シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

自己サブリース方式を導入して自分の会社に一括借上させる節約方法


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この自己サブリース方式とは、新しく設立した会社法人が、物件の所有者であるあなたが所有している物件を一括で借り上げる方式のことをいいます。

一括借上げした法人は、入居者を募集し、借家人に転貸します。一括して物件を借りることになるので、会社の方は毎月決まった額を大家さん(つまり、あなた)に支払う必要があります。

大家さん(あなた)からみると、いわば『家賃保証』してもらっているようなものなので、安心感が得られるというわけです。よくCMなどでやっている「家賃を一括して借り上げる」というやり方がこれです。

今回はこの自己サブリース方式を採用した場合のメリットとデメリットについて解説してみたいと思います。

目次

自己サブリース方式のメリット

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不動産管理会社を設立する方式との違いは、法人が大家さんから物件そのものを一括して借りるところです。

管理会社を設立する方式の場合は、大家さんから物件の管理を委託され、「その対価として家賃総額の何%かを管理手数料として受け取る」という方式でした。この方式を採用しますと、空室が発生リスクはあくまでも物件の所有者(大家さん)が負担することになります。

ところが、自己サブリース方式を採用した場合、空室の発生リスクを負うのは法人の方です。法人とのあいだではきちんと契約書を取り交わしますので、大家さんは毎月決められた額の家賃を受け取ることになるのです。

法人の方は、大家さんに支払わなければならない家賃が決まっているので、借家人からはそれ以上の金額を回収しなければ利益が出ません。借家人から受け取る家賃と大家さんへ支払う家賃との差額が『法人の利益』となります。

大家さん側からみたメリットとしては、家賃保証による安心感にプラスして、節税のメリットもあります。借家人からの受け取り家賃と、大家さんへの支払い家賃の差額を大きくして、法人の方が儲かるようにすればそれだけ「大家さんの所得分散がなされた」ということになります。

法人は自分で立ち上げたものなので、身内のようなものです。所得が分散されればされるほど、税金の支払いは少額で済みます。

日本は累進課税制度ですから所得が高ければ高いほど税金も高くなってしまう仕組みなのです。このやり方を採用することにより、大家さんは家賃保証による安心感と、節税効果の両方が得られるのです。

自己サブリース方式のデメリット

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物件の所有者である大家さんの税金(所得税や住民税)を安くするためには、なるべく法人の利益を大きくする必要があります。

法人の利益が増えるということはそれだけ「所得が分散された」ということを意味します。所得が分散されればされるほど大家さんの所得が減り、税金の負担が少なくて済むということになります。

では自己サブリース方式を採用した場合、『大家さんの所得を減らし、法人の利益を大きくする』ためにはどうすればいいでしょう? それは、法人が毎月大家さんに支払う家賃をなるべく少なくすればいいのです。

しかし、あまりにも極端に低い家賃保証額だった場合、税務署から指摘される可能性があります。

一括借り上げしている物件の家賃が少なければ少ないほど法人は儲かることになります。いっぽう、大家さんの方は受けとる家賃が少なくなればなるほど節税効果があります。…ということは、『一括借り上げしている物件の家賃設定をなるべく少なくしちゃえばいい!』という話になるわけです。

ところが、あまりにも家賃設定が少額であった場合、税務署の方で指摘される可能性があるのです。極端に少ない金額設定にしていた場合などは、「これは税金逃れをするためにやっているんじゃないか?」と疑われてしまいます。

ここが自己サブリース方式を採用した場合の注意点です。

では、家賃設定はいくらぐらいなら適正な金額といえるのでしょうか? 僕はだいたい『法人が入居者から受け取る家賃の8割程度』が妥当なところだと思っています。つまり、もしも法人が入居者から毎月だいたい100万円の家賃をもらえるとしたら、大家さんに家賃保証する金額は80万円ぐらいがいいところなのではないか? と思っているわけです。

それが、もしも家賃保証金額が50万円だったとしたら、「ちょっと、おかしい…」というなるでしょう。個人のままでいれば100万円の家賃収入が見込めたのに、わざわざ法人を設立してまで受けとる家賃がその半分の50万円というのは誰がどう考えても不自然です。

ちなみに「家賃保証」をうたって、地主などに新築アパートを建てさせ、それをビジネスにしている建設会社は世の中にたくさんあります。彼らは『85%~90%ぐらいを家賃保証をしている』といわれています。

今回は自分で設立するわけですから、言ってみればいわば「身内内取引」です。…一応、「身内」という事情も加味したうえで考えるとしても、やはり家賃保証する金額は80%ぐらいが妥当なところなのではないでしょうか?