投資にはさまざまな格言があるけれど、僕がわりと気に入っているのはコレ。
待つも相場
これは株式投資向けの格言ではあるけれど、基本的な考え方は不動産投資にも当てはまります。
不動産投資をやるうえでいちばん注意しなきゃいけないのは営業マンからの「これはとてもいい物件ですよ」という言葉です。
それと、利回りが異様に高すぎる物件です。
不動産投資で利益を出すためにはもちろん利回りの高い物件を取得することが絶対条件になるわけなんだけど、目の前に提示された物件があまりにも極端に条件が良すぎた場合は冷静になる必要があります。
だって、そんなにいい物件だったらどうして売主さんはその物件を手放すのでしょう。
僕の経験から言えば、「優良物件」というのは最初から良い条件で世に出てくることはまずありません。
実際に物件を見に行って、物件をきちんと確認し、売主さんとあーでもないこーでもないと交渉してゆくうちにだんだんといい物件・いい条件になってゆくものです。
しょっぱなからいい物件が出てくるというのはかなり珍しいことなのです。
ましてや、みなさんが営業マンにとって超優良な顧客で、資産もたくさん持ってるメガ大家さんでもないかぎり、いきなりいい物件を紹介されるということはまずありません。
不動産会社の営業マンは次から次へと物件情報を送ってきます。
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」じゃないけど、次から次へと送ってきます。
そのたくさんある物件情報の中から、みなさんは「ダイヤモンドの原石」を見つけなきゃいけないのです。
それは至難のワザです。
プロの不動産屋さんでも磨けば光るような優良物件を見つけるのは困難です。
だから焦ってはいけません。
バッターボックスに立ったからと言って、ピッチャーから投げ込まれるすべての球を打つ必要なんかないのです。
やっぱり、絶好球を打つべきです。
どんどん見送っていいんです。
そして、ストライクゾーンに来た「これだ!」と思える一球を打つようにしましょう。
株式投資においても、不動産投資においても、球を見送ることは何も悪いことじゃないんです。
幸いなことに投資には見送り三振はありません。
「絶好球が来ない」と思ったらどんどん見送りましょう。
なんだったら、打席から外れてもいいんです。
現在の僕は球を見送ってばかりいます。
不動産会社の営業マンからも、銀行からも「これどうですか?」といった具合にいろいろな物件情報が送られてきます。
でも今の不動産を取り巻く環境は参戦するに値する環境ではありません。
不動産価格が高すぎるのです。
こういう時期には参戦を焦るべきではありません。
こんなに不動産が高騰している時期に打席に立ってバットを振ったとしても、凡打で終わることは目に見えています。
いろいろな要因が重なり、今は物件を取得するには相応しくない状況だと思います。
でも風向きはいつ変わるかわかりません。
ある日突然、世界的な金融パニックが起こって、待ちに待った不動産のバーゲンセールがはじまるかもしれません。
だから常にアンテナだけは張っておくべきです。
普段から銀行や営業マンとツーカーの関係を構築しておき、いざ絶好球が来たらおもいっきりバットを振ってホームランを打つ準備をしておきましょう。
僕はこれまでもそうやってきました。
そのおかげでいい物件を取得することに成功してきました。
その甲斐もあって法人成りをすることもできました。
待つことも投資のうちなのです。
僕はよくGAPで買い物をするのですが、GAPでもよくバーゲン・セールをやってますよね。
そういう時期には50%~70%OFFになっていたりします。
僕は毎年、正月明けの冬物の在庫一掃セールで買い物するたびに、「これって投資とまったく一緒だよなぁ・・・」って思います。
よく「投資は難しい」「投資は複雑だ」と言われます。
不動産投資もよく「複雑だ」「難しい」と言われます。
株式投資にハマってる人はよく「不動産投資はあれこれ考えなきゃいけないことがたくさんありすぎるから嫌いだ」と言います。
でも僕はまったくそうは思わない。
株式投資の方がはるかに複雑で、利益を出すのが困難な投資法だと思っています。
僕は株式投資もやっていますが、PERだとか、PBRだとか、自己資本比率だとか、75日移動平均線がどーしたこーしただとか、ボリンジャーバンドがどーのこーのだとかわけがわかりません。笑
不動産投資の方がはるかにシンプルです。
在庫一掃セールが始まったら買いに出かけ、あとは優秀な管理会社にまかせておけばいいのですから。
たったそれだけのことをやるだけで法人化にもできるし、僕はその会社から役員報酬をもらって家族を養っています。
僕は株式投資で法人化した人の話を聞いたことがありません。
もちろん中にはそういう人もいるのかもしれませんが、少なくとも僕のまわりには株式や投資信託、債券などに投資して自分の会社を設立するまでにいたったという人にお目にかかったことがありません。
だけど、不動産投資をやって法人成りをした人の話はよく耳にします。
それなのに世間では「株式投資よりも不動産投資の方が複雑で、むずかしい」と思われてます。
つくづく、おもしろいなぁと思います。
バーゲンセールはみんな大好きです。
それなのに、なぜか投資の世界では市場が絶好調のときに参戦してくる人が多い。
今がその時期です。
本屋さんには不動産投資がらみの本や雑誌がズラーっと並んでいます。
市場が絶好調のときというのは投資をスタートするタイミングとしては最悪の時期なのです。
こういう時期はむしろ静観してるに限るのです。
逆に大暴落が起こり、みんなの顔が真っ青になりはじめた頃がチャンス到来です!
