サカモトハルキの哲学

北海道で5棟74室+月極P24台の大家やってます。2010年12月より法人化(10期目に突入!)。奥さんと中2小5男子と猫と自由にのんびり暮らしてま〜す!

大家さん必見! 不動産投資の経費の種類&どこまでが経費として認められるのかについてまとめてみました。

不動産投資をやって税金のことを考えるときに誰もが「経費」のことが気になると思います。

経費で落とせるものがたくさんあればあるほど、納める税金も安くなります。

 

はっきり言って、どこまでが経費として認められて、どこまでが認められないのかを判断するのはとてもむずかしいものがあります。

そこで今回は不動産投資をやってるときにどんなものが経費として落とせるのかについてまとめてみました。

 

基本的に不動産賃貸経営のなかで「経費」というのはそれほど多くはありません。

株式投資よりは多いかもしれませんが、ほかの業種ほど多くはないと思います。

 

だから、めんどくさがらずに普段から領収証をマメにもらう癖をつけておき、「チリも積もれば山となる」というスタイルで積み上げていかないとなかなかむずかしいかもしれません。

 

青色申告特別控除

大家さんとして物件をいくつか所有するようになり、その規模が『事業的規模』といえるくらいになってきたら個人の方は青色申告をしておいた方がいいでしょう。

この事業的規模というのは次のようになっています。

 

① 貸家 5件以上

② アパート 10室以上

③ 駐車場 50台以上

 

このくらいになってきたら青色申告しておくといろいろな恩恵があります。

 

青色申告特別控除65万円が経費として認められる

青色申告をしている大家さんに限り、65万円の青色申告特別控除を経費化できることになっています。

 

ただし、きちんと複式簿記などの帳面をつけておく必要が出てくるので税理士や会計ソフトといった多少の出費は覚悟しなければなりません。

もちろん、それらにかかった費用も経費として計上できます。

もしも事業的規模といえない規模だった場合には青色申告をしていても10万円しか経費として認められないので注意が必要です。

 

家族への給与を経費にできる

青色申告をしていて、なおかつそれが事業的規模だった場合、大家さんの配偶者や子供などに給与を支払うことができます。

それを「青色事業専従者給与」といいます。

いくらまで給与を支払っていいのかについてはその事業の規模にもよります。

 

損失が出た場合は3年間繰り越しができる

建物の老朽化にともない、解体することになった場合、その解体費などがかさんでその年に損失を出す場合もあるでしょう。

そういった場合はその損失分は全額経費として処理することができることになっています。

青色申告をしていて、事業的規模だった場合はその損失は3年間繰り越すことができることになっています。

 

青色申告をしていても事業的規模じゃなかった場合は3年間の繰り越しはできないので、その当該年度の不動産所得の範囲内が限度ということになります。

なお、法人の場合は赤字の繰り越しは3年ではなく、9年にわたってできることになっています。

 

青色事業者専従者給与

5棟10室以上の資産を保有し、青色申告者になった人限定だけが利用できる制度です。

その不動産投資が事業的規模と認められるときは奥さんなどの配偶者、あるいは子供などの家族従業員にも給与を支払うことができます。

その給与はもちろん経費として処理することができます。

 

通常は生計がいっしょの親族に対する給与は経費としては認められないことになっています。

ところがその大家さんがやってる不動産賃貸業の規模が事業的規模であり、きちんと青色申告者であるときに限り、家族従業員への給与も経費として認められます。

 

 

他に所得があった場合は損益通算ができる

不動産所得以外に何かほかの事業を営んだりしている大家さんも多いと思います。

そういった場合はその事業の方で赤字が出た場合は不動産所得と相殺することができることになっています。

そうすることで総合的に課税所得が減額になるので節税効果が生まれることになります。

 

また、今度は不動産事業の方で赤字が出て、他の事業の方で儲かっていた場合もその他の事業の黒字分から不動産事業の赤字分を差し引くことができます。

そうすることによって課税所得が減るので節税対策ができるということになっています。

 

 

支払利息(借入利息)

不動産は高額なので現金で一括購入する人はそれほど多くありません。

ほとんどの人が銀行借入を利用すると思いますが、その際に銀行に払う利息は経費になります。

だからヘンな話、税金面では経費で落とせる額が多くなるから金利が高い方がいいんです。

 

ところがキャッシュフロー的にはお金が出ていってしまうのでダメということになります。

さらに高い金利を払うことは不動産投資にとっていちばん重要な銀行借入にも悪影響を及ぼします。

なぜなら決算書の内容が悪くなるからです。

 

個人の場合であっても青色申告書などを通じて財務内容は銀行の方で厳しくチェックされます。

だから、どんなに節税的にはメリットがあるとしても「高い利息を払ってもいいんだ」と解釈するのはキケンといえるでしょう。

 

