サカモトハルキの哲学

北海道で5棟74室+月極P24台の大家やってます。2010年12月より法人化(10期目に突入!)。奥さんと中2小5男子と猫と自由にのんびり暮らしてま〜す!

映画『(500)日のサマー』の感想〜ヒロインの女の子はなぜ「サマー」という名前だったのか?その名前が意味するものとは何か?

以前僕は『ブルー・バレンタイン』という夫婦の愛を描いた素晴らしい映画を紹介しました。 

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ちょうど同じような時期に公開された、これまた素晴らしい恋愛映画があるので今回はその話をしたいと思います。

それは『(500)日のサマー』という映画です。

 

主演はもうすっかりハリウッドスターの仲間入りをしちゃったジョセフ・ゴードン=レヴィット。

『三月のライオン』の神木くんバリに気弱で現代風の男の子を可愛らしく演じています。

 

「500日」というのは主人公のトムとヒロインのサマーとの恋愛が500日で終わるということを意味している数字です。

 恋愛映画の金字塔であるあの『アニーホール』を彷彿とさせるポップでオシャレな作品に仕上がっています。

 

『ブルー・バレンタイン』は観ていてだんだん苦しくなってゆく作品だったのに対して、こちらの『(500)日のサマー』は見終わった後になんだか前向きな気分になってしまう作品です。

 

どちらも恋の苦しさ、女性の不可解さ、恋愛の難しさを描いた作品なのに、観終わった後の印象がまるっきり違う。

 

とにかく『いま風の恋愛映画!』という形容詞がぴったりくる素晴らしい作品なので、ぜひ観てください! 

 

目次

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作品概要 

  • 監督:マーク・ウェブ
  • 脚本:スコット・ノイスタッター&マーク・ウェブ
  • 出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ズーイー・デシャネル/ジェフリー・エアンド/マシュー・グレイ・ガブラー/ミンカ・ケリー
  • 上映時間:96分
  • 公開:2009年/アメリカ 


監督はマーク・ウェブという人。
この人は何とこれが監督デビュー作というから驚きです。

いかにもミュージック・ビデオ出身の監督らしいポップな作りと、随所に見られる斬新な演出。

テンポよくポンポンと話が展開してゆくので観ていて本当に飽きません。

この映画の特徴はとにかく衣装から何からすべての細部にわたるまで「オシャレでカラフル!」なところ。

これは主人公のトムが大好きな50年代、60年代の色鮮やかな時代へのオマージュとなっており、随所に渡って過去の映画や音楽、小説などからの引用が登場します。

二人の出会いから別れまでを順序立てて観せてゆくのではなく、時系列が行ったり来たりするのも斬新でおもしろい!

よく比較される『ブルー・バレンタイン』とはまた違った行ったり来たり感で、オシャレです。

主人公のトムはグリーティングカードを製作する会社で働く青年。昔の映画や音楽が大好きで、特にダスティン・ホフマンの『卒業』やザ・スミス(!)が大好きな気弱な文学青年といった感じのキャラクター。

はっきり言って、全然男らしくないオタク・キャラです。

当然モテません。

僕もそんな感じだったなぁ…

 

誰もビートルズやジェームズ・ディーンや昔の映画のことになんか興味ないのに、コンパでその話をして引かれたりしました…(笑)

そんな懐古趣味まるだしの非モテなトムの前に、突如現れたのが天真爛漫なサマーという女の子。

サマーは自分の世界に浸るだけのトムに「もっと世の中にはおもしろいことがいっぱいあるんだよ!」ということを教えていきます。

僕がこの映画を単なるオシャレな恋愛映画だと思えないのは、この辺りの哲学的かつ人生論的要素が含まれているからです。

生きるとは何か? 

情熱的に生きることはそんなにおかしなことなんだろうか? 

 

トムはだんだん自分とは正反対のあっけらかんとしたサマーに魅了されていきます。

 

 

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レビュー

僕がこの映画の中でいちばん大好きなシーンは初めて二人が結ばれた日の翌日、トムが「サイコーにハッピー!」って感じで街中で踊り出すシーン。

あなたも憶えてるでしょ? 