市場が崩壊しはじめたら、いよいよ動き出す時期です。
ご存知のとおり、ここ数年の日本の株価も不動産価格も高止まりがつづいています。
だからうちの会社はここ数年、ただの一棟も物件を取得してません。
むしろ、ここ数年のあいだに僕はいくつかの物件を売却しました。
それも取得した価格よりもはるかに高い価格で、、、
今がいかに異常な状態であるかわかっていただけるでしょうか。
不動産が取得した価格よりも高く売れるのですよ。
「そんなことありえない」「そんなの嘘だ」と言われますが、実際に高音で売れたのだから仕方ありません。
そのおかげでうちの会社は一気にそれまで積み上げてきた赤字を解消してしまい、大幅な黒字になってしまい、かなりの額の法人税を払うことになってしまいました。
でも、そういった黒字体質の会社になったおかげで好条件で新しい銀行との借り換えに成功しました。
そのような奇跡を可能にしたのもすべて僕がバーゲンセールの時期に物件を取得したからなのです。
不動産価格というのは株価と連動しています。
だから株価が高いうちは「動くべき時期じゃないよ」ということになります。
そういった意味でいうと、今は株価が高い時期です。
だから利回りの低い物件ばかりですよね。
不動産投資において大事なことは「待つ」ことです。
待って待って待って・・・・最高の買い場がやってきたとき、そこで勇気を持って勝負に出るのです。
市場というのは波のように動きます。
半永久的にずっと右肩上がりなんてことはありえません。
高いときもあれば、低いときもあります。
「物件の数を増やさねば・・・!」と焦る気持ちはよくわかります。
でも不動産価格が高いときというのは利回りが低い物件しか出てこないのです。
それは明らかに『高値づかみ』です。
利回りの低い物件を取得すると、あとあと苦労します。
保有期間中も手残りが少なくて苦労しますし、売却するときも高く売れなくて苦労します。
不動産投資というのは最初が肝心なんです。
勝負はその物件を取得するときに決まります。
きちんと利益をもたらしてくれる「いい物件」を「いい条件」で取得することさえできれば、あとはもう勝ったも同然なのです。
でも、こういう不動産価格の高い時期にきちんと利益をもたらしてくれる「いい物件」というのはそんなに出てこないのです。
出てきたとしても、おそらく不動産会社の社長の方で買ってしまうか、世に出る前にベテラン大家さんによって買われてしまうかのどちらかでしょう。
いい物件の情報が僕らのような普通の投資家のまわってきたということは、それは『彼らのお眼鏡にかなわなかった物件なのだな』と判断しなければなりません。
だいたいこういう時期に「いい物件」が「いい条件」で出てくること自体がおかしいじゃないですか。
なぜ売主さんはそんな破格の値段で売りに出すのでしょう?
そんなバカなことをする売主さんなんていませんよね。
そもそもそんなバカな値段で査定をする不動産会社の売買営業マンもいませんって・・・
世の中の不動産価格が高くなってることを知らない営業マンなんていませんからね。
こういう時期に安い値段で出てくる物件というのは「いい物件」ではないということです。
よっぽどヘンな立地に建っているか、建物自体に何らの問題を抱えているか、それともおかしな入居者がいて売主さんが「早く手放したい!」と思っているのかのどれかでしょう。
そもそも売りに出る不動産の中でも『投資用の不動産』というのは絶対数が少ないのです。
居住用な不動産はけっこうあるけど、投資用(事業用)ともなるとグッと少なくなります。
ただでさえも少ないのに、そのうえで優良物件となるともっとグッと少なくなるでしょう。
優良物件はみんな狙っています。
いい物件の所有者になるチャンスを伺ってる大家さんは列を成して並んでるような状態なのです。
「優良物件がない・・・」と文句ばかり言ってる人がいますが、それは当たり前の話なんです。
今はそういう時期なんです。
株価が高い時期に株を買ってはいけないのと同じように不動産価格が高い時期に不動産を買ってはいけないのです。
要するに『高値づかみをするな!』ということです。
機が熟すのを待てる人間になりましょう。
僕はどんな投資でも投資していい時期と、休まなきゃいけない時期があると思ってます。
ジェシー・リバモアはこんな言葉を残しています。
良いアイディアが相場で大きな利益を上げる秘訣ではない。
最も重要なのは絶好の時が来るまで静かに座っていることだ。
個人投資家の有利な点は「待つ」ということできるところです。
僕らに優位性があるのはその「何もしない」という選択ができる点です。
投資を成功させるうえにおいて『じっと待つ』という姿勢ってとても大事だと思います。
市場の動きは神のみぞ知るの領域。
手数を増やせば勝てるわけじゃない。
頻繁に売買を繰り返すようなやり方ではなかなかいい投資結果は得られないと思います。
よっぽど優秀なトレーダーでないかぎり、、、
僕たちはファンドマネージャーじゃないのです。
だから、待つことができるという個人投資家のメリットを生かしましょう。
その点、ファンマネは大変です。
短期的に利益を出していかなきゃいけないんだから。
よっぽどトレードがうまいデイ・トレーダーみたいな人ならいいかもしれないけれど、そういう存在に僕らみたいな個人投資家がなれる確率はすごく少ないとはずです。
ミスター・マーケットを相手にしてそいつに勝ちを収めるのって簡単なことじゃないですよ。
株式投資においても、不動産投資においても。