サカモトハルキの哲学

経営者。投資家。不動産投資と株式投資やってます。5棟74室+月極P24台(2010年12月より法人化)。配当狙いの個別株投資。

おぼえておいた方がトク! 僕が積算評価よりも収益還元評価のほうが大切だと思う理由とは?

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銀行は融資の審査の際に物件の積算評価をやたら気にします。

だから積算価格の低い古い物件などへはなかなか融資したがりません。

 

ここが不動産投資のジレンマです。

…というのも、不動産投資は一般的に築年数が古くなればなるほど物件価格が安くなり、利回りが高くなるものだからです。

 

ちなみに積算価格というのは不動産の価格を「建築費+土地値」で算出したもののことです。

だから建築費が2,000万円で、土地値が3,000万円だったら、積算価格は5,000万円という事になるというわけです。

 

ここ最近の不動産投資はその物件が「ニーズがある」とか「空室になってもすぐに決まる」といったファンダメンタルなことよりも、「数値」といったテクニカルな視点のほうを優先させる傾向がある。

 

ここがジレンマを生み出している原因になっています。

 

積算価格だけで物件を選ぶとエライ事になる・・・ 

僕は不動産投資をやってメシを食ってる人間ですが、「積算価格よりも儲かる物件の方がいいだろう」と考えるタイプの大家です。

自分が住む家だったらなるべくグレードが高いほうが気分もいいかもしれません。

だけど不動産投資は商売です。

 

商売だから何よりもいちばん大切にしなければいけないのは『儲け』のはず。

だから積算価格を重要視する最近の不動産投資のトレンドに僕は首を傾げているのです。

 

僕に言わせればそれは商売でもビジネスでも何でもありません。

ただ単に「数字」を見てるだけに過ぎない。

商売というのは電卓だけ見ていても儲かりはしないのに、、、

 

立地条件とか、賃貸需要とか、日当たりとか、臭いとか、雰囲気とか、etc・・・

不動産投資をやるうえにおいてはそういう「数字に置き換えられない部分」ってものすごく大事な部分になります。

 

銀行はそんなこと考えないですよね。

「臭い」なんか査定するときに気にしないでしょ。笑

 

でも部屋探しをしているお客さんは気にするんです。

となりに焼き鳥屋とか焼肉屋があったりすると、「ニオイが気になる」と言ってその物件を敬遠したりするかもしれないのです。

もしもお客さんから敬遠されたら、空室が続くことになります。

それは商売にとって死活問題になります。

 

ところが積算価格を重視して物件選びをすると、そういった数字に置き換えられない部分は無視される(あるいは軽視される)恐れがあるのです。

 

もちろん建物も土地も申し分ないものであるに越したことはありません。

でも申し分ない物件を取得したからといって不動産投資が成功するとは限らないのです。

 

ここが不動産投資のむずかしいところでもあり、おもしろいところ。

そして、ここが不動産投資をこれからやってみたいと思ってる人が誤解していること。

 

資金繰りに行き詰まる大家さんの物件というのは意外に積算評価の高い『良さげな物件』を所有していることが多いです。

なんか不思議だと思いません?

 

築年数もまだまだ新しく、外観もオシャレで、設備もバビッとしている、、、

そんな誰もが羨むような物件を所有しているのに、どうして行き詰まるんでしょうか?

 

これは多くの人が誤解していることなのですが、そういう誰もが羨むような物件=儲かる物件というわけではないのです。

古くてボロボロの物件を保有していたから資金ショートしたというわけではないのです。

 

「そこそこイイ物件」ってやつが曲者なのです。

 

 

 

銀行はアタマが硬い 

なぜそんなことが起こるのでしょうか。

それは電卓(数字上のこと)と、目の前の実際の商売とをごっちゃにして考えてしまったからだと僕は思っています。

 

不動産投資においては数字には現れてこない、目に見えない部分こそが重要なのですが、数字にばかり目を奪われてしまい、そこが見えなくなってしまった。

そこに目を向けることができなければ、大きく判断をあやまることになります。

 

