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北海道でアパートの大家業をしてます。4人家族。映画が好き。猫が好き。北の国でなまらのんびり生きてます。“every cloud has a silver lining.” したっけ!

不動産投資物件は利回りの計算だけで選ぶと大ヤケドをするこれだけの理由


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不動産投資とほかの投資法との相違点を挙げればキリがありません。でも、確かに違うところはいっぱいあるけれど、やっぱり不動産投資も「投資」であることには変わりありません。

投資である以上、『利回り』というものが重要な要素となってきます。何に投資するのかはさておき、投資家と呼ばれる人たちは、この「利回り」というものをとても気にします。

一般的に、利回りが高ければ高いほど、利益は高くなると言われています。いっぽう、利回りが低ければ低いほど、利益は低くなると言われています。

投資によって利益を得ている僕のような立場の人間がこんなことを言うのは、いささか矛盾しているように聞こえるかもしれません。僕はこの「利回りの高低」といった数字だけをみて行う投資スタイルがどうも好きになれません。

さて、それはなぜでしょうか? 今回はこの不動産投資と利回りの関係について、いろいろと解説してみたいと思います。

目次

不動産投資は『物』だけを相手にしている投資ではない

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「利回り」は不動産投資においてとても大切なものです。とくに物件を購入するか否かの段階においては、「利回り」は重要な役割を果たします。しかし、そういった表面的な数字だけ追いかけ、それだけで物事を判断してしまうと、不動産投資は失敗する傾向があります。

不動産投資は他の投資法とは一線を画する投資法です。不動産投資には、ほかの投資法にはない、独特の「人間くささ」や、「血の通った部分」というものがあるのです。そこがほかの投資法とのいちばん相違点であり、僕が不動産投資をいちばん気に入っているところでもあります。

僕たちアパートの大家が相手にしているのは、土地や建物といった『物』だけではありません。もちろん、『物』も相手にしなきゃいけないのですが、『人』の存在も忘れてはいけないのです。

アパート経営には必ず『人』が絡んできます。入居者、不動産会社の営業マン、銀行の融資担当者、内装業者さん、設備屋さん、etc…。みんな「人」です。これほどまでに頻繁に「人」と関わる投資スタイルは珍しいのではないでしょうか? 

それゆえにある程度、人間関係に強い人でなければ、アパートの大家さんにはなれません。人とコミュニケーションをすることが苦手なタイプの人は、不動産投資家にはなれません。

たとえ、物件をいくつか取得できたとしても、すぐにダメになってゆくパターンが多いのです。そこを理解しないまま不動産投資の世界に入ってゆくと、とんでもない大打撃を受けることになるかもしれません。不動産投資をほかの投資法と同じ感覚でやろうとしてもダメなのです。 

不動産投資の世界では利回り15%なんて珍しくない

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『利回り15%』と聞いて、あなたはどう思うでしょうか? ほかの投資法で、利回り15%なんて商品はあるでしょうか? まあ、中にはあるかもしれませんが、どうでしょう? それはとてつもなくハイ・リスクな商品ではないでしょうか? 

不動産投資の場合、利回り15%の物件なんていうのはザラにあります。インターネットをみれば、そんな利回りの高い物件を簡単に見つけることができます。地方都市などは土地の値段が安いため、物件価格自体が都会に比べてはるかに安くなっています。

物件価格が低ければ、それだけ利回りも高くなりますから、地方都市などでは15%以上の利回りを叩きだす物件がゴロゴロ出てくるのです。

単純に数字だけをみれば、そういった物件はとても魅力的に見えるはずです。今すぐにでも飛びつきたい衝動に駆られるでしょう。しかし、「急いては事をし損じる」です!

高い利回りをうたっている物件のほとんどが、『満室時想定利回り』です。満室時想定利回りとは、「部屋が満室になったら、これぐらいの利回りになるよ」という意味です。

逆の言いかたをすれば、「もしも満室にならなかったら、この利回りにはならないよ」という意味でもあるのです。不動産投資のことをよく知らない素人の人ほどこの利回りの高さに魅力を感じて、飛びついてしまう傾向があります。

「利回り15%なんて、スゴイ!」「こんなに利回りが高い物件は都会では絶対に手に入らない!」…といった具合に安易に考えてしまうのです。僕は利回りの高さだけで判断するのは大変危険だと思っています。

ご存じのとおり、地方は今、疲弊しきっています。いろんな意味で、都会とは状況がいろいろと違うのです。若者の都会への流出が、どの地方でも問題になっています。アパートに入居しようとする人というのは、若い人が圧倒的に多いのです。そのメイン・ターゲットである若者たちが、どんどん地方から都会へ流出していっている現状があるのです。

これはアパート経営にも大きく影響する問題です。そのような状況のなかで、常に満室経営をキープするというのは簡単なことではありません。ベテランの大家さんならばいろいろとテクニックやノウハウを持っているので、多少の空室の発生にも対応できるかもしれません。

しかし、アパート経営をはじめたばかりの素人が常に満室経営をするというのは、なかなか大変なことなのです。「利回り15%」を歌っていたはずのも物件も、満室でなくなった時点で「利回り15%の物件」ではなくなってしまいます。

ヘタをしたら、10%を下回る利回りになったりするかもしれません。その時になって、「こんなはずじゃなかった…」と嘆いても後の祭りなのです。 

表面利回りと実質利回りは違う

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また「利回り15%」をうたう物件のほとんどが『表面利回り』です。しかし、いちばん重要ななのは表面利回りの方ではなく、実質利回りの方です。で、実際のところ、手もとになんぼ残るの?…ということがいちばん重要なのです。

満室にするためには、部屋をキレイにリフォームしなければなりません。部屋が決まったら、不動産業者さんに広告料(AD)を支払わなければなりません。建物が古くなっていけば、屋根や外壁もボロボロになっていきますから、数年に1回大規模修繕工事をしなければなりません。

その他にも、家賃の値引き交渉もあります。家賃滞納する人もいます。…それやこれやを考慮したうえで改めて利回りを計算してみると、「15%」なんて利回りには絶対にならないはずです。

「利回り15%」というものは、表面利回りのことを言っているに過ぎないのです。「ふたを開けてみたら、全然違った…」ということになりかねないのです。

そう考えてみると、不動産投資というのはそれほど大儲けできるような夢の投資法ではないことがわかると思います。確かに「利回り15%」と聞くと、「すげぇ!!」と考えてしまいがちですが、よくよく考えてみると、そこにはいろいろな問題が含まれているのです。

とにかく利回りだけをみてその物件に飛びつくのは、危険だということだけは強い申し上げておきたいと思います。