初めて自分の愛する人と結ばれた時の歓喜の瞬間を。

世界じゅうの人たちが自分のことを祝福してくれているような感覚。

自分がそれまで抱えていた問題や嫌なことなんかが全部吹き飛んで行っちゃうようなあのウキウキした感じ。

何もかもがハッピーで、何もかもを許せちゃう。

それまで感じたこともなかったけど、「世界は本当に素晴らしい!」と心の底から思えた。

自分の人生を心から祝福できて、自分のことが大好きになれた至福の時。

  • え? 恋は盲目? うん、それでもいい! 


僕は愛されたんだ。僕を愛してくれる人が現れたんだ。

その喜びをいったいどうやって表現したらいい?

みなさんもきっと一度や二度、そういう気持ちになったことがあるはず。

あのシーンはその時の幸福感を思い出させてくれます。

しかし、もちろん言うまでもないことですが、それがすべて幻想で男が勝手に思い描いていた妄想でしかないということもきちんとこの映画では描かれます。

 

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女性は怖い。うちの奥さんも怖い(笑)何を考えているかわからない!

『ブルー・バレンタイン』もこれがテーマの一つになっていましたが、男はどこまでもロマンティックです。

それに対して、女性は極めてリアリスティック。

うちの奥さんも見ていても、つくづく思います。

でも『(500)日のサマー』は絵に描いたようなロマンティック青年のトムの視点だけですべてが展開していきます。

うちの奥さんはこれを観て「イライラする!」と言ってました(笑)

そう、男は勝手なんです。

勝手に自分に都合のいいように解釈して、「きっとそうなんだろう」「絶対そうに違いない」と思い込んでいます。

 

特に恋愛に関しては。

でも現実はそんなに甘くない。女性は男とはまったく違うことを考えていたりするんです。だから女性は怖い。

うちの奥さんも怖い(笑)

いいですか、世の男性諸君。

女性は何を考えているかわからないものなのですよ。

 

どんなに愛を誓い合ったとしても君が彼女を魅了し続ける存在でい続けなければ愛なんて簡単に消えてしまうものなんですよ。

でもこの映画のトムも(かつての僕も)、そんなこと夢にも思っていない。おめでたい奴です。

それで彼女はいつまでも僕のそばにいてくれものだと勝手に思い込んでいる。

でもね、あなたの隣にいる人の心の中はあなたにはわからない。

男はいつまでもロマンティストなんです。

だからある日突然、女性から『現実』ってやつを突きつけられることになるんです!

 

 

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女性の方が男よりも一枚も二枚も上手(うわて)

女性ってとにかく不思議な存在。

「愛している」と言ってみたり、そうかと思うと突然「嫌い」と言ってみたり。

無邪気に笑っていたかと思うと、突然泣き出したり。

自分に気があるそぶりを見せたかと思うと、誰か他の人とイチャイチャして見せたり。

主人公のトムも散々サマーに振り回されます。

『(500)日のサマー』のおもしろいところはこのサマーという女性が一切つかみどころがないというキャラクターになっているところ。

いったい彼女は誠実なのか、それとも違うのか? 

天使なのか、悪魔なのか? 

頭がいいのか、頭が悪いのか? 

 

自分のことを認めてくれているのか、それともバカにしているのか?

よくわからない…

でもそれが彼女の最大の魅力だったりする。

謎があるから惹かれるってことあるよね? 

逆に何の謎もなく、一点の曇りもない人ってあまり面白くないし、魅力的じゃない。

「振り回されたくない」「安心したい」という想いがある一方、どこかで「振り回して欲しい」「ドキドキ・ワクワクしたい」という気持ちもある。

サマーはそんな男性の心理を知り尽くしています。

そして、男はいつも女性の手の中で転がされるんです。

女性って本当にスゴイんです。

男は単純バカです。

 

彼女たちの方が僕らなんかより一枚も二枚も上手なんです。

 

 

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男性の「わかってなさ」がよく出ている僕の大好きな会話シーン

僕はこの映画の中でこの最後の会話シーンが大好き。

お店に入って、朝食にパンケーキを注文するところから二人の口論が始まります。

ここに男がいかに女性のことをわかっていないか? 

