今回の記事は不動産投資というものに魅力と可能性を感じ、「老後の生活のためにもやってみたい…」と思っているような人にとってはあまり愉快な内容ではないかもしれません。
だけど不動産投資というのは決して「いいことだらけのバラ色のビジネス」なんかじゃありません。
やってる本人がこんなことを言うのはおかしい話かもしれませんが、不動産投資はとてもおっかないものでもあります。
そのことをきちんと把握しておかないと『老後の生活のために…』どころの話ではなくなってしまうかもしれません。
不動産投資のリスクとは?
最初は「生活費の足しになれば…」という単純な想いからスタートしたのに破産に追い込まれてしまった・・・・なんて話はゴロゴロ転がっています。
不動産投資はそんなに甘いものではありません。
そこはやっぱり『投資』なのです。
投資である以上、株式やFXなんかと同様にリスクというものがあります。
悲観主義だけも良くないことですが、楽観主義だけもダメです。
どんな投資にも言えることですが、不動産投資もスタートするときがいちばん重要です。
しかし、不動産投資をはじめてやろうとする人がよく陥る失敗パターンはこの『最初が肝心』ということを忘れてしまい、ついつい良いことにばかりを目を向けがちになってしまうことです。
もちろん100%いい物件なんてものはこの世にはありません。
そもそもそんな物件がもしもあったら市場に流通していません。
だからといって舞い上がって物件の裏にひそむリスクというものに目を向けないことはとっても危険なことです。
「毎月、これだけの家賃収入があるはずだ」
「これなら銀行のローンも十分払っていける」
「木造だから、固定資産税も大したことない」
「頑丈そうに見えるから、当分外壁も大丈夫だろう」
etc・・・
しかし、現実的には自分が思ったとおりになんか事は進まないものなのです。
残念ながら・・・
そして、いざ、危機に直面してみてはじめて「すべてが甘い見通しだった」ということに気づいたりするのです。
意気揚々とはじめたのに数年後には…
「工事代金にこんなにお金がかかると思わなかった」
「業者への広告料がこんなに収益を圧迫するとは思わなかった」
「こんなに部屋が決まらないとは思わなかった」
「敷金を全額入居者に返さなきゃならないなんて、想定していなかった」
etc・・・
そんなふうになっている恐れだって十分ありえるのです。
そして最終的には「こんなことになるんだったら不動産投資なんてものに手を出さないでどこかへ働きに行っていた方がマシだった…」なんてことにもなりかねないのです。
僕は別に恐怖をあおりたいわけではありません。
しかし、そういった負の側面も不動産投資にはあるということを理解しておくことはとても大切なことなのです。
不動産投資は本当に儲かるビジネスなのか?
僕が言うのもヘンな話かもしれませんが、不動産投資はリスクがいっぱいです。
不動産投資というのは多くの人が思っているほど儲かるビジネスでもないと僕は思っています。
相当うまくやらないと全然、安心・確実なものではないと思っています。
やっぱりいい意味でも悪い意味でも『投資』であることには変わりないのです。
巷には不動産投資のことをまるで夢のような投資法であるかのように称賛しまくっている本もたくさんあります。
そういう本をパラパラっと読み、すっかりその気になる人が後を絶ちません。
実際にやってる立場の人間から見ればそれはとても危険なことのように映ります。
そんなに簡単に儲かるんだったらみんなやってるし、こんなに苦労しないよ・・・そんな風に思ってしまいます。
どんなに大金持ちの人であろうとどんなにベテランの大家さんであろうと不動産投資のリスクを100%完全に回避するなんてことはできません。
そういう本を手に取り、すっかりその気になっている人というのはアパート経営の良い面だけをみているのでしょう。
恋は盲目ならぬ「不動産投資は盲目」の状態におちいっているのです。
実際、そのようなアパート経営のある一面だけを見てものを考えている人と話をしていても、まったく話がかみ合わないということがよくありました。
人間というのはあるひとつの側面しか物事が見れなくなってしまうと急に視野が狭くなり、まわりが見えなくなってしまうものです。
まわりがどんなに「あの男はろくでもない男だから、やめておけ」と忠告しても、恋をしてしまったら最後、そんな忠告はどこかへ吹き飛んでいってしまいます。
冷静に考えればそれほどいい物件ではないということがわかるはずなのに、その物件を「いい物件だ」と信じ込んでしまう人によく似ています。
そんな良くない物件に退職金の1000万円を突っ込んで自滅する人が後を絶ちません。
退職金を不動産投資の頭金に使用するときは奥さんとよくよく話あってからにしましょう!
まずはアパート経営のブログを毎日チェックして勉強しよう!
