僕は37歳の時に脱サラして、投資・ビジネスの世界でメシを食ってゆく道を選択しました。
もちろん不安定な世界です。
もうサラリーマンではありませんので、毎月25日に確実に給料が入るわけではありません。
なかには僕と同じような選択をして、今、不安の只中にいるという人もいらっしゃるかもしれません。
人間は不安にかられると、「自分が何をやっているのか」ということを見失います。
それは非常に危険なことです。
いちばん大切なことは、『これなら絶対に誰にも負けない』というものを1つ見つけて、それをとことんまで追求することです。
自分が何をやっているのか
どうすればうまくいくのか
何をやればいいのか
「これこそは!」というものを持っていて、それを追求している人は強いです。
ちょっとしたことが起こってもビクともしません。
僕の場合はそれは『不動産投資』ということになるでしょうか。
そのために不動産会社で何年も働きました。
不動産の世界を学ぶために・・
「8割が失敗する」と言われる商売の世界でかれこれ10年近くサヴァイブしています。
僕は人生全般においては「なんでもチャレンジしてみる」「いろんなことを経験してみる」という姿勢はとても大切なことだと思っています。
しかし、こと投資やビジネスに関して言えばいろんなものに手を出しすぎることは危険だと思っています。
よく『多角経営』とかって言ったりしますよね。
それが単なる「つまみ食い」になってしまってはダメです。
僕はいつも投資やビジネスをするときは自分が腹の底から理解できるもの以外は絶対に手を出さないようにしています。
どんなにそれが流行ってるものであっても、どんなに短期的にリターンをもたらしてくれそうなものであっても、自分が理解できるもの以外には手を出さないようにしています。
僕は基本的にはリベラルな人間だけど、お金に関しては誰よりもコンサバティブ(保守的)だと思っています。
今も昔もお金を稼ぐことに近道はありません。
短期的に利益を上げる人もいますけど、そういうことができる人は本当に限られたごく一部の人だけです。
僕みたいな凡人にはとてもじゃないけどできる芸当ではありません。
僕みたいな凡人は自分なりに知恵を絞ってその知恵で勝負するしかないんです。
そしてその知恵を完全に引き出すためには、「自分が誰よりもよくそのことを知っている」というものを一つ持つ必要があります。
僕で言えばそれは『不動産』ということになるのかもしれません。
これまでの人生で僕の元にも「レストランをやらないか」とか、「宿泊施設を経営しないか」とか、いろんな投資やビジネスの話が舞い込んできました。
でも僕はすべてのお誘いを断りました。
どんなにそれがおいしそうな話であっても耳を傾すことはありませんでした。
それはなぜか?
『知らない』からです。
「よくわからないものには手を出さない」
これが僕のポリシーです。
僕は飲食店がどうやって利益を出すのかさっぱりわかりません。
僕は宿泊施設でどのような仕組みで儲けているのかわかりません。
そういう得体の知れないものに手を出してはいけないのです。
僕は自分が完璧に隅々まで理解してるものじゃなければ手を出しません。
根が臆病なのです。
人一倍、用心深いのです。
そういえば僕はラーメン屋にしろ、洋服屋にしろ、一度「ここだ!」と思ったらそこばかりにに行くようなところがあります。
そういった僕の傾向や性格が投資やビジネスの場面でも現れているのかもしれません。
僕はラーメン屋で注文するメニューも毎回同じものばかりです。
味噌ラーメンと餃子。
それで十分、満足することができます。
「醤油ラーメンが食べたいな」とか、「たまには塩にしてみようかな」と思ったことは一度もありません。
いつも同じメニューです。
奥さんはそんな僕が見て「つまらない」と言います。笑
「みんなから変わり者だと言われてる割には食べ物に関してはあなたってすごく保守的だわ」とよく言われます。
そう、僕は意外と保守的な人間なのです。
アヴァンギャルドでは投資・ビジネスの世界ではやっていけないのです。
服に関しても僕はいつもGAPの服ばかり着ています。
デザインも素材もしっくりくるので気に入っています。
そして、何と言っても値段も安い。笑
コーヒーはスターバックス派。
デジタル機器はアップル派です。
1つにこだわっているからあれこれ思い悩む必要はありません。
シンプルでいいですよ!
