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シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。本当の豊かさは高い収入でもモノでもなく「自由な時間だべや」という信念のもと、なまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

アパートの大規模修繕工事をやる際に注意しておかなければならない3つのこと


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物件選びをしていると、ときどき「磨けば光る」という物件に出会うことがあります。アパート経営における「磨く」ということは『大規模修繕工事をする』ということを意味しています。

建物の外も、部屋の内部もひっくるめて手をかけ、そのアパートをよみがえらせるのです。

僕も8部屋中1戸しか入居者のいない鉄骨造のボロボロ物件を、800万円かけてよみがえらせた経験があります。800万円という金額は確かに痛かったけれど、そのおかげで毎月安定したキャッシュフローをもたらせてくれています。その800万円は3年で回収しました! 

今回は大規模修繕工事とは何か? 大規模修繕工事の内容や、周期と費用…など大規模修繕工事全般について解説してみようと思っています。

目次

アパートの大規模修繕工事の周期と費用

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「あくまでも参考程度に…」ですが、大規模修繕工事をした場合の費用の目安をまとめてみました。

 

工事内容時期の目安費用の目安
屋上防水の補修工事 12~18年ごと 8,000~12,000円/㎡
外壁補修工事 10年~15年ごと 1,000~30,000円/㎡
バルコニーや開放廊下の防水補修工事 10年~15年ごと 6,000~8,000円/㎡
給水ポンプの取り替え 12~18年ごと 150~200万円
給湯器の交換 10~15年 8万円/台
エアコンの交換 10~15年 10万円/台


…いかがでしょうか? 外壁工事をやるとなると(内容や物件の大きさにもよりますが)、だいたい300万円~500万円は見ておいた方がいいということがわかりますね。屋上の防水シート工事費用だけでも、約100万円~200万円。

たしかに多額の費用負担です。でも一回でもその工事をやってしまえば、しばらくのあいだは大きな支出はありません。これにより、長期保有に耐えうる物件になり、安心してアパート経営ができ、長期計画も立てやすくなります。

アパートの大規模修繕工事をやるべき時期とは?

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アパート経営をする場合は、大規模修繕工事をやるタイミングが重要となります。もしも「思ったよりも稼いでくれない…」という物件を購入してしまって、あなたが後悔しているのならば、そんな物件にお金をかける必要はありません。

そういう物件は早々に手放すことを検討するか、「何か起きたら、その都度、応急処置で対応する」といった程度のスタンスでいいでしょう。なんでもかんでも大規模修繕をすればいいというわけではないのです。

利益も生んでないような物件に何百万円もお金をかけるなんて自殺行為に近いものがあります! 大規模修繕工事をしなければいけない物件とは、「手をかけさえすれば、ものの見事によみがえり、そのことによって、こちらに大きな収益をもたらしてくれる物件」です。

ここを見誤ると、費用対効果のバランスが崩れて、大変なことになります。確かに物件をキレイにすれば多少は入居率は上がるかもしれませんが、だからといって家賃を1万円も、2万円もアップできるわけではありません。

せいぜい5,000円アップがいいところじゃないでしょうか? たとえ、家賃が5,000円ほどアップしたところで、大規模修繕工事にかけた何百万円というお金を回収できるでしょうか? 

もしも「何十年経っても、とても回収できそうにない」ということでしたら、大規模修繕工事なんてやるべきではありません。

「あえて大規模修繕工事はやらない」というやり方もある

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ベテランの大家さんクラスになると、「あえて大規模修繕工事なんかやらない」という人もいます。手を加えなければ、確かに物件は古いままです。だけど、「その代わり、家賃を下げて募集する」というやり方を採用している大家さんもいます。

このやり方だと、入居者の質も悪くなるし、家賃が低いのでリターンも少ない。だけど、「それは覚悟の上だ」というわけです。このやり方を採用すると『大規模修繕にかかる何百万円というお金を失わずに済む』とメリットがあります。

大規模修繕工事とはそもそもどのような工事なのか?

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世の中には立地条件も良くて間取りも悪くないのに、なぜか空室が目立つという物件があります。その原因のほとんどが『アパートのオーナーが物件に手をかけていない』というものです。

磨けばいくらでも光るのに放ったらかしにしているのですから、そりゃ入居者が決まらなくて当然です。安定したアパート経営を実現するためには『ケチである』ということは致命的であったりします。

僕は大家さんの気前の良さと入居率は比例していると思っています。市場にはその物件が本来持っている魅力を十分に発揮できないまま、安い値段で放出されている物件というものが多々あります。目のこえた大家さんならばそういった「磨けば光る物件」というものを簡単に見つけます。

そして、そういう人は瞬時に『大規模修繕工事をしたら、どのくらいかかるだろうか?』ということを計算します。良さ気な物件が見つかったら、すぐさま知り合いの大規模修繕工事を手掛ける業者さんに見積もりをとります。そして物件代金と照らし合わせて購入すべきかどうかを判断します。