 

固定資産税

不動産を保有しているあいだに課せられる税金なのですが、この固定資産税も経費として計上することができます。

1,000万円の収入があり、固定資産税に100万円を払っていた場合は、1,000万−100万=900万円の所得になります。

 

所得税はこの900万円の所得に対して課せられます。

ちなみに株式投資にも当然、税金というものが課せられ、その株を保有しているあいだに配当金を受け取った場合、その利益に対して20%の税金が課せられます。

しかし、その税金は経費としては認められていません。

 

修繕費

不動産投資には修繕費はつきものです。

建物はどんどん古くなっていきますので、あちこち傷んできます。

しかし、すべての工事費・修繕費が経費として落とせるわけではなく、グレードアップ(その物件の価値を高めるような工事)分の工事費・修繕費は全額経費としては認められないので注意が必要です。

グレードアップ分の費用は減価償却してゆくことになります。

 

グレードアアップというのは価値を高めるような工事のことです。

そういった場合は「新たに取得した」という扱いになり、このような場合の工事費は全握経費として落とすことはできないことになっています。

ただ単に「壊れたのでそこの部分を修繕した」といった場合は経費として認められます。

 

ですから原状回復工事なんかは修繕費として認められることになります。

税務調査がきた場合にきちんと説明ができるようにきちんと工事業者から見積書を取り、できれば写真も取り、税務署職員に説明できるようにしておいた方がいいでしょう。

工事費という非常に高額になる場合がありますので、税務調査においてもよく調べられると言われています。

明確な根拠を残しておかなければ修繕費として認められないケースもあるそうなので、注意が必要です。

 

テクニックとしては毎年、こまめに修繕をくりかえした方がいいと思います。

ある年だけボンッ!と突出して修繕費を計上した場合は目立ってしまいます。

目立つと財務署から指摘される可能性が高くなります。

ですから一気にまとめてやるのではなく、毎年チョコチョコと修繕して目立たないように修繕費を計上した方がいいと思います。

 

 

保険

火災保険料、地震保険料も経費として落とせます。

ただし、あくまでも経費として処理できるのは「その年にかかった保険料」のみです。

保険料は1年払いがほとんどだと思いますが、なかには5年一括でおさめたり、10年一括でおさめたりする支払い方法もあります。

その場合は1年ごとに経費化しなければなりません。

 

 

管理費

自主管理している場合はダメなのですが、どこかの管理会社に物件の管理をお願いする場合、その対価として支払う管理料も経費として落とすことができます。

 

減価償却費 

減価償却費とは建物についてのみで土地は減価償却できませんので注意が必要です。

だけど不動産は建物だけでもかなり高額なものになるためその減価償却費も相当高額になり、経費で落とせる金額もかなり大きくなりますので節税効果が期待できます。

 

しかもこの減価償却費というのは実際にはキャッシュアウトしない経費なので自分のフトコロから一切お金が出ていくことなく経費として処理できます。

そのような魔法のような経費が減価償却費なのです。

 

減価償却費は法定耐用年数というものに基づいて算出されます。

建物の場合は木造が22年 S 構造は35年 RC 構造が47年といった具合にあらかじめ決められています。

これはあくまでも新築で建てた場合の年数です。

 

ですから中古物件を取得した場合は当然、経過年数が経っていますので減価償却できる期間をそのぶんだけ短くなってしまうということになります。

しかも、ただ単純に経過年数を差し引いた残りの期間が減価償却できる期間というわけではなく、中古の場合、簡便法という計算式に基づいて減価償却費は算出されます。

 

 

法定耐用年数 ー 経過年数 ✖️ 0.8 = 中古物件の耐用年数

 

 

 

ただ、この方式を取らなくても専門家にきちんと見てもらえば必ずしもこの方式に基づいた期間で償却しなくてもいいことにはなっています。

大家さんが「建物がボロボロであと5年しかもたないから5年で償却しよう」というように勝手にやってはいけないことになっているんです。

不動産鑑定士などにきちんと査定してもらったうえでなければダメなので、そこは注意が必要です。

 

減価償却というものは実態とは会ってないことが多いのでここも注意が必要です。

たとえ数式上で減価償却があと5年しか残っていないとしても必ずしも5年でその建物が全部駄目になるという意味ではありません。

あくまでも減価償却期間というのは数字上のことだけなのです。

木造の物件でも22年以上たったアパートもまだまだ頑丈で、入居者も入るようなアパートもたくさんあります。

 

減価償却というのはあくまでも実際に持つかどうかの目安にはならないということだけは忘れてはいけません。

正しい銀行から融資してもらうとき、銀行から「残りの減価償却期間でしかローンは組めない」と言われることも多々あります。

ここは銀行と折衝して期間を伸ばしてもらう交渉をするしかありません。

銀行としてはなるべく短くローンを組んだ方が早く回収できるからいいかもしれませんが、返済期間が短くなればなるほど月々の返済額は増えていきますので大家さんとしては全然儲からない取引になってしまいます。

