サカモトハルキの哲学

経営者。投資家。不動産投資と株式投資やってます。5棟74室+月極P24台(2010年12月より法人化)。配当狙いの個別株投資。

池上彰さんの『国債を発行したら税金で返さなければならない』という解説の異常さについて。

f:id:orange345:20200601175451p:plain

 

www.youtube.com

 

今回のショックによって経済的に行き詰まり、政府に助けを求めている人が後を立ちません。

そんな渦中にあって池上彰さんが自身の番組でそういう人たちを絶望に落とすような発言をしたとして話題を呼んでいます。

 

「国債を発行しても結局は税金でその負債を返さなければならない」

 

池上彰さんがあの番組の中で解説したことをかいつまんで言えば、そういうことになります。

 

さらに東日本大震災のあとの復興税を例に持ち出し、「今、国債を発行すればあれ以上の負担を国民は覚悟しなければならない」というようなことまで言ってました。

さて、果たしてこれは本当に正しいのでしょうか。

 

僕は池上彰さんはまったくトンチンカンなことを言ってると思っています。

間違った認識を持っていると・・

あるいは(何らかの理由によって)、わざと嘘の情報を垂れ流していると・・

 

池上彰さんの言ってることはそっくりそのまま財務省が言ってることとイコールです。

おそらくかなり熱心なレクチャーがなされたのでしょう。

そこですっかり池上彰さんは洗脳されてしまったのです。

 

国民の多くは「日本の国家財政は税金によってまかなわれなければならない」と思い込んでいます。

しかし、歳入よりも歳出の方が多いので(やむなく)赤字国債という借金をしてその穴埋めをしているんだと・・

 

そしてその赤字国債というのは国の借金だから返さなくてはいけないと・・

きっと多くの人はそう思っていることでしょう。

政治家の多くもそのように思い込んでいることでしょう。

 

池上彰さんもむかしからそのように説明しています。

国の借金を増やしてゆくと結局は未来の子供たちがそのツケを払うことになる、という言葉はもう耳にタコができるくらいです。

 

でもそれは事実に反しています。

今、日本の国債残高は1,000兆円を超えています。

もしもこれを税金でチャラにしようと思ったらそれこそ日本という国は破綻してしまいます。

 

借金を抱えていることで破綻するのではなく、借金を払うことによって破綻してしまうのです。

そんなことする必要なんてないんです。

どうしてか?

国家財政と家計や企業経営はまったく違うからです。

 

国家財政というのは税金によってのみ賄われているわけではない

国家財政というのは税金によってまかなわれているのではなく、国債発行によってまかなわれているのです。

それが事実であり、現実なのです。

税収によって切り盛りされているのではありません。

 

もちろん税収も運営に使われてはいますが、すべてではありません。

国債の発行残高というのは単なる発行の履歴でしかありません。

もっと言えば、それは『記録』でしかありません。

 

何の記録か?

民間の側にわたった通貨の発行の記録です。

 

1,000兆円の国債を発行したということはそれだけ民間(企業や国民)の側に1,000兆円というお金が渡ったということなのです。

それだけ僕たちの預貯金が増えたということなのです。

 

だからそれは悪いことでも何でもないんです。

むしろ良いことなのです。

 

『借金』と聞くと多くの人は拒否反応を示します。

『負債』という言葉には何か悪いイメージがつきまといます。

だけどこの世のすべてはコインの裏表なのです。

 

負債の反対側には資産があるのです。

赤字の反対側には黒字があるのです。

 

だから政府が赤字を増やせば増やすほど民間の黒字は増えてゆくのです。

逆に政府が赤字を減らそうとすればするほど民間の黒字は減ってゆくのです。

 

「財政再建」なんてものが叫ばれるようになってから日本経済は失速していきました。

GDPは減り続け、それまでアメリカに次いで世界第2位を誇っていたのに中国に抜かれて3位に下落しました。

 

なぜ?