僕がやった大規模修繕工事について

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僕も「磨けば光る物件」というものを発見し、大規模修繕工事をやった経験があります。その物件は鉄骨造2階建てのアパートでした。部屋数は8部屋あり、全室分の駐車スペースが確保されていました。

立地条件も申し分なく、部屋も間取りも悪くありませんでした。問題は「あまりにもボロボロすぎる」ということでした。僕が見つけたときは8部屋あるうちの1部屋しか埋まっていませんでした。

普通ならば、そんな物件誰にも見向きもされません。案の定、その物件はかなり前からインターネットに掲載されっぱなしで、一向に売れる気配もありませんでした。しかし、僕には「問題を取りのぞきさえすれば、問題は解決する」という確信がありました。

つまり、『大規模修繕工事をすれば、その物件は蘇るはずだ』という確信があったのです。

買い付けを入れ、こちらの指し値を伝えると、あっさりと承諾してもらえました。ほとんど土地の値段に近い金額でした。銀行から融資してもらい、工事が着工され、約4ヶ月後、無事何事もなく工事が終わりました。

ちょうど繁忙期が本格的に始まる前(2月上旬)に工事が終了しましたので、僕の見立て通り、3月の終わりごろには一気に満室になりました。それまで8部屋中1部屋しか埋まっていなかったのに…。

以前の所有者はそのよみがった姿を見て、どう思ったでしょうか? 物件選びをする際には「現在の状態」だけで判断するべきではないと改めて思いました。

大規模修繕工事の内容とは?

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僕が行った大規模修繕工事は建物の外から、部屋の中まで多岐にわたるものでした。部屋の内部もフル・リフォームです。キッチンも新品のものに取り替えました。床も畳のものからフローリングに貼り替えました。

クロスも全部はがして新しいものを貼りました。玄関のタイルもテラコッタ風のものに替えました。給湯器も新しいものに変え、トイレもウォシュレットに変更しました。それでも部屋の内部だけだったらそれほど大きな金額にはなっていませんでした。

しかし、手を入れなきゃいけないのは部屋の内部だけではありません。建物の外も手を加える必要がありました。そして、その建物の外にかかった費用がとても大きなものになってしまったのです。

足場を組んでところどころ穴のあいたボロボロの屋根もキレイに補修する必要がありました。外壁も高圧洗浄してペンキも塗り直しです。サビが広がって危険な状態になっていた外階段も塗料の塗り直しです。

部屋のドアも全部、新しいドアに変更しました。etc…。これだけのことをやったことはもちろん今まで一度もありませんでした。「大規模修繕工事というものは、これほど大変なものなのか…」ということを僕はその時はじめて知りました。

大規模修繕工事スケジュールと、進め方は?

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大規模修繕工事の着工は基本的には『融資が実行されてから』となります。要するにお金の支払いがちゃんとなされなければ業者も動けないということです。

もしも工事を着工してしまった後に「実はお金が用意できません」なんてことになったら、大変です!

僕の場合は大規模修繕工事にかかる費用が『800万円』と算出されました。お金持ちの大家さんでしたら、ポンっ!と800万円ぐらいポケットマネーから出せるのもしれませんが、僕みたいな脱サラ組の貧乏大家にはとても用意できる金額ではありません。

当然のことながら物件代金と合わせて、その大規模修繕工事にかかる費用も銀行にお願いすることになります。銀行は当然、嫌な顔をします。銀行は「物件代金以外の費用までは、なるべくならば融資したくない」と考えています。

だけど、こちらとしても必死です。大規模修繕工事をしないと物件が蘇ることはないということだけははっきりしています。だから簡単に引き下がるわけにはいかないのです。

僕は必死になって「この物件がいかに磨けば光る物件なのか」ということを融資担当者に訴えかけました。その熱意もあってか、物件代金と一緒に大規模修繕工事にかかる費用も銀行から融資してもらえることになりました。その後、融資実行と同時に大規模修繕工事も着工され、約4ヶ月にわたって工事は行われました。 

大規模修繕工事のトラブル

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今年(2015年)、横浜市内のマンションで、建設時のずさんな基礎工事のせいで建物が傾き、それがニュースとして大きく報道されました。

このニュースは僕らアパート・マンションの大家にとっても、まったく人ごととは思えません。もしも自分たちが所有している物件が、今回の横浜のマンションみたいな傾きが発生したら…そう思うと、夜も眠れないほど心配になります。

確かに賃貸と分譲の違いはありますが、「人が住んでる」という意味においては同じです。これから物件を購入する際には、地盤や基礎工事のことについてもわかる範囲で調べる必要があると痛感させられた事件でした。

これからこの事件がどう発展していくのか、まったく予測不可能です。しかし、少なくとも今のところ対象のマンションは、大規模修繕工事で処理するのではなく、『建て替えをする』という方向で調整されているようです。

たぶん今回問題になったのが基礎工事の部分で、それは「大規模修繕工事をしたとしても、根本的な問題解決にはならない」と判断されたのだと思います。これを僕らがやっているアパート経営に置き換えたら、ゾッとしますね…。

建て替えなんて、到底不可能ですから。