 

さらに RC の建物は減価償却期間を47年となっていますが、 RC 造の建物は非常に頑丈なのでもしかすると100年以上持つ建物もあるかもしれません。

だけど減価償却期間をそこで100年としてしまった場合、毎年経費として落とせる金額がほとんどなくなってしまうということにもなりかねません。

 

大家さんにとって減価償却費の素晴らしいところは自分のフトコロを痛めず経費として処理できて、節税効果があること。

それなのに減価償却期間が100年といったように極端に伸びてしまうとせっかくの節税効果が薄れてしまうことになります。

 

もしも法定耐用年数に達してしまったらどうなるのか 

その建物が法定耐用年数に達してしまった場合は法的には価値は1円まで下がってしまうということになります。

実際は1円なんて言う建物はありません。

あくまでも法的な意味ではそういう扱いになるのです。



減価償却費をたくさん経費として落として物件を売却するときの注意点 

減価償却をしたぶんの金額というのは取得しからなくなってしまっています。

減価償却費として落とした分は今度は譲渡の時に所得税や住民税がかかってくるということになります。

 

ですから売却した時にものすごい額の所得税や住民税を払わなければいけないということになってしまうのです。

もちろんその建物が法人名義の場合は法人税がかかってくることになります。

 

減価償却費をたっぷり落とせたということは その建物を保有している間はたっぷりと節税できたわけです。

その代わり保有している間にたっぷり節税できたのだから、その建物を売却譲渡したときは「その節税できた分だけ税金を払いなさい」という仕組みになっているということです。

 

だから不動産投資をやる人は保有期間中の目先のことだけでなく、最後の売却・譲渡のところまで考えていかなければ駄目だということです。

売却時に莫大な税金を払うことになり、「こんなはずじゃなかった、、、」ということになったら大変です。

 

ですから大家さんは保有しているあいだに、「このまま保有してつづけて、減価償却費を経費として落とした方が総合的に考えた場合、税金の支払いが少なくて済む」のか、それとも「ここで売却してしまった方が税金の支払いが少なくて済む」のかをしっかり考えていかなければならないということになります。

 

これは自分だけではなかなか判断できないところがありますので、税理士や知り合いの不動産会社の人もまじえてしっかりと計算しておく必要があるでしょう。

 

水道光熱費 

アパートの共用部分の水道代金や電気料金なども経費として処理することができます。



書籍代、セミナー代など

不動産に関係する書籍を買った場合、ある程度は認められることになっています。

不動産投資に関係するセミナーなんかに行った場合、そのセミナー費用なんかも経費として落とせるでしょう。

 

交際費

例えば大家さん同士の集まりなどがあり、そこで飲食したといったような場合はそこでかかった飲食代は交際費として認められます。

不動産会社の社員や業者などさんなどに接待をしたという場合もOKでしょう。

あくまでも業務に関係するものであればいいということになっています。

 

接待交際費に関しても管理をお願いしている管理会社の人だとか、客付けをしてくれてる不動産会社の営業マンだとかといった具合に不動産賃貸業に関係する人との飲食代以外は認められないというケースも出てきています。

非常にシビアに見られますので、税務調査等で指摘されないように気をつけなければならないところです。

 

 

交通費

新規の物件を見に行ったり、遠隔地に物件を保有しておりその物件の工事などの打ち合わせに行ったといういった場合はその場所に行くまでにかかった交通費も経費として処理できます。

実際に物件に行っていなければダメです。

あまりにも頻繁だった場合は否認されてしまうかもしれません。

 

きちんとスケジュール帳に記載があり、不動産会社の社員や業者さんなどの裏付けも取れるといったような場合はOKかもしれませんが。

遠隔地に週に2回も3回も行ってたりした場合はさすがにダメでしょう。

当然のことながら、その物件を見に行ったことを証明できるもの(チケットの控えやレシートなど)も当然保管しておかなければなりません。

 

自分のよく知ってる地域の物件を取得するのは不動産投資の定石ではありますが、自宅の近くの物件ばかり取得していると交通費で落とす範囲がせまくなってしまいます。

でも遠方の物件を保有していた場合はその離れば場所に行くまでにかかった交通費を経費化することもできます。

ですから経費化するために近くの物件ばかりでなく、あえて遠くの物件も所有している大家さんもたくさんいます。

 

 

通信費 

主にスマホにかかるお金ですかね。

あと、自宅に引いてるネット回線費用なんかもそうですかね。

 