民間の黒字が減ったからです。

国民が以前に比べて貧しくなったからです。

 

「財政再建をしなければ円の価値が下落してしまう」と言ってる人もいます。

これも大きな間違いです。

そう言われ出してから20年以上経過してしますが一向に円が暴落する気配はありません。

 

むしろ「世界でいちばん信用できる通貨」として君臨しつづけています。

もしも本当に他の通貨に比べて円が信用できないというのならば猛烈な円安になってなきゃおかしい。

でも、そんなことにはなっていません。

 

日本円という通貨はとても信用されてる

日本円はものすごく強い通貨なのです。

そのことは投資/資産運用をやってる人なら誰でも知ってるはずです。

 

さらに日本円には大きな需要があります。

税金の支払いは円でなきゃいけませんよね。

給料の支払いも円でおこなわれていますよね。

ドルや人民元で税金を払うことはできません。

 

もしも本当に円に価値がないんだとしたら、「円じゃなきゃ税金が払えない」というのはおかしいですよね。

政府だってそんな信用のない通貨を欲しくないかもしれません。

「円なんて無価値だからドルとかユーロとか人民元で払ってよ」って話になるかもしれません。

 

ところがそういうことを学校では教えません。

教師も事実を知りません。

だから子供たちに「このままでいったら日本は財政破綻する」「円の価値が失墜して、世界的に信用を失くしてしまう」なんて真っ赤な嘘を吹き込んでいたりします。

 

下手したら教師が『経済』というものに触れる機会は池上彰さんの番組だけだったりします。

国民のあいだには「池上彰さんが言うのだから間違いないだろう」という奇妙な共通認識があります。

だから池上さんが「このままでいったら円は暴落する」と解説すれば、額面どおり受け取ってしまうところがあります。

 

それはとてもキケンなことだと僕は思います。

 

国債の発行残高というのは単なる「これまでいくら発行したのか」という記録でしかありません。

たとえそれが1,000兆円あったからといって慌てて返さなければいけないということではないのです。

 

「これ以上、日本の借金が増えたら大変なことになる」と多くの人は思っていますが、大変なことなんて何も起こらないのです。

国債残高が多いというのはそれだけ国民側にお金が渡ったということ。

それ以上でもそれ以下でもないのです。

 

国民はそのことによってフトコロが豊かになっているんです。

何も悪いことじゃない。

むしろ良いことです。

 

唯一、悪いことといえばせっかく国民の側にそういう多額のお金が渡ったのにもかかわらずみんな萎縮してそのお金を使おうとしないことです。

大企業が400兆円という巨額の内部留保をため込んでいるのが良い例です。

 

個人も「将来が怖いから」「老後が心配だから」という理由でせっせと貯金ばかりしています。

これでは経済が活性化されません。

 

さらに今回のウイルスの件で大きな打撃を受けました。

国民のあいだの消費意識はますます減退してしまっています。

 

でも景気を良くするためにはみんなにお金を使ってもらう必要があるんです。

そして景気が良くならなければ経済成長は達成できません。

 

みんなが安心してお金を使うようにならなければデフレからは脱却できません。

GDPも上がって行きません。

企業や国民がお金をバンバン使うようになれば景気は良くなります。

みんなたくさんいろんなものを買ったり消費したりするようになれば企業の業績も良くなります。

 

企業の業績が良くなれば従業員の給料やボーナスも増えます。

賃金が上がれば人々はますます消費をするようになります。

消費が増えればインフレ率も上がっていきます。

物価も上昇していきます。

そうなればますます企業は儲かります。

企業が儲かるとそこに勤める社員たちの所得も増えます。

etc・・・

 

これを目指して『アベノミクス』というものはスタートしたはずなんです。

 

今はハイパーインフレを心配する局面ではない

このような状態になると世の中はインフレになります。

景気が良くなり、モノの値段が上昇します。

 

これがあまりにも行きすぎるとハイパーインフレになってしまうのですが、現在の日本においてハイパーインフレになる確率というのはきわめて低いといえるでしょう。

 

ハイパーインフレというのは戦争とかが起こって生産設備が破壊されてしまって供給が極端に不足したときに起こります。

しかし、日本は需要不足におちいってる国なのです。

人口も減少しつづけています。

 

