シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

やがてやって来る大規模修繕工事のために修繕費は必ず積立しておけ!


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アパート経営とは物件が商売道具ですので、当然その商売道具のメンテナンスは必要になります。しかし、そのメンテナンスにかかる工事費や修繕費が時には膨大な金額になり、そのことが経営自体に悪い影響を及ぼしてしまうこともあります。

健全なアパート経営をするためにも、修繕費は毎月きちんと積み立てておかなければなりません。

では、いったいどのくらい積み立てておけばいいのでしょうか? なおかつその工事にかかった費用は単年度の経費として全額落とすことが認められていません。その場合、いったいどのような会計処理をすればいいのか? 

…などについて解説しています。

目次

アパート経営で積み立てておくべき修繕費の目安

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工事費や修繕費などはアパート経営をやっているとほぼ毎月発生します。だからその分を見越して、きちんと積み立てておく必要があります。

僕はいつも『利益の20~25%ぐらい』を積み立てるようにしています。別口で口座を用意して、毎月そこに貯金するようにしています。ですから100万円の利益のある月だったら、20万円~25万円ぐらいは将来の工事費・修繕費に消えていってしまうということになります。

儲かったからといってそのすべてがフトコロに入るというわけではないのです(泣)

外壁修理費などは、なぜ毎月積み立てておく必要があるのか?

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建物のメンテナンスにかかる費用も頭に入れて、きちんと積み立てておかないと、健全なアパート経営というものができなくなっていきます。とくに「外壁の修理費用」などは足場を組みますので、相当な金額を用意しておかなければなりません。

また空室が発生した場合、その部屋の内部をキレイにリフォームする必要があります。今、物件は飽和状態で、部屋探しをする人はいい物件・いい部屋を選び放題です。とくに札幌のような賃貸激戦区の場合、部屋をキレイにリフォームしてから募集をかけなければ入居者は決まりません。

これらにかかった費用はすべてアパートのオーナーの収益をジワリジワリと圧迫してゆくことになります。とくに複数の物件を所有していた場合、「今月、工事代金が0円だった」なんて月は、ほとんどありません。

物件を購入するときにはこれら工事費・修繕費が必ず発生することを頭に入れておかないとアパート経営は失敗します。これらの費用は意外とバカになりません。年間を通してみてみると、工事費・修繕費だけで相当な金額になっています。

本当はそんなもん払いたくはないけれど、そこをケチっていたら、ますます入居率が悪くなる一方です。だから僕たちオーナーは泣く泣くその費用を収益の中から出しているのです。

アパート経営における「修繕費」とは?

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アパート経営をするうえでいつも頭を悩ませる問題が『工事費(修繕費)』です。相手は建物なのでどうしたって経年劣化していきます。どんどん古くなってゆくと当然のことながらあちこちが痛んできます。

毎日、雨・風・雪にさらされているので屋根や外壁は放っておいたら、どんどんボロボロになっていきます。水道管も古くなっていきますので、しょっちゅう凍結したりするようになります。

新築物件や築年数が浅い物件ならば、それほどメンテナンスに気を配る必要はないかもしれませんが、古い物件などの場合はいつも「何か起こるんじゃないか…」とヒヤヒヤしてしまいます。

修繕費の勘定科目と、会計処理の仕方について

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アパート経営をやっていて修繕・工事に要した金額は勘定科目でいれば『修繕費』という名目になります。経費として認められているわけですから、「全額、経費として落としてもいいだろう」とついつい考えてしまいますが、ちょっと待って!

「修繕費」という勘定科目のやっかいなところはここです。こちらとしてはアパート経営をしてゆくうえでかかった修繕費や工事費は「降って湧いたようなもの」であり「なくてもいいもの」と解釈しています。

つまり『ネガティブなもの』として捉えているわけです。ところが税務署の見解はそうではありません! なんと彼らは物件の価値を高めた『ポジティブなもの』と解釈するのです。

「えぇー!?」という感じでしょ? 僕も最初そのことを知ったとき、納得できませんでした。でも、そうなのです…。

税務署がチェックする際の修繕費の判定基準とは?

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僕らと税務署とのあいだの「修繕費」をめぐる見解には明らかに『見解の相違』というものが存在しています。彼らは「修繕をした」「工事をした」ということは、『前の状態よりも良くなっているでしょ?』 と考えます。

手をかけたんだから、グレードアップしたんでしょ?と…。

こちらとしてはグレードアップどころか「自分のフトコロを痛めた…」という感覚です。出来ることならばそんな工事代金なんか払いたくなかったんですから…。だけど言われてみれば、その工事をやったことによって「以前の状態よりも良くなった」ということは事実です。

だってそうして手を加えたことにより前よりも良くなったから、建物の見栄えも良くなったし、入居者も決まったわけなのです…。

資本的支出とは何か? 修繕費と減価償却について

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「修繕費」の取扱いについてどこまでが経費として認められて、どこまでが経費として認めてもらえないのか? 国税庁のホームページをみますと、このようになっています…

  • 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
  • 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
  • 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額


これを見ますと、すべての工事代金が『物件の価値を高めるためにグレードアップをした』と税務署に解釈されるわけではないようです。工事内容によっては経費として堂々と胸を張って落としてもいい場合もあるということです。

たとえば水道凍結などの突発的な工事は「通常の取り替えの金額」に合致しているでしょう。しかし気を付けなければならないのは「工事にかかった費用なんだから、全部経費として落としてもいいんだろう」と安易に考えてしまうことです。

税務署から「全額経費として認められない」と言われた場合の対処法

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税務署のほうから「これは経費として認められないよ」と指摘され、当初予定していなかったお金を支払うことになってしまった!…なんてことも起こりえるのです。だけど税務署から「経費としては認められないよ」と判定されたものは今後一切経費として認められないのか? といえば、そんなことはありません。

そういった工事・修繕費は『資本的支出』として「減価償却」をすればいいのです! 

つまりその年に「全額経費」としては落とすことはできないけれど、何年かに分けて経費として落とせばいいということです。一般的には「20万円がボーダーライン」といわれています。

20万円未満であれば修繕費として扱うことができるというわけです。20万円を超える場合は「資本的支出」とみなされる恐れがありますので注意が必要です。ただし修繕費の取扱いは非常に複雑で、かつ微妙なところがあります。

見る人によってさまざまな解釈ができるものなので、必ず会計士の先生と相談しながら会計処理をすすめていくようにしましょう!