シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

贈与税がかからない方法として注目したい相続時精算課税制度


f:id:orange345:20161108105040j:plain

平成15年に贈与税に関する税制改正があり、相続時精算課税制度というものが導入されました。

これは生前贈与のひとつのやり方で、贈与する財産が2,500万円までだったら無税で贈与できるよ!というものです。

これにより、子や孫に自分のお金や財産を一気に贈与したい!と考えてる人は、2,500万円だったら贈与税のことを考えなくてもよくなったのです。

しかも、もしも2,500万円を超えたとしても、一律20%の贈与税を払えばOK。

20%という税率は、高いことで有名な贈与税としては破格に安い税率です。

現金や不動産などを一気にまとめて短期間に贈与してしまいたい、と考えてる人にはおススメの生前贈与のやり方です。

▼詳しくはこちらをチェック

目次

相続時精算課税制度の特徴

この制度を利用するためには、税務署に届け出が必要になりますので、要注意です。

具体的には贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までのあいだに、『相続時精算課税選択届出書』というものを提出しなければなりません。

もしも贈与を受ける人が複数いた場合であっても、その一人ひとりがこの制度を利用することができることになっています。

つまり、もしも財産を贈与したい子や孫が2人いた場合、2,500万円×2人=5,000万円までだったら非課税で贈与できるというわけです。

ちなみに贈与する財産の種類や金額、贈与する回数には制限がありません。

1年間で2,500万円の枠を使い切ってしまってもいいし、数年間に分けて少しずつ贈与していってもいいことになっています。

ただし、もちろんその都度、税務署への届け出が必要です。

また贈与する理由が、「住宅取得のための資金の贈与」だった場合、この2,500万円に1,000万円がプラスされ、3,500万円まで非課税で贈与できることになっています。

▼関連記事

www.nonbiri-happy.com

www.nonbiri-happy.com

相続時精算課税制度を利用するための条件

この相続時精算課税制度を利用できる人には制限が設けられています。具体的には次の2つの条件をクリアしなければなりません。

  • 贈与する人 ⇒ 60歳以上の父母、または祖父母
  • 贈与される人 ⇒ 20歳以上の推定相続人、または孫

 

…いずれの年齢も贈与をした年の1月1日の時点が基準になっています。

人数の制限はありませんので、もしも条件さえ満たせば、贈与する人が何人であっても、また贈与される人が何人であってもOKとなっています。

▼関連記事

www.nonbiri-happy.com

www.nonbiri-happy.com

相続時精算課税制度の注意点

相続時精算課税制度を利用するときに注意しなければいけないのは、この制度は決して相続税対策になるわけではない、ということです。

この制度はあくまでも「生きてるあいだに相続を済ませておこう」という趣旨の生前贈与です。

言ってみれば、前倒しして相続してしまうだけのことなのです。

だから、実際に贈与した人が亡くなった場合、生前に贈与した分もひっくるめて相続税が計算されます。

その計算の結果、相続税がかからない範囲内であればOKですが、もしも相続税が発生することになった場合であっても文句は言えないのです。

だから、この相続時精算課税制度というのは相続税がかからない程度の財産しか持っていない場合や、何らかの事情により、とにかく一気に短期間に財産を移転したい!と考えている人以外は、あまり効果がないという言い方もできます。

贈与する人が存命のうちはいいけど、相続するときにがっぽり相続税がかかったら、結局は同じことですよね。

つまり、相続時精算課税制度を利用して生前贈与を受けたとしても、その分は相続税を計算するときに加算されてしまうということになるのです。

これは誤魔化すこともできません。なぜなら、そもそも相続時精算課税制度を利用するためには、税務署への届け出が必要だからです。

この制度を利用するときは、そのメリット・デメリットをよくよく考えてから利用するようにしましょうね!

▼関連記事

www.nonbiri-happy.com

相続時精算課税制度を利用した場合のシミュレーション

贈与税の計算

【条件】

毎年1,000万円ずつ、4年間(合計4,000万円)にわたって贈与が行われたとして…

  • 1年目 1,000万円 ⇒ 非課税(2,500万円の範囲内)
  • 2年目 1,000万円 ⇒ 非課税(2,500万円の範囲内)
  • 3年目 1,000万円 ⇒ 500万円が課税対象(500万円×20%=100万円)
  • 4年目 1,000万円 ⇒ 全額が課税対象(1,000万円×20%=200万円)

【結論】

贈与税の額=500万円×20%+1,000万円×20%=300万円

 

相続税の計算

【条件】

相続財産が1億円で、相続人が1人だったと仮定して…

  • 相続税の対象 ⇒ 相続財産1億円+贈与財産4,000万円=1億4,000万円
  • 基礎控除額 ⇒ 5,000万円+1,000万円×1人=6,000万円
  • 課税遺産総額 ⇒ 1億4,000万円ー6,000万円=8,000万円

【結論】

相続税額=8,000万円×30%ー700万円=1,700万円


【これに先の贈与税分を差し引くと…】

納付する税額=相続税1,700万円ー贈与税300万円=1,400万円

 
▼関連記事

www.nonbiri-happy.com

相続時精算課税制度のメリットとデメリットまとめ

メリット

  • 相続する人がなくなって実際に相続が発生する前に、大きな金額の贈与を完了させることができる
  • 相続が発生した時の不動産その他の名義変更などにかかる手間や費用を減らすことができる
  • 現金を贈与することによって、子・孫世代がかかえる住宅ローンなどの家計負担を減らすことができる
  • もしも贈与した資産が値上がりしそうな場合、子・孫世代の資産価値を増やし、自身の相続財産を減らす効果がある

 

デメリット

  • この制度を一度選択してしまったら、もうひとつの生前贈与のやり方である『暦年贈与』が使えなくなる
  • 贈与時の価格で相続税額が決まってしまうので、贈与資産が値下がりすると相続時に不利になることがある
  • 現金を生前贈与した場合、それを相続発生時までに使いきってしまって、いざ相続が発生したときに相続税が払えなくなる恐れがある
  • 将来、相続税の税制が変わってしまった場合、相続税額が増える可能性を否定できない 

▼関連記事

www.nonbiri-happy.com

敏腕税理士徹底解説!「贈与」を使って相続税をとことん節約する8つの方法

敏腕税理士徹底解説!「贈与」を使って相続税をとことん節約する8つの方法

 
相続・贈与・節税 完全ガイド 週刊ダイヤモンド 特集BOOKS

相続・贈与・節税 完全ガイド 週刊ダイヤモンド 特集BOOKS