企業などは人手不足で困ってるほどです。

需要と供給のバランスでみた場合、ハイパーインフレが起こるような要素はゼロです。

 

むしろその逆でハイパーデフレをしなければいけないような状態なのです。

 

世の中が不景気になり、お金が不足するとデフレになります。

今回のショックによってますます倒産する中小企業や廃業する個人が増えるでしょう。

もしもそれらを放置していたらデフレはますます加速していきます。

 

それなのに政府は民間にお金を供給することを渋っています。

池上彰さんにいたってはこんな状況なのに番組で「増税」についての話をしはじめる始末・・

これ以上、人々からお金を吸い上げたらもっとデフレになってしまいます。

 

「ハイパーインフレ」なんていったい誰が言い出したんでしょうか。

日本はまったくそんな言葉が出てくるような状況じゃないのです。

 

  

税金というものは何のために存在しているのか

このウイルスから身を守るためには自粛をしなければなりません。

しかし、働きに出なければ収入が入ってきません。

だから各国政府は国民にお金を配って国民の生活を支えています。

 

企業への支援もしっかりやっています。

アメリカのトランプ大統領なんかは総額300兆円!という巨額な経済支援を打ち出しています。

しかしながら日本政府の経済支援はあまりにもショボすぎるし、遅すぎる。

中小企業に対しても、個人に対しても・・

 

なぜ日本はこんなことになっているのでしょうか。

こんな危機的状況を民間の力だけで乗り越えるのは不可能です。

こういうときに政府が力を発揮しなければいけないのです。

 

政府というのは何のために存在しているのか。

その存在意義をこれほどまで突きつけられたことはかつてなかったのではないでしょうか。

 

突き詰めていえば、政府というのは国民を守るために存在しているのです。

それが政府というものが存在している理由です。

 

具体的に言えば、国民が経済的な危機に瀕しているのならばそれに手を差し伸べなきゃいけないのです。

それが政府の役割というものです。

 

日本以外の各国政府はそのことをよくわかっています。

だから「大盤振る舞い」と言えるような巨額な財政出動をしているのです。

 

ところが日本政府の場合、どう見てもそれを渋ってるようにしか見えない。

今こそ大胆な財政支出をして国民の生活を下支えんしなければいけないときに『財政再建』とか『プライマリーバランスの黒字化』の話をしている。

正気の沙汰とは思えません・・

 

今回、池上彰さんの番組でもその話が出ました。

そんな話を今この日本最大の危機とも言える状態で持ち出す必要があったのでしょうか。

 

目の前で人が溺れかけているのに「救命ボートを出すのにいくらかかるか?」とか「この浮き輪の値段は?」なんて言ってる場合でしょうか。

たくさんの日本人が経済的に行き詰まって死ぬかもしれないというときに・・

 

 

国債発行は未来の子供たちへのツケおくりという真っ赤な嘘

国民が死ぬことよりも政府の財政の方が大事だというのでしょうか。

なぜそこまでして財政再建にこだわらなければならないのでしょうか。

 

「国債発行は未来の子供たちへのツケおくりだ」

 

この言葉に日本人は弱い。

日本人は元来とても真面目で素直な国民性です。

その真面目さや素直さが利用されています。

 

財務省をはじめとする政府の人間たちはそういう日本人の性質をよく理解しています。

なんと言っても彼らはエリート中のエリートです。

人間の心を支配し、コントロールすることなんてお手の物です。

 

政治家の多くも、学者の多くも、国民の多くも、そしてあの池上彰さんでさえも彼らに洗脳されてしまっています。

その結果、必要な財政支援が打たれず、国民の多くがのたれ死ぬような状況になりつつあるのです。

 

国債というものは政府にとっては負債かもしれませんが、国民にとっては資産なのです。

 

今回の10万円の一律給付金がわかりやすいでしょう。

国民に10万円のお金を配るために新たに赤字国債が発行されましたよね。

 

池上彰さんはテレビ番組で「そのことが問題だ」という趣旨の発言をされておられましたが、その赤字国債の発行によって国民のフトコロには一人あたり10万円が支給されることになったのです。

 

ねっ、政府の赤字は国民の黒字になりますでしょ?