当初思い描いていた不動産投資とはまるで違う現実を突きつけられることはよくあることです。
僕もたくさん経験しています。
だからと言って何も僕は「不動産投資は危険がいっぱいだからやめなさい!」なんてことを言うつもりはありません。
上手に不動産投資をしている大家さんだって世の中にはたくさんいます。
ネットにはそんな賢い大家さんがいっぱいブログをアップしています。
まずはそういう賢い大家さんたちのブログをチェックして、不動産投資のことをきちんと勉強したうえで改めて「本当に不動産投資をやった方がいいのだろうか?」ということを検討されてみてもいいのではないでしょうか?
不動産投資のブログをやっている人というのは不動産投資についてのいいことも悪いことも書いています。
日々、不動産投資をやっている中で起きたことをリアル・タイムに詳細に記述しています。それは『現場の生の声』です。
そこにはいいことだけしか書かれていない本や雑誌とは違うことが書かれているのです。
その不動産投資のブログに目を通すだけで相当いろいろなことが見えてくると思います。
最大のリスクマネジメントはその人が賢くなることだと僕は思っています。
不動産投資にまつわるデメリット
僕はこのブログのなかで「不動産投資をやったおかげで人生が救われた!」ってなことを書いています。
だからときどき『不動産投資をやれば何もかもうまくいくんだ』『不動産投資はいいことばっかりなんだ』と勘違いしちゃう人もいるみたいです。
でも全然そんなことないですよ。
たとえば、こんなことが実際に起こりました。
- 入居者が警察沙汰を起こす
- 台風や大雪などの自然災害の被害に遭う
- 火事になる可能性がある
- 家賃を滞納する入居者が出てきて回収するのに苦労する
- アパート内の騒音問題(DVや虐待など)を解決しなければならない
- ヤクザが入居して追い出すのに苦労する
- 裁判沙汰になる
- シロアリの被害に遭う
- 室内で勝手に商売をはじめるやつがいる
- 孤独死(室内での自死含む)の処理
- 部屋がボロボロに破壊したまま夜逃げ
- 近隣住民におかしなやつがいて、しょっちゅうクレームが来る
- 外壁が吹っ飛び近隣の建物や車両に当たって損害賠償
- 隣近所に匂いを発するお店ができて入居率に影響を及ぼす
- 隣近所に音を発するお店ができて入居率に影響を及ぼす
- 広告料を3ヶ月出しても決まらない
- 広告料を3ヶ月で決まったのに2ヶ月で退居
人間との関わりに(特にモメ事の処理に)慣れてないIT系の人やスマートな投資スタイルに慣れてる人は不動産の世界に下手に足を突っ込まない方がいいと思います。
そこは全然スマートな世界じゃないから。
『人(しかも一癖も二癖もある人ね)』とでもコミュニケーションが取れるというのならば話は別ですけどね。
イケハヤ氏がちょいちょい不動産投資に興味がある的な発言をしているのが最近気になっています。
ああいうIT関係の人とか、紙の資産への投資に慣れてる人とかが不動産の世界に入ってきたらきっと驚くし、イヤになるんじゃないかなと思っています。
警察沙汰だとか、台風だとか、滞納だとか、DVだとか、ヤクザとか、シロアリだとか、裁判だとか、etc・・・とにかくいろいろ出てくる世界ですからね。不動産の世界は。笑
そういった「いろんなこと」ってどうすることもできないのです。
こっちでコントロールすることができません。
不動産の世界は『自然』を相手にしなきゃいけないことも厄介な点です。
そういった意味では農業や漁業と同じです。
それに耐えられなくなる人って必ず出てくると思います。
とくに普段からパソコンとかプログラミングとか「ああすればこうなる」という世界にどっぷり浸かっている人なんかは・・・
人の問題、モノの問題、自然の問題、etc・・・・パソコンに向き合う商売では絶対にお目にかかれない問題がたくさん出てきます。
ITの人とか興味本位で不動産投資やるのは構わないけど、疲れ果てて「こんなんやるんじゃなかった・・・」と思うんじゃないかなと僕は思っています。。
不動産の世界では警察沙汰なんかしょっちゅうあるし。
殺人事件や孤独死なんかにも遭遇するかもしれませんよ。
部屋に放火する奴もいるし、台風はやってくるし、騒音問題もあります。
ITでは絶対にお目にかかれない世界を目撃することになるのです。
「オレのブログがシロアリの被害に遭った!」なんてことあり得ないでしょ?笑
不動産投資に興味を持つのは構わないけど、こういう台風のシーズンになったらいつもヤキモキしなきゃならないよ、ということだけは言っておきます🌀
— サカモトハルキ (@sakamoto1haruki) September 9, 2019
株などの紙の資産の場合、そういうのがないから(その点は)『いいなぁ』って思う。
ま、当然、保険には入ってるんだけどね。