましたが、それでもいろいろな面でメリットをたくさん享受することができました。
法人成りするということはそれだけ『税金のことで悩んでいる』ということでもあります。
税金のことで悩むということはそれだけ儲かっているということの裏返しでもあります。
たいして儲かってもいないのに法人化にしたって何の意味もありませんからね・・
銀行側に『儲かっている』と思われるということはそれだけ信用を獲得するということでもあるんです。
その結果、「この会社に融資しても大丈夫だ」「この会社は返済能力がある」というふうに判断されることになります。
そのように銀行から評価されたら審査も通りやすくなります。
法人になるということは責任が伴います。
株式会社なんかの場合はなおさらです。
カンタンに「やっぱり、やーめた!」というわけにはいきません。
その辺りも信用につながる直接的な要素となります。
つまり、法人になれば銀行側に好印象を与えることができるのです。
少なくとも個人のままでいるよりはいいでしょう。
法人になるだけで、「おっ、こいつは本気なんだな」と好印象を与えることができちゃうんです。
そうなると融資の審査も通りやすくなります。
これはとても重要なことです。