政府の負債は国民の資産になりますでしょ?

 

今回、みなさんの通帳口座に振り込まれる10万円という金額。

あれは税金の中から支払われるのではありません。

税金に頼らなくてもいいんです。

 

池上彰さんは「今、さらに補正予算を組んでもっと支援すべきだという議論がある。しかし、その赤字分はさらに税金を増やすとかしていつか埋め合わせなければならない」というようなことをテレビをおっしゃっていました。

 

さらに、「どんどんお金が出てゆくのはいいけれど、それは私たちの子孫が返さなければならないお金。将来世代へのツケおくりだ」と言っています。

とんでもない話だと思います。

 

池上彰さんがこういう話をするのは何も今にはじまったことではないのです。

ずっとずっと前から消費税増税に賛成したり、日本の財政再建の必要性を説いてきていました。

だからきっと本当に心の底からそう思っているんだと思います。

 

もっと言えば『正義感』に燃えているのかもしれません。

だからなおさらタチが悪いのです。

その正義感が今、多くの国民の命を奪おうとしています。

子供たちの明るい未来を閉ざそうとしています。

 

日本は通貨発行権という魔法が使える珍しい国

池上彰さんは大きな勘違いをしています。

政府と一般家庭の家計簿を「いっしょのもの」として捉えて話をしています。

しかし、政府と家計簿はまったく別のものなのです。

 

一般企業の会社経営とも違うのです。

一般の個人や企業というのは自分でお金を生み出すことができません。

 

個人ならば給料

会社ならば売上

もしもそれらが銀行への返済額よりも低くなってしまったら、「債務不履行(デフォルト)」という状態になってしまいます。

 

池上彰さんは「歳入に比べて歳出の方が多い。足りないから国債を発行して埋め合わせている。このままでいったら日本政府はデフォルトする」と言っています。

しかし、池上彰さんは重要なことを見落としています。

 

政府には通貨発行権があるんです。

お金を生み出すことができる能力を持っているのです。

そのことを決してテレビでは言いません。

 

個人でそんなことできますか?

会社でそんなことできますか?

 

「苦しくなったら自分でお金を生み出せばいい」なんてできるわけがありません。

北海道の夕張市もそれができませんでした。

だから夕張市は財政破綻したんです。

 

でも日本政府にはそれができるんです。

それができる条件が整っている世にも珍しい国なのです。

日本は・・

 

単純にそれを使えばいいじゃないですか。

こんな未曾有の経済危機なのですから。

日本人が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのですから。

 

今、使わないでいつ使うの?

 

政府にとって国債というのはその「自分で生み出す」ということに相当します。

そして国債と引き換えに日銀が円という通貨を発行すればいいんです。

たったこれだけで何万人もの日本人の命を救うことができます。

 

問題なのはあまりにも大量にお金が世の中に流通してしまった場合、過度なインフレを発生させる恐れがあるということ。

その熱を冷ますために必要なのでが『税金』というものです。

 

税金はインフレ率を抑制するために存在しているのです。

それなのにいつの間にか国民は「税金は国家運営の財源のために存在している」と思い込んでしまっています。

 

税金を上げるべきタイミングというのはインフレ率が極端な数値になってきた段階。

今はデフレですからこんな時期に増税なんかすべきじゃなかったのです。

 

インフレ率は体温計です。

税金は解熱剤です。

38.5度以上になってきたら税金を上げて熱を冷ましましょう。

 

でも、35.5度は低すぎます。

そんな低体温のときに解熱剤を投入したら死んでしまいますよ。

 

だから日本はずっとデフレから脱却できないでいるのです。

順番が逆なんです。

増税するのは日本経済が復活して景気が良くなってきてから。

まずは景気を良くしなければいけないのです。

 

景気が良くなりすぎて、世の中にお金が過剰にまわりすぎ、お金の量を調整しなければならない段階になったとき、はじめて増税という話になってくるんです。

今はとてもそんな段階ではありません。

 

それなのに池上彰さんはこの段階でもう増税の話をはじめているのです。

それがいかにおかしいことか・・

 

www.youtube.com