ユニクロもすごいなと思うし、Andoroidだっていいスマホだと思います。
でも僕はGAPの服に満足してるし、iPhoneやMacBookが好きなのです。
投資やビジネスだって不動産投資とたまに株式投資をやるだけで十分。
「もっといろんなことに手を出して、もっと儲けたい」といったようなことは一切考えません。
よくいろんな事業に手を出して企業があるけど、僕はあまりそういう多角経営をやってる企業が好きではありません。
本業がうまくいってないから違う事業に手を出さざるを得ないのです。
そういう会社はだいたいうまくいきません。
僕が不動産投資をやっている理由は不動産のことをよく知っているからです。
僕は不動産会社に勤務していましたので不動産のことに関してなら普通の人よりも若干詳しいと思います。
物件をパッと見ただけで、なんとなく「これはいい物件かどうか」がわかります。
サッカーをやっていた人の方がやっていない人よりもサッカーボールの扱いはうまいでしょう。
ピアノを習った経験がある人の方がピアノを触ったことのない人よりも上手にピアノを弾けるはずです。
僕は何かをやる際には「自分がよく知ってることをやった方がいい」と思っています。
よく知らないものに手を出すのは一度もボールを蹴ったことがないのにサッカーの試合に出るようなものです。
これほど恐ろしいことはありません。
お金が絡んでることに関しては特に注意しなければなりません。
「あれをやれば儲かるだろう」「これをやれば儲かるはずだ」という理由だけでよく知らないものに手を出すことはあまりにも危険です。
「どうして不動産投資なんてものをやっているんですか?」とよく訊かれます。
「不動産のことに関してだけは自信があったから」と僕はいつも答えています。
これがもしもカフェの経営だったり、学習塾の経営だったりなんかしたら僕はきっと成功していなかったと思います。
それが不動産だったからうまくいったんだと思います。
そのために不動産会社で厳しい修行を積んだわけですから。
僕は新しいビジネスや新しい投資の話が舞い込んできてもまったく興味を示しません。
それはそのビジネスや投資が悪いわけでも嫌いなわけでもなく、ただ単純に「知らない」からです。
知らないものには僕は手は出せません。
新しい投資話や儲け話に乗って失敗する人が後を絶ちません。
僕はそういう失敗した人に聞いてみたい。
「それ、本当によく知っていましたか?」「腹の底まで理解した上でスタートしましたか?」って・・
「あっちの蜜が美味しそうだな」「こっちの蜜が甘そうだな」といった具合にフワフワしていたんではいつまでたっても成功できないでしょう。
また、そういう人は信用もなくしてしまいます。
投資で重要なことは数よりも中身
もしも取得しても大して利回りを期待できないような物件や投資があったら僕は迷うことなくその投資案件から降ります。
どんなにその物件が築浅のRCだったとしても月々のキャッシュフローが十分でなかった場合は僕は絶対に手を出しません。
そんなものを取得してもまったく何の意味もないからです。
もしもめぼしい物件がなかったのなら、「仕方ない。今は諦めよう」と思って撤退します。
無理して物件を取得しようとは思いません。
そんなことをしても後々後悔するのは目に見えているし、そんな風に無理して突き進んだとしてもロクなことにはならないことはこれまでの経験でわかっています。
僕もいろいろと失敗してきたんです。
その失敗からたくさんのことを学んできました。
僕は自分が納得できないような物件には投資しないことにしています。
その代わり、自分が心の底から納得できて、「これだ!」と思えた物件には僕は全財産を突っ込むくらいの覚悟をのぞみます。
僕が札幌で取得したある物件は当時8,500万円というとんでもない金額でした。
あれを取得した時、まわりの人から「バカだ」「マヌケだ」「自殺行為だ」と散々言われました。
でも僕はその物件がものすごいポテンシャルを持っていることを見抜いていました。
