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シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

2017年度版「持ち家か? 賃貸か?」論争について大家の立場から思うこと


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不動産の世界を長年生きてきた僕の立場から言わせてもらうのならば、今「持ち家」を持とうとすることはかなり危険なことだと思います。

確かに住宅ローンの金利は史上最低の水準になっています。

でもだからといって、不動産の価格が高騰しているこの時期にローンを組む必要はない。

ハウスメーカーや不動産会社の営業マン、銀行員の言葉を真に受けてはいけません。

  • 持ち家か、賃貸か?

__この議論は昔からずっと続いてきました。

僕は『定期借地』という非常にレアな選択をした人間なので、この問題に関してはなかなか微妙な立場です。

でも「リスク」のことを考慮した場合、今は賃貸にしておいた方がいいと思っています。

今は不動産を取り巻く環境が激変している時期です。

__こういう時は下手に動かない方がいい!

今回はこの「持ち家VS賃貸」問題について書いてみたいと思います。

目次

持ち家も、賃貸も、トータルしてみればさほど変わらない

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なんとなくイメージ的に「賃貸は損だ」という印象をお持ちの方も大勢いらっしゃると思います。

でもコストの面から考えたら「持ち家にするにしても、賃貸にするにしても、トータルすればそれほどの違いはない」ということをご存じでしょうか?


よく「払っても払っても自分のものにならない家賃を払うのは損だ」という言い方をしますよね?

でも、この考え方というのは根本的に間違っています。

賃貸に住めば、銀行に金利を払う必要もありませんし、税金を払う必要もありません。

屋根や外壁、外構工事などにお金を払うこともありません。

持ち家の場合、確かに住宅ローンを払い終われば自分のものになりますが、それは35年後の話。

それまでの期間は銀行の抵当がついていますから、完全に自分のものになるわけではありません。

もしもその35年間のあいだに住宅ローンが払えなくなったり、固定資産税を滞納したりなんかしたら、家はあっという間に没収されてしまいます。

賃貸は圧倒的に気がラクです!

何千万もの借金のプレッシャーに苦しむ必要もありません。

もしも隣近所に気に入らない人がやって来たら、気軽に引っ越することもできます。

もしも経済的にピンチになったら、もっと家賃の安いところに移ることもできます。

でも、持ち家の場合はこういうわけにはいきません。

タワーマンションの外壁工事って、一体どのくらいするんだろう?

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結婚するより大変なのは、結婚生活を維持することです。

持ち家もこれと似ています。


家やマンションを手に入れるのは比較的カンタンなのです。

いちばん難しいのは、「いかにして長期にわたってそれをきっちり返していけるか?」ということ。


住宅ローンを払えなくなる人が今、どんどん増えていっているのをあなたはご存じでしょうか?

これは2014年のデータです。

失業・転職、給料の減少にともなって住宅ローンが払えなくなる人が増加しているのです。

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僕たちはこのような状況をどのように捉えたらいいのでしょうか?

銀行は住宅ローンを契約してくれる人を諸手を挙げて歓迎しています。

何でそういうことになったのかはこちらの記事を参考にしてもらうとして、

www.nonbiri-happy.com 

とにかく今は銀行の融資担当者は「もみ手を」して住宅ローンを借りてくれる人を待ち構えています。

こういう状態の時は、注意が必要です!

バブルの時というのはみんな浮き足立つものです。

テレビでも「タワマン」の特集がバンバン組まれていますよね。

でも、タワーマンションの外壁工事って、いったいどのくらいするんでしょうね?

うちの会社で持ってる3階建のボロ・アパートの外壁工事ですら結構したのに、あんな高層な建物の大規模修繕費って、いったいどれくらいするんだろう?

__ちょっと想像できませんね。

きっと天文学的な数字になるのではないでしょうか。

その外壁工事の代金というのは、本当にタワマンにお住まいのみなさんが毎月の積み立てている修繕積立金の中から賄えるのでしょうか? 

持ち家か、賃貸かという議論はもう古い?

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住宅ローン自体を組むことは今はそれほど難しくはありません。

問題は「本当に払っていけるのか?」ということです。

そっちの方が大問題です。

以前の日本だったら、真面目に働いてさえいれば会社をクビになることなんてまずありませんでした。


ところがグローバル化の波のなかで、年功序列終身雇用という日本の労働者を守る二本柱が崩壊。

加えて、労働組合も弱体化。

今は将来設計が描きにくい世の中になっています。

持ち家か、賃貸かという議論は、日本がまだ右肩上がりの経済成長を続けていた頃に誕生した議論です。

でも今はすっかりいろんなことが変わってしまいました。

もちろん、今だってマンションなどはものすごい勢いで売れ続けています。

地方の新興住宅街だって人が殺到して、抽選で決まったりなんかしてます。

大都市圏などでは、新築のマンションがあっという間に完売しちゃって、「モノがなくて困ってる」という話もよく聞きます。

それでも、僕はそこにある「リスク」を無視することはできないと思ってます。

「低金利」という甘い言葉に騙されるな!

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今、家やマンションに飛びついたサラリーマンや公務員の方々は、驚くほど高い買い物をする恐れがあると僕は思っています。


僕は不動産の世界に生きてる人間なのでよくわかるのですが、今、日本の不動産はものすごく高くなっています。

にも関わらず、金融機関はバンバン人々にお金を貸しています。

金融機関の住宅ローンに対する貸付総額は、バブルの頃に限りなく近づいているそうです。

これはいったい何を意味しているのか?

危ない!ということです。

僕は商売をやってる人間です。

商売の鉄則に、

  • 安く買って、高く売れ

__というものがあります。

つまり、高く買っちゃダメなのです!

これから家を買おうと思ってる人は「オレたちは商売をやってるわけではない」「自分が住んでいる家やマンションは商品ではない」と思うかもしれませんが、これも違います。


資本主義社会で生きている限り、ありとあらゆるものが商品となり、ありとあらゆるものには値段が付けられます。

だから、あなたが住んでる家やマンションも、立派な「商品」であるし、それを取り扱うあなたは立派な商売人なのです。

ところが、その商品をもし通常よりも圧倒的に高く買ってしまったらどうなるでしょう?

高く仕入れた商品というのは、必ず後で苦労することになります。

値段が高すぎて誰も買ってくれないのです。

一部の不動産業者やハウスメーカー、マンション販売業者などの度を越した煽りが時々、目に余るときがあります。

「史上最も安い金利」という謳い文句に騙されて、安易に35年も続くローンを抱えることのないように!

  1. 35年間という長さ
  2. 変動金利

__この2つはいったいどういうことなのか?

そのことをよくよく考えてから行動しましょう。

まとめ

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もう一度、繰り返しますが、僕は自分自身も住宅ローンを抱えている身ですし、不動産の世界で生きてる人間です。

だから、不動産を買うことは全部、ダメだと思ってるわけではありません。


ただ、なるべくならば皆さんには「いちばんいいタイミング」の時に不動産を買ってほしいと思っています。

そして、僕に言わせれば、今はそのいちばんいいタイミングではないような気がします。

それだけ今、異常なことが起きているのです。

つまり、それだけ今は「高い」ということなのです。

 

投資家のウォーレン・バフェットはこんなことを言っています。

 

我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ。

 

1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則

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