サカモトハルキの哲学

北海道で5棟74室+月極P24台の大家やってます。2010年12月より法人化(10期目に突入!)。奥さんと中2小5男子と猫と自由にのんびり暮らしてま〜す!

映画『セッション』を観て思ったこと

 

セッション(字幕版)
 
セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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 あの『ラ・ラ・ランド』の監督として一躍時の人となったデイミアン・チャゼル

ラ・ラ・ランド』の前作として発表され、世界に衝撃を与えたのが本作だ。

 

どちらも音楽映画で、取り扱っているのはジャズ。

だが、こちらの『セッション』で描かれてるジャズは、僕らが思い描いてるジャズとは100万光年も離れている。

 

そこにはジャズのオシャレさやゴージャスもない。

そこにあるのは『ロッキー』ばりの男くさい血と汗とガッツの物語。

 

ジャズ・ドラムを学ぶために名門の音楽学校に通うことになったニーマン(マイルズ・テラー)と、彼をスパルタ方式で徹底的に鍛え上げてゆく鬼教師フレッチャー(JK・シモンズ)。

この2人の師弟対決が最大の見もの。

 

最初は誰もが鬼コーチであるフレッチャーのことを「こいつ、とんでもねぇ野郎だ!」と思うことだろう。

ところがニーマンはどんなにひどい扱いをされても、どこかフレッチャーのことを憎めない。

なぜならジャズの神様、チャーリー・パーカーも徹底的に鍛え上げれ、それで伝説の人になったという話を聞かされたからだ。

 

このあたりの感覚は夢を追いかけてる人、何かを極めようとしている人なら分かる感覚なのではないだろうか。

 

 

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本当に何かを達成するためには何かを犠牲にしなければいけない。

徹底的に自分を鍛え上げ、腕を磨かなければならない。

 

フレッチャーの指導方法は確かにスパルタ式だ。

時代に逆行するやり方かもしれない。

 

しかし、『最高のジャズ・ドラマーになる』という夢を追いかけるニーマンにとって、厳しく指導され、シゴかれるのは「必要なこと」なのだ。

 

パワハラとか、教育方針とか、精神的負担とか、etc・・・そんなヤワなこと言ってられっか!

オレが目指してる高みに到達するためには、これくらいの試練に耐えられねぇと話になんねぇんだよ!!

 

フレッチャーとちょうど対をなした存在として描かれるのは父親だ。

父親はフレッチャーとは逆で、いつも温厚で、やさしくニーマンを励ましてくれる存在だ。

だが、ニーマンはそんなやさしいだけの父親にある種の「疑問」や「違和感」のようなものを感じている。

 

いいんだよ。いいんだよ。

精一杯、頑張ればそれでいいんだよ。

うまくいかなくても、自分なりに一生懸命やったんなら、それでOKだよ。

 

父親はやさしくニーマンに話しかける。

 

一見すると、父親のやさしさは正しいように見える。

しかし、当の本人であるニーマンはなぜか釈然としない顔だ。

 

・・・というか、やさしいだけの父親に苛立ちと軽蔑のようなものさえ感じている。 

そんなニーマンの心のモヤモヤはラストの凄まじい演奏シーンで大爆発する。

 

 

オレは本物になりたいんだ!

そのために「張らなきゃ」いけないんだ!

やさしいだけじゃ夢は実現できない

人生にただ流されて生きるだけじゃ、到達できない場所というものがあるんだ!!

 

 

ハタから見ればどんなに「狂気」に見えたとしても、『そこに到達したい!』という明確な意志を持った者だけが見ることができる地平というものがある。

 

映画のエンディングでニーマンとフレッチャーの二人が完全に「その領域(ゾーン)」に入っている姿を舞台袖からただ呆然と眺めるだけのお父さんの表情が印象的だ。

 

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この映画は是非、夢を追いかけている人に観てほしい!

きっと何かを感じ取ってもらえるはずだ。

 

すごく重要な作品。

 

最後の鬼気迫る演奏シーンは何度観てもゾクゾクするね!

その前のチャーリー・パーカーの話が効いてるよね。

 

あの最後のフレッチャーとアンドリューの二人の表情はスゴイね。

そしてその二人の姿を舞台袖から呆然と見つめている優しい(だけの)お父さんの表情も良かった。

 

 

この世で何よりも危険な言葉を教えてやろう。

 

それは"上出来だ"だ!

 

 

このフレッシャーの言葉は非常に意味深いものがある。

自分の人生を振り返ってみても、人のことを見ていても、この『上出来だ』って言葉はいろんな意味で気をつけなければいけない言葉だと思う。