しかもそのポテンシャルに比べると異様に安い金額で売りに出されていることも見抜いていました。
だから僕は突っ込んでいきました。
僕には勝算があったんです。
決して行き当たりばっかりで雰囲気だけでその物件を取得しようと思ったわけではありません。
ちょうど東日本大震災が起きた直後のみんなが不安に苛まれていた頃の話でした。
おそらく当時の所有者の方は先行きの見えない日本経済の中で、「一刻も早く不動産投資から足を洗いたい」と焦っていたんだと思います。
なんせ、「日本経済は崩壊する」なんて言われていた時期ですから・・
あるいはよっぽど資金繰りに困っていたのでしょう。
僕は鬼のような指値を提示し、それがあっさり通りました。
その物件は今でも毎月たっぷりとキャッシュフローをもたらしてくれています。
知り合いの不動産会社の人に査定してもらったら、なんと「1億2,000万円」と言われました。
8,500万円で取得した物件に1億2,000万円という値がついたのです。
僕が取得したときよりもかなり年数が経過しているのにもかかわらず・・
投資をするうえでいちばん大切なことは「中身」です。
「内容」です。
中身や内容が大したことないのに数だけ揃えても何にもならないのです。
投資はギャンブルとは違うのです。
ウサギとカメでいったら間違いなくカメの戦法でいくべきです。
それなのにあまりにも多くの人がウサギの戦法で投資をやろうとしている。
だからほとんどの人がうまくいかないのです。
流行りの投資に飛びつくな
「自分がいったい何をやっているのか」ということをきちんと把握しておくということはとても大切なことです。
どんな風にしたらおいしいラーメンが出来上がるのかということがわからないようなラーメン屋が流行るわけがありません。
行き当たりばったりや口八丁手八丁でやったって絶対にうまくいかないのです。
それは投資だって同じことです。
自分がいったいどんな投資にお金を出すのか
なぜその投資をやろうと思ったのか
そのメリットは何なのか
そこにあるリスクはどんなものなのか
投資や資産運用をこれからやろうと思っている人はそのことをきちんと把握しておく必要があります。
そして、もしも今、自分が選ぼうとしていることがきちんと説明できないのだとしたら、悪いことは言いません、無理してそれに投資するのはやめましょう。
その投資がどんなに流行ってるものであったとしても、一見するととても魅力的に見えたとしとしても、中身が伴っていなければ、内容が悪かったら失敗します。
ただ単に「流行ってるから」とか、「キレイに見えたから」という理由だけで判断してはいけません。
一過性の盛り上がりに投資してはダメです。
今、不動産がちょっとしたブームになっています。
そのせいで不動産の価格がバカみたいに高騰しています。
ITバブルの時も利益も出てないような会社なのにバカみたいに株価だけ高いような企業がたくさんありました。
非常によく似ています。
僕は不動産の世界に長年生きてきて長期にわたってアパートの大家さんをやっているのでわかるんです。
今みたいにバカみたいに高い値段で物件を取得してしまったら月々のキャッシュフローは絶対にプラスになることはないでしょう。
よっぽど頭金をたくさん突っ込んで融資を組んだのなら話は別ですが、おそらくそんな人はあまりいないはずです。
こういう時期にこういう高い物件を平気で買うような人はきちんと把握しないままやっている人です。
だってきちんと把握していたら絶対に怖くて手が出せないはずですから・・・
おそらくその人は「今、不動産投資がアツいから」とか、「超低金利時代で銀行がバンバンお金を貸してくれたから」という理由だけで不動産投資をスタートしたのでしょう。
それはあまりにも危険なことです。
今は物件を取得するのに最もふさわしくない時期です。
それなのに本屋さんに行けば、「今は物件を取得するのに最もふさわしい時期である」という本や雑誌がズラッと並んでいます。
僕が正しいのか、それともそういった本や雑誌が正しいのか。
やがてわかるはずです。