男がいかに勘違いした生き物であるか?がよく出ています。

自分では主導権を握っているつもりでいたとしても、それは大きな勘違いだったりする(笑)

女性は強いんです!

  • サマー:これは普通のことよ。
  • トム:普通?そんなことはどうだっていいんだ。僕は幸せだ。君は幸せかい?
  • サマー:あなたは幸せね。
  • トム:君は違う?
  • サマー:いつもケンカばかり。
  • トム:本当に最悪だ。
  • サマー:全然驚くことじゃないわ。ここ数か月私たちはシドとナンシーのようなものだもの。
  • トム:シドはキッチンナイフでナンシーを7回も刺した。僕たちの間には見解の相違があるようだ。僕は自分がシド・ヴィシャスだとは思わない。
  • サマー:違うわ、私がシドよ。
  • トム:それなら、ぼくがナンシーってこと?

パンケーキ到着!!

  • サマー:さあ食べましょう、後でまた話しましょう。ウーン、おいしい。ふたりで食べられてうれしいわ。このパンケーキが大好き。

トムが店を出ていく。

  • サマー:なによ。トム行かないで。私たちはまだ親友でしょ。

 

 

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恋とはいつも未知なもの

『(500)日のサマー』の中でもサマーは突然トムから心が離れていきます。

その理由も語られることはありません。

すべては謎です。

でも、これって現実ですよね。

 

みなさんも失恋した時って意外とこんな感じじゃなかった?

「これこれこういう理由でこうなった」って説明できます?

恋とはいつも未知なもの。

なぜ彼女が僕から気持ちが離れていったのか? 

細かい部分に関しては思いあたるフシはあるけれど、根本的な部分ではよくわからない。

『ブルー・バレンタイン』でもそれは出てきますね。

女性はいったい何を考えているのか、男はわかってるようでわかっていないんです。

 

オレのどこが悪かったんだ? 教えてくれ

悪いところがあったら、これから直すようにするから!

 

『ブルー・バレンタイン』でもそんな風に奥さんに懇願するシーンが出てきます。

でも「教えてくれ!」と言うってことは、『わかってない』ということでもあります。あるいは本当はわかってはいるんだけど、「それを認めたくない」「それを見たくない」ということなのかもしれません。

男はいつも勝手なんです。勝手に自分の都合のいい妄想を抱いているんです。その妄想を自分の隣にいる人と共有しているものだと勝手に思い込んでいる。

でも、女性は違う。実は全然共有なんかしていない…。

 

 

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まとめ

とにかくこの映画はスイートで、ビター。

ポップで、辛辣。軽くて、深い。

ファンタジックで、現実的。ロマンティックで、リアリスティック。

それはヒロインの「サマー」そのものです。でもよく考えてみたら、僕らの現実もそうなんじゃないだろうか。

現実も決して単純じゃない。まわりにいるのは一筋縄ではいかない人物ばかり。

だから僕らは「シンプルなもの」に惹かれちゃうのかもしれない。現実があまりにも複雑すぎるから。

トムは確かに夢見がちでロマンティックで勝手な妄想を抱いているだけの青年かもしれない。だけど、「夢でも見なくちゃ、この現実はあまりにも辛すぎるじゃないか!」という気持ちもわかる。

フワフワしていて確かに頼りないかもしれないけれど、それが逆にいい展開をもたらすってこともある。

柔よく剛を制す』とはよく言ったものです。

ラストシーンでサラッと描かれる「ちょっとした希望」は、そういったことを表現してるんじゃないかな?って勝手に僕は思っている。

夢見がちでもいいじゃない。フワフワしてるから、自由に動くことができるんだよ。

自由に動くことができたから、『新しい出会い』に出会うことができるんだよ。

よく考えてみたら、「何かが終わる」ということは「何かがはじまる」ということとイコールなこと。

夏が終わったからって季節が終わりになるわけじゃない。

「サマー(夏)」は終わったとしても、次は「オータム(秋)」がやって来るんだよ!

 

nemuikedonenai.hatenablog.com

 

www.mylifeismovie.com

 

 

 

 

▼ 映画に関してこちらでも記事にしていますので、ぜひ見ていってくださ~い♪

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