積算価格ばかりを気にしていると不動産賃貸業はうまくいかないのです。

銀行は喜ぶかもしれませんが、銀行が喜ぶような物件=不動産オーナーが喜ぶ物件じゃないのです。

 

結局、銀行というところは条件に合致すればお金を貸します。

『積算評価』とか、『属性』とかを見て判断します。

 

なかには収益還元法(その物件がいくらの儲けをもたらしてくれるのか)で評価してくれる銀行も中にはありますが、ほとんどの銀行はそれよりも数字だけを追いかけています。

「土地の評価額がこれぐらいで、、、」とか、「建物の担保価値がこれぐらいで、、、」といった部分で判断することが多いです。

 

そこにその周辺地域の雰囲気とか、ニオイとか、大家さんの人柄とか、管理会社の担当者の優秀さ、etc・・・といった数字にあらわれてこない部分で融資を出す・出さないを判断する銀行はほとんどいません。

 

もちろん審査の際に積算評価や属性にこだわるのは理解できます。

僕だってさすがに掘立て小屋みたいなオンボロ・アパートに「1億円も融資しろ」なんて無理難題を言うつもりはない。

無職やフリーター、ニートといった属性の悪い人に億を超える貸付ができないことも理解できます。

 

ただ「オーナーに儲けをもたらしてくれる物件=銀行が融資したいと思う物件」ではないことだけは理解しておかなければなりません。

でも銀行の硬いアタマを柔らかくするのは容易なことじゃないです。 

 

つまり何を言いたいのかというと、銀行から融資のOKが出たからといってそれがイコール成功ではないということ。 

安心してはいけないということ。

 

銀行が電卓を叩き、積算価格の条件がクリアになっただけの話で、実際にその物件がきちんとみなさんのポケットに毎月、安定収入をもたらしてくれるかどうかはまた別の話なんです。

 

銀行が融資を見送った案件の中にもグッドな物件もいっぱいあると思います。

銀行が融資した物件=儲かる物件ってわけでもありません。

 

ここから先はそのオーナーの『目利き』の領域に入っていきます。

正解は誰にもわかりません。 

 

ただ商売というのは電卓からは見えてこない要素も多分にある、ということだけはおぼえておいた方がいいと僕は思います。

 

 

今の不動産の世界は「砂上の楼閣」である理由 

ここ数年の不動産投資のトレンドと真逆のことを言うようですけど、僕の感覚からすると『東京都港区の物件だから大丈夫』とか、『RC造だから大丈夫』とか、『築10年以内だから大丈夫』というのはないです。

 

『銀行が好むような物件=オーナーにとっておいしい物件』じゃないんです。

積算価格が高い物件は銀行は喜ぶかもしれない。

でも、だからと言ってそれが不動産オーナーを喜ばせることになるかどうかはまた別問題。

 

グレードが高い物件で高属性の人を相手にしたほうが資金繰りが悪くなる場合も確実にあります。

属性の高い人は「それなりの部屋に住みたい」と思っています。

そのためにそこそこ高い家賃を払ってるわけです。

 

僕が「そこそこの物件」を好む理由はリフォームや設備にお金をかけなくてもいいからです。

ターゲットにしている層が高属性転勤族じゃないから大東とかとも被らない。

 

そういう人たちは部屋のグレードも気にするからそれに合わせようとすると、コストがかかり過ぎちゃって商売にならないのです。

 

それにしても春先をめがけた新築アパートがボンボン建ってますね。

でも3、4年前に完成したばっかりのまだまだ新しいアパートの空室も出はじめてる。

そりゃ、同じような家賃だったら新築の方にいくよね・・・

 

しかもその新築も4年経ったら苦しくなるというね。

高属性の人をターゲットにした賃貸経営はホント大変だなぁと思います。

 