あくまでも事業でかかった分のみを経費処理できることになっています。

ただし、そこでもきちんと説明ができるようにしておく必要があります。

スマホの通信料などは当然、プライベートでも使用しますので全部の金額を経費して落とすことはできないでしょう。

 

 

車両費 

物件を車で見に行ったり、不動産会社を訪問したりするのに自動車を使用していた場合、その仕事に関連する範囲内であれば車両費として経費にできます。

あくまでも事業でかかった分のみを経費処理できることになっています。

 

ただし、そこでもきちんと説明ができるようにしておく必要があります。

自動車にかかる料金(ガソリン代、車検・メンテナンス代など)は当然、プライベートでも使用しますので全部の金額を経費して落とすことはできないでしょう。

 

 

旅費

個人の大家さんが家族と一緒に家族といっしょに慰安旅行などに行った場合の旅費なんかは経費としては認められていませんので、ここは注意が必要です。

これは判例も出ていて、裁判所の判断としては「結局、それは家族旅行と変わらないでしょ」というものだったそうです。

 

ただし、法人の場合は話はちょっと変わってきます。

 

 

事務所費

自宅の一部を事務所として使用している大家さんもいらっしゃると思います。

その場合の家賃や水道光熱費などは経費として落としてもいいことになっています。

ただし、全額(100%)はさすがにマズイです。

 

ここも通信費や車両費なんかと同様に事業で使用した分とプライベートで使用した分とを按分して、あくまでも事業で使用した部分に関してだけ経費化OKということになっています。

 

ただ気をつけなければならないのは専用の部屋(事務所として使用しているスペース)があり、そこの部分に関してだけ認められることになっています。

ですからリビングだとか寝室だとかの部分は一切、経費として認められないのでそれほど大きな節税効果は期待できません。

よく用いられているのは、面積(平米)を求めて、その按分でやっていく方式です。

  

小規模企業共済

基本的に個人の大家さんというのはサラリーマンや公務員のような『退職金』という制度がありません。

要するにどんなに一生懸命働いたとしても、引退時には退職金はもらえないのです。

だから自分で貯金をするなり何なりで自分でなんとかしなければならないのです。

 

そのときに便利で役に立つのがこちらの小規模企業共済という制度です。

これ入ると、積み立てた額が経費にすることができるという素晴らしい制度です。

厳密に言えば、経費になるというよりも「所得控除になる」ということなのですが、普通に銀行に貯金するよりもはるかにメリットがあるのでオススメです。

その大家さんが65歳になったり、事業を廃業したときにお金がもらえるという仕組みになっています。

 

まあ、いわば個人事業主向けの退職金制度みたいなものですね。

大家さんだけでなく、自分で商売をやってる人、中小企業の役員などにもぜひ利用してもらいたい制度です。

月額は最低1,000円から最大70,000円までの範囲内で入ることができます。

ですからMAX84万円までかけれるということになります。

 

お金を貯めているのに節税になるという非常に不思議な制度。

国が運用している点も安心ですし、若干ですが運用利回りもつきます。

ただし、サラリーマンには認められていませんの注意が必要です。

 

ですからサラリーマン大家さんは利用できません。

あくまでも専業としてやってる大家さんだけが利用できる制度です。

 

 

セーフティ共済

取引先の倒産といった不測の事態にそなえるために設立されたもの。

事業資金をすみやかに借入できるといったメリットが人気になっています。

掛け金はすべて経費として計上することができます。

 

 

不動産管理会社などを活用する

自分で管理会社を設立してそこに管理を委託することによって節税する方法もあります。

その具体的なやり方についてはこちらの方で記事にしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

www.nonbiri-happy.com

 

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まとめ

不動産賃貸業というのは基本的には入り口から出口までみっちり税金がかかるようなビジネスだといえます。

それは不動産投資というのが基本的には『不労所得』によって成り立っているビジネスだからという理由があげられると思います。

 

「汗水垂らして働いてないのに、そのうえに税制上のメリットもあったら不公平じゃないか」という考えが根底にあるように思われます。

不動産投資に関連するもの以外は経費にすることができないので、他のビジネスのように経費にできるものが非常に少ないとも言えます。

 

そういった不動産賃貸業ならではの特徴というものも十分に踏まえたうえで「果たしてスタートしていいんだろうか?」ということを考えなければなりません。

そうしなければ、「えっ、こんなに税金がかかると思わなかった!?」ということにもなりかねません。

 

税制面に関していえば、個人で大家業を営むよりも法人にした方がはるかに経費で認められる幅が広まります。

青色申告者になることによるメリットもあるにはありますが、法人の方が税制上のメリットは個人よりも圧倒的にあります。

 

ですから、ある程度の規模になってきたら法人成りを検討した方がいいと思います。

個人が法人成りして節税する方法についてはこちらの方で記事にしています。

 

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