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シンプルに。自由に。

北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

新築アパートを建てることに僕がまったく興味がない理由


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不動産を持っていたりするとどこで調べたのか分かりませんが、建築会社から「新築アパート建てる気ありませんか?」という営業の電話がかかってきます。そして、彼らはふたこと目にはこう言うのです…「当社では家賃保証システムを用意しています。だから、安心ですよ!」。

…この業者の殺し文句にまんまと乗ってしまい、「家賃が保証されているなら、安心かも…」と安易に考えてしまう人が大勢います。冷静に考えてみたら、このシステムにはいろいろと矛盾点や疑問点があります。

建築会社さんだってバカじゃありません。完全に損をするのがわかっているのに、わざわざ「家賃保証」なんかしません。家賃保証をするには、家賃保証をするなりの『根拠』というものがあるはずです。

営業マンの人件費、豪華なパンフレット等にかかった経費、事務所の家賃、etc…。そのいっさいがっさいが、アパートを建てる建築費用に含まれています。当然、建築費用はべらぼうに高くなります。新築のアパートを建てる大家さんはそのような費用も全部ひっくるめてローンを組まなきゃいけないのです。

その建築費用は、目ん玉が飛び出るような金額です。だけど、一般素人の建て主さんは、そんなこと知りません。新築なんだから、それくらいかかるだろう…ってな感覚です。

目次

「長期にわたって家賃保証する」なんて本当にできるの?

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「家賃保証」とか「一括借り上げ」とかという言葉を聞いて、みなさんはいったいどんなイメージを持たれるでしょうか? 『もし万が一のことがあったとしても、業者さんが代わりに負担してくれる。』…そんなイメージを持たれる方がほとんどだと思います。

もちろん、建築会社の人は嘘を言っているわけではありません。一定の条件を満たしているあいだは、きちんと決まった額の家賃を保証してくれます。『一定の条件を満たせば』というエキスキューズつきですが…。

では、一定の条件を満たしていない場合はどうなるのでしょうか? …その辺りのことも、きちんと契約書に書いています。ただし、あまり目立たないところにですが…。

この世の中で、「半永久的なもの」なんて存在しうるでしょうか? ただでさえも手ごわい不動産投資の世界で、『半永久的に、未来永劫ずっと家賃を保証し続ける』なんてことが果たして本当に可能でしょうか? 

大企業だって倒産する時代なのです。そんなご時世に、ある一定の会社だけがずっと存続しつづけるなんてことが本当にできるでしょうか? 「家賃を保証する」ということを約束するということは、その会社が存続して続けることが前提となっています。では、その会社が倒産した場合は、うたっていた「家賃を保証する」という約束はどうなるのでしょうか?

ご存じのとおり、現在のアパート経営は大変な局面をむかえています。人口は減る一方なのに、アパートの数はいっぱいありすぎて、すでに飽和状態になっています。昨今の経済情勢もあいまって家賃を下げなければ入居が決まらないという状況が続いています。

新築アパートや、築年数の新しいアパートは、ある程度、家賃を高く設定しないとペイできません。だから、空室が続いているからといって簡単に家賃を下げて募集することもできないのです。

…その時点で、新築物件が不利なことがわかります。そうした厳しい賃貸市場のなかにおいて、本当に「ずっと家賃保証をする」なんてことを約束しちゃって、本当に大丈夫なのでしょうか? その制度がいつの日か破綻することはないのでしょうか? 

誰が考えたって、このシステムにはどこか無理があります。その『無理』は、いったい誰がどのようにカバーしているのでしょうか?

プロの大家さんほど新築物件には興味がないってマジ?

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新築アパートの建築をビジネスにしている建築会社さんはたくさんあります。彼らがこれまで倒産せず、家賃保証システムを継続してこれたのは『新築アパートを建てる人が、まだまだたくさんいるから』です。

逆に言えば、もしも新築アパートを建てる人が少なくなれば一気に秩序は崩壊するということです。本当にこれから先、その秩序をキープしていけるだけのアパート建築数をキープしていけるものなのでしょうか?

「新築のアパートを建ててもいい!」と考える人って、そんなにたくさんいるものでしょうか? 

こういった建築会社の営業の仕事はノルマが厳しく、人の出入りも激しいことで有名です。よっぽど優秀な人か、よっぱど精神的に強い人でなければ勤まりません。彼らが頑張って、ある一定数の新築アパートが毎年、建築され続けているあいだは大丈夫でしょう。しかし、人間のやることには限界があります。

市場が「NO!」と言っているのにもかかわらず営業マンの足腰だけ鍛えたってどうしようもありません。でも、営業マンが頑張ってアパートを建てる人を見つけてこなければ、すべての秩序が崩壊してしまうのです…。

賢い大家さんは、「新築アパートを建てよう」なんて発想はハナっから持っていません。営業マンがどんなに必死になってプレゼンしたとしても、首を縦にはふりません。

新築物件は利回りが悪いのです! 不動産投資のことを熟知している大家さんは、『利回りが悪い物件』というのには絶対に手を出しません。苦労するのがわかっているものをわざわざ所有しようとは思わないのです。

なぜ、新築物件は利回りが悪くなるのか? といえば、建築コストが高いからです。新築ともなれば、付帯設備もグレードの高いものを付けなければいけません。エアコンは当たり前。外構もオシャレにしなければ、高い家賃で募集はできません。

さらに、新築ともなれば固定資産税もバカになりません。消費税も上がりました。それやこれや、いっさいがっさいを入れて計算すれば、新築のアパートというのは、びっくりするほど低い利回りになってしまうのです。10%は確実に切るでしょう。

利回り10%を切る投資ということは不動産投資の場合、「あまりおいしい物件ではない」ということになります。新築で、ピカピカのグレードの高い物件を「持っている」ということは、なるほど確かに気持ちはいいかもしれません。だけど、僕らは商売をやっているのです。…そこを混同してはいけません。

不動産投資の魅力は、ほかの金融商品よりも高い利回りが期待できる点です。市場には、中古ですけど15%とか、18%とかの利回りのものがたくさんあります。なぜそれなのに、わざわざ10%を切るような利回りの物件に高いお金を払わなければいけないのでしょうか?

利回りの低いものをわざわざ所有する必要なんかどこにもないのです。だから、不動産投資という観点からみた場合、新築アパートを建築するというやり方は非常に割に合わないものであるといえるのです。