ただでさえもパイ(人数)が少ないのにそれを築浅物件の大家さん同士で取り合うというレッドオーシャンぶり。

さらにそこに新築物件のオーナーも食い込んでくるという地獄絵図。

 

ちなみに僕はレッド・オーシャンにはそもそも近づかない主義です。

常にブルー・オーシャンのところばかりを狙っています。

 

うちの物件はどれもこれもみんなが忌み嫌う低属性・低家賃の物件ばかり。

でも会社は黒字ですよ。

 

それにしても、オーナーに新築アパートをバカ高い値段で建てさせるビジネス・スキームの会社、よくもってるよなぁ。

あそことか、あそことか・・・

よく続いてると逆に感心しちゃうわ。

 

この低金利と、銀行の不動産への積極融資の影響で、きっと新築アパートを契約した人がいっぱいいたんだろうな。

でも、そのスキームもいつまで持つかな。

もしも契約件数が少なくなってきたら、一気にすべてが崩壊するよ。

 

『ハウス・オブ・カード(砂上の楼閣)』ってやつね・・・

 

僕なりの空室対策と安定的な家賃収入を得る3つの秘訣はこんなカンジ。

 

 

① 低所得者層をターゲットにする

 

② 最初から最低家賃なので、それ以上家賃を下げなくても決まる

 

③ 彼らが好むような物件を買う

 

 

僕はレッド・オーシャンでは絶対に勝負しない主義なんです。

ほとんどの人が「高属性」「築浅」「都会」「オシャレ」「充実設備」etc・・・

 

そういうハイ・グレードな物件を好んでいるのなら、僕は逆に行きます。

ライバルがいない分、ブルー・オーシャンが僕を待っていてくれます。

 

それが本当の『安定的な賃貸経営』ってやつじゃないッスかね? 

 

まとめ

アパート経営で重要なことは『方向性』だと僕は思ってます。

そのオーナーはどういう哲学なのかということ。

 

 

・属性重視か? 

・無視か?

・満室稼働を目指すか?

・多少空室になっても家賃を減額せず、常に高い賃料を維持したいか?

・お金をかけてでも高いグレードの部屋を目指すか?

・なるべくお金をかけず、部屋のリフォームも「そこそこ」にしておくか?

 

 

 

そのオーナーの方向性によって物件選びも変わるし、経営計画も大きく変わってきます。

 

たとえば属性重視なら、築浅で設備も充実した物件という事になる。

外観もオシャレで、駐車場も立派で、『保有してる満足感』は得られるかもしれない。

でもそういう物件ってだいたい利回りが悪く、キャッシュフローが少ない。

 

大家さんの「そもそもどういう賃貸経営をしたいの?」って大事なのです。

 

築古物件は確かにタナゴの属性は悪い。

その代わり、高利回りで手残りも多い。

 

それに自主管理でなければクレームやトラブルの処理は管理会社が行ってくれます。

オーナーは報告を受けて指示を出し、どうするかを判断するだけです。

そのために管理料を払っているのです。

 

さあ、どっちがお好みですかという話になる。

 

これはものすごく重要なことです。

物件の選定と同じくらい重要なことかもしれません。

ここの条件の擦り合わせがうまく金融機関とのあいだでできないと後になってダメージを受けることになります。

 

僕は総支払い額よりも手残りを重視するタイプです。

なるべく長い期間で借りたいタイプです。

 

借金を早く返し終わった方がいいという人は借金を悪いものと捉えています。

だから手持ちの資金が少なくなっても借入金の額が少なくなれば安定すると錯覚します。 

でも実際は借金を上手に利用した方が事業は安定します。

大事なのは借金をゼロにすることじゃなく経営を安定させることなのです。

 

銀行の人は言います。

「築浅で、RCで、大都市の駅近に建ってる大型物件がいいですよ」「新築のアパートならなおご融資しますよ」と。

 

でも銀行の人は投資家ではありません。

サラリーマンです。

 

さて、あなたはどう考えるでしょう?